Navigation

公益社団法人日本山岳会

医療委員会主催景信山メディカルハイキング報告

医療委員会主催景信山メディカルハイキング報告

医療委員会・浜口欣一

 医療委員会では,10月1日(土) 山の医療を実地に学んでいただくための企画として,初めての登山医学講習会・メディカルハイキングを景信山で開催した.登山中に起きる病気やケガなど不慮の事故に遭遇した時に役に立ち,医学的な知識を会員に学び体験してもらう実地の講習会である.開催前日の夜の天気予報では降水確率が70%だったが決行することにした.JR中央線高尾駅北口に午前8時30分集合した.受講生は申込者23名の内,5名の欠席者があり,18名だった.内訳はJAC会員13名,多摩支部主催初心・初級者登山教室受講生5名だった.医療委員6名とあわせて24名で小仏へバスで向かった.下車後停留所の広場で医療委員や受講者の自己紹介を行い,今回の目的や注意事項などを説明,二つの班に分かれて出発した.景信山の登山口から森林帯の細い道を登って小屋のある山頂に着いたのが11時15分である.昼食を摂った後に,講義や実習を開始した.実施項目はハチ刺され,虫刺され,切り傷・すり傷,出血,足首ねん挫,膝痛,腰痛,足ツリ,骨折などの対処,心肺蘇生実習,携行医薬品の解説などであった.野口委員は,ねんざや膝・腰の痛みや予防に使うテープを,足首の痛みを訴えていた受講生をモデルに説明したのち,

medical kagenobu1.jpg  medical kagenobu2.jpg

持参ゴムベルトなどの簡便なグッズの使い方を説明した.また,携行している薬品類を提示し特徴や使用上の注意などを細かく解説した.さらにハチ刺され時のアナフィラキシー治療薬剤であるエビペン注射薬のデモ用キットで参加者たちが足に注射する疑似体験をした.これらは野口委員が著した「山の病気とケガ」から抜粋し,改めて解説を加えたものである.

medical kagenobu3.jpg

植木委員は心臓マッサージの方法について持参した人形を用い使用時の注意,胸骨圧迫時の腕の使い方や動作時間など詳しく解説した.

 medical kagenobu4.jpg medical kagenobuu5.jpg

受講者全員に心臓マッサージと人口呼吸を実践してもらった.

 medical kagenobu6.jpg medical kagenobu7.jpg

更に骨折などでの三角巾の使用方法も解説した.女性の参加者が多かったので専門の泌尿器科医の立場から冷えや,膀胱炎予防の説明があった.秦委員は実際のハチやマダニなどの標本を見せながらの解説した.

 medical kagenobu8.JPG medical kagenobu9.jpg

 マダニに刺された場合には無理に虫体を抜くと口器が皮膚に残ってしまうのでなかなか治癒しない.虫体にワセリン(ムヒなどの軟膏,メンソレタム等も可)をたっぷり塗りテープで押さえる,マダニが呼吸を出来なくなる方法を実際に紹介した.秦委員が編集した虫刺されと虫よけの手引き書を配布しキイロスズメバチなどの害虫予防なども解説した.山頂の小屋の女将さんも熱心に聞いており,小屋にハイカーが来てハチに刺された・捻挫したなど相談されることも多いので,多いに参考になったという.山で起きる様々なアクシデントに救急的に対応できる講習を2時間半ほど行い,記念撮影後,14時15分小仏峠に向かってに向かってに下山を開始した.空模様はやや明るくなり山頂から遠く都心の建物が見えるよになっていた.

medical kagenobu10.jpg

途中はぬかるんでいる上に,ゴツゴツした岩石が飛び出していて,滑って転ぶと思わぬケガに繋がりそうな山道である.「さっきの講習が役に立つ事が無いようように注意しておりて下さい!」との注意を促した.小仏バス停15時40分発の高尾駅行きに辛うじて全員が乗車できた.高尾駅北口で,「ケガもせず雨も降らず無事終了できた」旨の挨拶をして解散した.医療委員と受講者のうちの希望者総勢17名で,南口の懇親会場で当日の反省や今後の委員会への要望などについて懇談した.当日参加の医療委員会委員は野口いづみ,浜口欣一,植木貞一郎,秦和寿,村上和子,小清水敏昌である.

pagetop