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公益社団法人日本山岳会

会長挨拶

橋本しをり会長

 橋本 しをり (HASHIMOTO Shiori)    
 (公益社団法人 日本山岳会 会長)

最初に

このたび、日本山岳会会長を拝命いたしました橋本しをりでございます。
歴史ある日本山岳会の会長を拝命し、身の引き締まる思いでおります。

日本山岳会の出会いと女子登山隊

最初にこの場を借りて自己紹介をかねてご挨拶申し上げます。
私と日本山岳会の出会いは東京女子医科大学の山岳部に在籍していた学生の頃にまで遡ります。
当時、山岳会学生部の部長をされていた早稲田大学山岳部の竹中昇さんから、女子部創設について仰せつかりました。
また、ナンダ・デヴィ登山隊(1976年 [渡辺兵力 総隊長 鹿野勝彦 隊長])事務局のお手伝いをさせて頂き、遠征登山隊の基礎を学ぶことができました。
その後、女子登山隊としてガッシャーブルムII(1988年 [日本女子登山隊隊長])、チョーオユー(2002年 [日中友好チョーオユー女子合同登山隊 日本隊長])、チョモランマ(2005年 [日中友好チョモランマ女子合同医学登山隊 日本隊長])などへの海外遠征を行いました。
その過程で、脈波測定による末梢循環や高所頭痛に関する医学研究を行いました。

日本山岳会紹介

さて、日本山岳会は、1905年、明治38年に設立された日本最初の山岳クラブで、2012年(平成24年)に公益社団法人となり、2025年(令和7年)には創立120周年を迎えます。
世界的にはThe Japanese Alpine Club、JACとして知られ、現在、本部および全国33支部において約4300名の会員が活動を行っています。
長い歴史の中で、会員による初登頂・初縦走・初踏破は、1956年のネパールヒマラヤ、マナスル峰(8,163m)の初登頂をはじめとして枚挙に暇がありません。
また、日本山岳会の活動は広範で多岐にわたり、出版事業や24の委員会のもと登山・アルピニズムの振興、山岳文化の継承、山岳研究、自然環境の保全、国際交流などの活動が行われています。
日本山岳会のcultureとしての特徴は、創立以来ボランティア精神で成り立っていることがあげられます。
山にかかわるさまざまな分野で活躍する会員同士が自由な雰囲気のなかで登山を楽しみ、交流し、山岳事業活動や山岳文化、自然保護活動を行っています。

登山にまつわる課題

近年2016年の「山の日」祝日制定に伴い、登山ブームが再来しています。
登山は適度な有酸素運動であるのみならず、荷物を背負い山道を登り降りすることで筋力トレーニングの効果もあります。
また、百名山達成などモチベーションの維持が可能で、さらに森林浴や植物や山の景観を楽しむことによるリラックス効果なども期待でき、国民の健康維持のための有力なエクササイズのひとつと言えます。
一方、遭難を含む山岳事故には十分注意する必要があります。
また、高齢化社会の到来を迎え、特に高齢者が安全な登山を行うための問題点の解決も必要です。

発展の歴史に学びつつ新しい時代に順応

今後の抱負として、日本山岳会が100年以上にわたり積み上げてきた山岳文化の財産は膨大なものであり、その創立以来の精神と発展の歴史に学ぶとともに、現代の登山環境に合わせながら少しずつ変化させ、順応し、新しい時代の登山文化創造と充実したクラブライフの環境づくりに、微力ながら全力を尽くす所存でございます。
また、女性会員のサポートや、若いZ世代の登山への意識を向上してもらうためのITによる情報発信、SDGsに代表される環境問題への取り組みも重要になってくると思います。

結び

最後に、2025年の創立120周年に向けて皆様とともに日本山岳会の発展に努めたく思います。
会員の皆様におかれましては、引き続きご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

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