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公益社団法人日本山岳会

8月山行■鳥海山古道調査

【山名】鳥海山古道調査
【日程】2024年8月10~12日(土日祝日)晴→雨→晴→曇り
【集合】10時50分 JR羽越本線遊佐駅改札口
【行程】ジャンボタクシーを月の原で下車して駒止の手前から11時15分歩行開始。
砂利道の林道を20分歩いた後、右から勢いよく水が下りてくる水路の脇を上がっていく。
分岐には標識はなく赤いテープのみだが、道はよく踏まれている。
水路の中を飛び石伝いに渡ったあとは水路から離れ、昔の石組を草の間に見て水呑ノ池の土手の上に出る。
池のほとりで12時15~40分昼食休憩。
刈払いされ、よく踏まれた一本道はブナの林に入り、13時35~40分、かくれ山分岐でタテをとる。
その後は周囲の下草よりも少し窪んで風通しの悪い、ときどき石畳が部分的に見られる道をひたすら北へ進み、汗だくだくになって16時45分に滝ノ小屋到着。
越後支部会員という方もいらっしゃり、夕食後は古道プロジェクトについての話もはずんだ。
20時消灯就寝、4時半起床、5時朝食、6時出発。ほぼ快晴の中、八丁坂をゆっくりと登り、6時50~57分にタテ。
河原宿で7時15~35分、トイレ休憩。
水場は、河原宿の前に流れている川の最上流部、小さくなった雪渓からの流出部で沢水を取水。
庄内平野や朝日連峰も望めるが、だんだんと雲が湧いてくる。
腰までの高さの笹原の中に、石祠が数か所、ひっそりと建っている。
雪渓を2回トラバースする。薊坂の途中で雨が本降りとなり雨具装着。
10時45分にようやく伏拝岳に到着、11時までタテをとる。
霧が深くて視界は数メートルも、石祠を記録しつつ進む。外輪の縁で突風に吹かれるときもあるが、12時に七高山到着。雨は上がる。
写真撮影、昼食休憩。
12時15分に出発し、鳥海山大物忌神社山頂本宮参拝、トイレの後に白蛇谷を下る。
谷の最後に雪渓上を10mくらい歩いて渡り、急斜面のジグザグ坂を登って七五三掛けに14時半到着、休憩。
だんだんと霧が晴れ、お花畑の向こうに鳥海湖と庄内平野が見えてくる。15時45分御浜小屋到着。
休憩していたらさらに天気が回復し、日本海に浮かぶ飛島や虹が見えた。
20時消灯も、その前から4人は寝始めていた。
4時半起床、5時半朝食、6時半スタート。
台風7号が接近中で細かい雨が降っているが風はほとんどない。
小屋の鳥海湖側から一旦、長坂道の方へ進み、600m先の分岐で右折して河原宿へ。
雨具をはずす。霧の中の坪庭のような場所。
見晴台から日本海は見えず、最後の急坂で滑らないよう注意していたがツルっと滑ってしりもちをつく。
ジグザグの道を30分ほど下ると舗装道路に8時45分に出る。
反対側に古道が続いていないか探したが、自然林の中の痕跡は見つけられなかった。
ブルーラインを下る。台風接近中なので、車が少なくて助かる。
9時に大平山荘となりの鳥海山大物忌神社中の宮に到着し、参拝、記録。
大平山荘でトイレ、雨具をしまい、9時45分にタクシー乗車、
鳥海山大物忌神社吹浦口の宮参拝、記録後、あぽん西浜で入浴し、道の駅まで日向さんの車で送って頂いて昼食。
羽越本線吹浦駅までも送って頂いて解散。
【参加者】(敬称略)高橋(CL) 永田(SL) 兵頭(会計) 出江ま(在京連絡)日向(山形支部)松本(記録)

【感想】
鳥海山山頂から日本海を眺めるのが望みですが天気の相性がイマイチで毎回ガスに包まれています。
慎ましく奥ゆかしさを見せなくてもいいのに。次の機会ですね。
(高橋)
初日の宿泊地である滝ノ小屋まで、便利な車道が開通するまで使われていた登拝道を辿った。
鳥海山には、5月のGWの時期に山スキーで訪れたことがあったが、滝ノ小屋以降の登山道で祠や石仏を探し、大物忌神社を参拝して歩くことで、鳥海山の印象もまた違ったものになりました。
車道開通によって得られるものも多くありますが、一方で失われてしまうものもあるのだということを実感しました。
台風の接近や初日の蒸し暑さ、雨の中の登山など、大変な場面もありましたが、雪渓で汲んだ冷たい水のおいしさ、お花畑の花々も忘れられないものとなりました。
山形支部の日向さんが先導してくださって、安心して調査を行うことができました。
ご一緒してくださった皆様にも感謝しています。ありがとうございました。
(出江ま)
田沢湖スキー場から、雲の上に白く輝く神々しくカッコイイ形の山が見え、鳥海山ときいて感動したのが最初の出会いだった。
月山の春スキーの時は南側から全容を初めて望めて、やはりハッとした。
そのあと、歴史を調べて古代から霊山とされていたと知り、いつもハッと感動する由縁が少しわかったような気がした。
今回そのお山に登らせていただいて、その大きさとダイナミックさに圧倒された。台風接近中で近くから形を眺められなかったのは、また来なさいということかと解釈!
下山後自宅でニュースを見ていて、台風7号直撃箇所を、よく無事に帰って来られて、しかも途中はお花畑と雪渓と緑の笹原と真っ青な空に白い雲が揃い、「ザ・夏山」の景色の中にいたのが不思議でした。
山形支部の日向さんには、刈払い、道案内、さまざまなお話、最終日の朝食後の珈琲など、ありがたいことばかりでした。山行参加の皆さま、ありがとうございました。(松本)
道中、山形支部の日向さんから地元の方ならではのお話を聞くことができ、充実した三日間だった。
台風情報をにらみながらの山行だったが、晴れからガス、霧雨など移り変わる気象条件のもと、変化に富んだ山の表情を体感できたのもよかった。
深い山というより広い山という印象で、歩いても歩いてもまだ鳥海山、という言葉が浮かんだ。
地形が複雑で、眺望や豊富な高山植物も楽しむことができ、倦むことなく歩ける山だと思う。
以前、登ったときには目に入らなかった古い祠や石仏などを辿りながら、いにしえの修験者に思いをはせた豊かな時間だった。
(兵頭)
山形支部の日向さんたちに薮を払っていただき、また案内していただいたおかげで、スムーズに古道を歩くことができた。
我々だけだと明るいうちに滝ノ小屋に着けたかどうかも怪しかった。
古道は案内がないと通れるような道ではなく、HPに描くときには赤色の破線になるかと思う。
古道だけでなく、蕨岡口コースもほとんど歩かれていないようだ。
当然、だれとも会うことはなかった。
翌日の滝ノ小屋から上は、多くの登山者が台風目前の鳥海山を楽しんでいた。
しかし尾根の祠はどれも中が空の状態で、関心を持たれることなく放置されていた。
信仰の山ではあるが、レジャーにシフトしたようだった。
魅力がありすぎる故かもしれない。
(永田)
【特記事項】鳥海山古道の山形県側調査として、山形支部の日向さんも参加され、事前の刈払いや道の先導で大変お世話になりました。
蕨岡口の大物忌神社へは、途中の県道が、直前の豪雨被害により通行止めとなっているため、時間的な関係で立ち寄れなかった。
【反省会】吹浦駅近くの道の駅
(新潟駅前で第2回反省会実施)
【ヒヤリハット】特になし
【記録】松本

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