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公益社団法人日本山岳会

8月山行■出羽三山

月山9合目

【山名】 羽黒山・月山

【集合】 2022年8月27日 6時20分 高田馬場駅北口

【行程】 
〈第1日8/27〉6:20 JR高田馬場駅集合出発(レンタカー7人乗)→関越道を経由して山形県鶴岡市まで500キロを走行→14:20羽黒山手向地区大進坊着(古道に関して早川氏のお話を聴く)→15:05羽黒山随神門前駐車場→ 16:15 表参道を経て羽黒山頂の三神合祭殿に到着し、摂社末社など参拝し、羽黒古道鉢子皇子登山口へ下る道を確認した。また途中分岐の南谷古道も巡った(森田)→ 16:40 車で羽黒山山頂を出発 → 17:05 修験拠点の荒澤寺に到着し、東北自然歩道を探しに出た別行動の二人(永田・飯田)を待つ → 17:45 連絡が付き、車で移動して途中で二人をピックアップ → 18時 宮田坊(宿泊地)到着。夕食後、宴会及び作戦会議。就寝22時半頃。
〈第2日8/28〉6:00起床・朝食 7:40宮田坊を出発、正善院・黄金堂に寄る→ 月山ハイウェイに沿って月山三合目 神子石神社 → 四合目 生井神社 強清水 →六合目 からの古道入口を探す → 9:15 月山八合目駐車場 9:30出発※→11:00 仏生池小屋 11:10発 →12:10山頂・月山神社参拝 →12:20 頂上小屋にて昼食休憩 13:15発 →15:45 八合目駐車場にて記念撮影 16:20発 →16:45月山ビジターセンターで話を聞く 17:00発 →山形道、東北道、首都高速を経由して→23:30 新宿駅西口にて解散
※計画では湯殿山までの縦走予定であったが雨天で登山道の状況も悪く月山山頂までのピストンに変更した。

【参加者】CL 森田 SL 永田 鎌塚(会計)飯田 市川 泉谷 松本
(在京担当)高橋

月山8合目羽黒山手向 大進坊出羽三山古道羽黒山羽黒山羽黒山

【感想】
●今回の山行は古道調査の一環として実施された。併しながら現代まで続く修験道の山である出羽三山は古来八方七口と云われるように山域も広大で様々な古道が存在して歴史的にも研究すべき事柄が多く事前の調査計画の段階から歯ごたえ充分で古道調査としてはさながら難攻不落の山の感があった。調査したいルートは数多くあったが結局今回は一泊二日という日程の制約もあり羽黒山、月山、湯殿山を巡る”三山駈け”の古道を中心に、チームにも別れてレンタカーの機動力を活用するプランとした。この古道ルートは『奥のほそみち』で松尾芭蕉が巡った古道でもある。今回は計画段階に時間を掛けて調整も行えたので古道調査、山行ルート、全体行程等は比較的に納得のいくレベルではあったとは思うが、現地事情に接してはじめてわかった事も多かった。
また今夏の東北地方が連日不安定な天候が続く中で山行第2日目の午前中はあいにく雨となってしまい残念ながら湯殿山まで行くことは断念したが無事全員で月山山頂までたどり着けて途中の古道の旧跡(大部分は廃道化している)も調査できた事は一定の成果と言えるだろう。
山行中のほとんどは霧中で眺望もなかったが頂上のお花畑や下山時に晴れ間の光ものぞき出羽三山山系の雄大な景色が垣間見れたのは至福であった。
トラブルなく無事に終えられたのは事前に今回の古道調査山行の趣旨を理解して意識レベルの高い参加メンバーの皆様の協力とチームプレーの賜物であると感謝致します。今回やり残した調査課題も多く見つかったが、また来なさいと出羽三山の神仏が思し召しと考えて再会を期すと致しましょう。最後に今回現地にて古道や出羽修験について説明くださった大進坊の早坂氏、宿舎まで激励に訪れて豪快な一升瓶(吾有事)を差し入れてくださった小林前会長に重ねて感謝致します。(森田)

●実際に歩いて人に聞いて、はじめて分かったことが多かった(芭蕉のピストンとか)。出羽三山は規模が大きく歴史も古く、古道資料も少ないため、思った以上に調査に時間がかかることが判明した。車による移動だったため、ある程度の成果が得られたが、公共機関の利用ではこうはいかなかったかと思う(森田さんに感謝)。また、みんなとの1泊旅行は楽しかった。久しぶりに目一杯遊んだ気がした。酒も食事もおいしく、充実した2日間だった。(永田)

●羽黒山は雨上がりで滝も一層迫力があり、杉並木の幽玄な雰囲気に圧倒された。石段の足を置く長さが狭くてヒールアップトレーニングにもなったが、お社が多くて、次はどの神さまが祀られているのだろうと興味をもちつつ登れた。頂上の三神合祭殿の檜皮葺の厚みには圧倒された。翌日の月山登山は、山頂の神社でお祓いを受ける前にも、登山道でずっと風雨で祓われていた気がした。霧で遠くは見えないも、見渡す限りのお花畑は気持ち良かった。宮田坊のおにぎり弁当とともに、頂上小屋で頂いたなめこ汁で体が少し温まり、予報では晴れてくるのに結局、駐車場に到着して初めて、庄内平野を見下ろせて、広々とした風景に感動!前会長の小林様、美味しい日本酒の差し入れ、ありがとうございました!(松本)

●初めて古道調査に参加しました。「古道」を一言でいうなら「ワクワク感」です。失われた道の実相を解明するという学際的側面がある一方で、こうだったら面白いというロマンや期待をよい意味で裏切ってくれるサプライズがあります。藪を漕いでいるうちは山岳会のようなマニアックな人達だけのものですが、開発次第では観光バスでガイドが案内するような新しい定番ルートに化ける可能性だってあります。世の中はそういう別視点の旅に向かっているのです。地道ですが新しい日本を発見する活動だと思います。今回、たいしてお役に立てませんでしたが機会があればまた参加させていただきたいです。お疲れ様でした。(市川)

●おかげで充実した二日間でした。
今後ともよろしくお願いします。(飯田)

●羽黒山宿坊エリアに入るとすぐ、多くの家の軒下に掛けてある不思議な縄飾りが目に入った。それは松例祭という神事に使われた大松明の引き綱で、魔除けになるとのこと。
山岳会にご縁があるという、大進坊の早坂さんに教えて頂いた。そして古道の各合目のエピソードや現状などなど、地元の宮司さんにお会いし教えていただけるというのはとても貴重な経験であった。
一番の収穫は、薮に隠された古道を探す、という楽しさに触れられたこと。森田さんが各ポイントで車を停めてくださり、古道調査PTの皆さんに導かれ楽しく探す事ができた。
羽黒山の緑眩ゆい厳かな杉の参道や、月山の霧の中に浮かび上がる修験者の真白な装束、ハクサンイチゲの群生などが美しく印象的であった。みどころが満載過ぎる出羽三山。また必ず訪れたい。(鎌塚)

●何もかも楽しい良い山行でした。細やかに色々本当にありがとうございました。
(泉谷)

【特記事項】
・ちょうど秋の峰入りの時期と重なり月山や山麓の荒澤寺及び宿舎にも修験の行者さんが大勢いました。朝は行者の法螺貝の音で起こされます。行者も最近は車を使って回るようですが修行中の行者さんに古道の道を聞くことは慎重に配慮してください。
・月山山頂部は神社となっており別途お祓い料が必要です。修験行者は麓の荒澤寺で行じて九合目には仏生池があります。昔ながらの神仏習合の残る山です。

・道の駅あつみのレストラン →海の幸のメニューが豊富で美味。天井が高く落ち着く店内。海沿いのテラスもあり。
・宮田坊の精進料理 →どれも手が込んでいて、素材も美味。
・吾有事(わがうじ)→小林前会長から差し入れて頂いた。力強さと優しさを併せ持つような、とにかく美味しい山形のお酒。曹洞宗の禅師のお言葉で、時と一体になる、という意味だそうです。
(※道元禅師の正法眼蔵の吾有事巻からの言葉)

【ヒヤリハット】 特にありませんでしたが連日の雨により月山登山道の一部は池や沢のように水が溜まり流れており滑らないように充分な注意が必要でした。またこの時期で山頂の最低気温は11℃まで下がり所々風も強く手がかじかんでしまったメンバーもいました。想定はしていましたが寒さや浸水、風雨対策が重要でした。

【記録者】森田

MCC

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