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公益社団法人日本山岳会

4月山行■若彦路

【山名】若彦路(御坂山塊・大石峠)
【日程】2023年4月16日(日)天候 曇りのち晴れ
【集合】8時35分 JR甲府駅改札口
【行程】9:30八代射撃場上のゲートを出発し、林道を緩やかに登る。登山道の入り口が見当たらず、堰堤左岸の尾根に向かって急斜面を登り、尾根へ上がると、右側の谷から上がってくる道を発見。10:30 鳥坂峠到着。東方向50m先に石祠があると文献にあるため、大口山(1106m)まで探しに行くが、見当たらない。10:46 出発して南方に下り始めてまもなく、石祠を発見。近くに柱がトタンで覆われて倒れた鳥居も見つかる。 11:05 道端のサンショウの木の若葉を味見。その後、石碑下からコンクリートと砂利敷が交互に現れる道を下る。新井原の集落まで下り、東方へと集落内の平坦な舗装道路を進む。 11:49 東林寺で昼食休憩 12:20 出発し、さらに東方へと上芦川の集落を進み、南方へとわずかに下って大石川を渡る。12:37 大石峠入り口の道標を通過。植林帯の作業用舗装道路の急坂から土の道に変わり、落葉樹の自然林のジグザグ登山道を進み、14:14 大石峠到着。14:31出発し、南方へ60曲がりを下る。急斜面にジグザグに道がつけられていて、途中から暗い植林帯となる。標高1300m地点に「命の水」という名の湧水あり。さらに下ると、道端に巨岩があり、接地面に小さな「馬頭観音」石碑が立てかけられている。 15:25 奥集落との分岐で一旦左に行き、すぐに右に曲がって、「渕坂峠」への道標に従って、奥川を石伝いに渡渉。左に曲がり、トラバースしながら緩く登っていき、16:00 渕坂峠通過。南方へ下ると、16:15 道が舗装道路に変わる。本来は、右へ曲がり、右方の山の麓を巻くのだが、入り口が見当たらず、河口湖に向かってまっすぐに下る。 16:33 河口湖沿いの県道に突き当り、右へ曲がり、小川沿いに右へ少し上り、集落内の古道に戻る。16:45 長浜バス停到着。古道調査はここまでとする。

【参加者】(順不同・敬称略)CL 松本 SL 永田 森田 田中 鈴木 泉谷 高橋(記録)
若彦路
【感想}
若彦路は今回始めて歩きましたが富士山の眺めの美しい大石峠など三つの峠を超えて距離といい標高差といいなかなか歯ごたえのある道でした。
御坂峠が富士信仰と主要な交易の道としたら若彦路は吾妻鏡に記される武田信義ら甲斐源氏の軍勢がここを通り平家軍を要撃した軍事道路でもあり同じ地域の古道でも幾分性質の違いを感じました。
今回は往路と復路にタクシーを使いましたが、往時のようにもし甲府付近から歩いたとしたら距離は約30キロ、累積標高差は1700M以上ありましょうか。一日で踏破するのはとても困難な道だったろうと思いました。
古道調査は道跡のトレースや史蹟の確認も大切ですが、実際にどれだけ時間が掛かり体力を費やす大変な道なのかを体感する一種の実験的な要素もあるかなと実感したのが今回の新たな感想でした。(森田)
お天気も気候良く、さわやかに気持ち良く歩けた。
鳥坂峠・大石峠・渕坂峠。誰とも会わず、石碑も少なく、御坂峠にとってかわられ、廃れていった様子だったが、良い道だった。御坂峠の石がゴロゴロしている下りなどより、よほど歩きやすかった。大石峠は一番きつく、荷物(天秤棒もかつぐ?)を持って行き来した昔の人は健脚で体力があるものだとしみじみ思った。大石峠を越えて、迎えてくれた雄大な富士山の姿に感激した。河口湖、丹沢(?)まで見渡せた。山岳古道を歩く、なかなか大変だけれど、歩き比べはおもしろい。(泉谷)

三つの峠を繋いで歩く古道。予想以上の面白さでした。
鳥坂峠までは途中から道がキレてなくなっており、地図を見ながら暗い斜面にを上がるのは楽しかった。
見つけられなかった祠が谷ずじに現れた時、 苔むした祠に後光がさして見えたのは私だけでしょうか。
標高差500Mも上がる二つ目の峠は急なつづらおり、急勾配が終わった途端現れた富士の大きさは圧巻、感激だった。この日の一番のご馳走。その後も時折道を見落としながら 探す目前に一本それらしきラインを見つけた時はやっぱり楽しい。1000年も前から歩かれているという道、今回のコーズは 真ん中にちょうど富士山ポイントもあり
鳥坂峠まで明瞭な道があったなら ほとんど人もおらずいいハイキングコースだと思った。
参加の皆さまありがとうございました!(田中)

昨年の御坂峠に続いて古道調査を担当するリーダーということで、参加者に昔の話を伝えられるよう、資料を読んで臨んだため、時空を超えた旅も一緒にしていた気分だった。上芦川の集落から進行方向を眺めて、あんな高いところまで登るのか、昔の人は苦にもしなかったのかな、もっと楽なコースはないのかな、と思い、来月の中道往還との比較も楽しみです。(松本)

【特記事項】石和温泉駅から奈良原を通り芦川支所までバスは一日2往復あるが、時間が合わず、調査に時間を取られる可能性も考えて、特急あずさ1号を使い、甲府駅からタクシー乗車して、八代町の登山道近くまで40分かかった。
鳥坂峠への登りは、現時点でヤマレコにも全く記録が出ず、尾根上の道ははっきりしていたが、途中がわかりにくかった。鳥坂峠からの下りも、ガードレール沿いに進むと、鳥坂トンネルを通ってきた国道に早くぶつかる道となり、ガードレールの手前で、直角に右に曲がり下っていくところがわかりにくかった。新井原の集落と上芦川の集落の間の905m表示のそばで、国土地理院地図では道が途切れているように見えるが、普通につながっていた。渕坂峠へのトラバース登りは、斜面が崩落しかけた箇所が2-3か所あった。
甲府駅と河口湖駅にしかトイレはない。
登山道の傍らには、石祠1か所、石碑2か所のみで、古道らしき痕跡は少ない。
長浜バス停からは、一時間に1本、河口湖駅までの周遊バスあり。私達は、タクシー乗車した。

【反省会】大月駅前の桂にて
【ヒヤリハット】特になし
【記録】松本

MCC

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