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公益社団法人日本山岳会

12月山行■秋葉街道 青崩峠 小川路峠

【日程】2023年11月18日(土)~2023年11月19日(日)

【集合】9時10分 遠州鉄道 西鹿島駅

【行程】
1日目 11月18日(土)雪のち曇りのち雪
9時20分、東海支部の西山さんの車で西鹿島駅を出発し、10時50分足神神社で下車。
参拝後歩行開始11時20分。
紅葉が美しかった。
12時に青崩峠到着。昼食休憩後、12時20分に西山さんは車へ戻る。
青崩峠から信濃側は、手すりや青崩神社がかしぐなど、いかに崩れやすい地質であるかがよくわかった。
国道(舗装道路)に出て、13時40分に再び急斜面の旧道に入る。
判の木茶屋などの廃屋と石組の場所を通過して、秋葉街道入口の看板からすぐに河原に出る。
14時10分から20分、休憩。その後は崩落個所や青崩トンネル工事現場となり、古道は歩けず、国道に戻る。
国道での青崩峠までの道も崩落があって通れないらしい。
14時50分西山さんの車と合流し、ここから長野側の古道は諦め、右に迂回して秋葉街道へ向かう。
14時55分稲荷神社へ到着。
その後、西山さんの運転により番所跡、博物館等観光ののち宿泊先であるかぐら山荘に到着。
風呂が工事中の為、平岡駅ビル内の温泉に移動。夕食後解散。

2日目 11月19日(日)快晴
6時朝食。6時50分、かぐら山荘出発し、7時20分に小川路峠越え入口で下車。7時30分歩行開始。
人が入っておらず、藪になって道が不明になった個所が多々あった。標識も倒れていた。
9時45分尾根に出る。
11時20分斜面が崩れている難所あり近藤さんがロープを張り対処。
12時45分小川路峠着。昼食休憩、西山さんはピストン。
南アルプスを望み、アイゼン装着後、13時45分出発。
飯田側は観音も多く残って道は快適だったが、利用者が少ない寸坂は荒れていた。
ヘッデンがほしくなる16時50分に車道に出て、17時20分西山さんの車と出会う。
18時飯田駅到着。
西山さんと分かれ、高速バスで帰京。

【参加者】(敬称略)近藤(CL) 永田(SL) 松本(記録) 堀地(記録) 泉谷(会計) 出江(在京) 本村(気象) 西山(移動)

青崩峠

【感想】
古道調査で行く場所は初めてのことがほとんどだが、南信、遠信地方といわれる今回の箇所は、山や観光でも足を踏み入れたことがなく、期待感がさらに大きかった。
天竜川に沿った谷間の底を延々と北上し、「崩れ」があちこちに見られる青崩峠信州側を通過し、貫通したばかりの青崩トンネルへの入り口付近の工事現場が古道を消滅させているのを目の当たりにして心動かされた。
遠山郷といわれる地方の様子、南アルプス前衛の山から昇る朝日、ゆったりと伸びる小川路峠みち、峠越えというより「小川路峠山」を登ったような達成感のある行程だった。
前日の風雨で洗われたお蔭でスッキリした青空に、白銀に輝く南アルプスの山々がずらっと顔を並べているのは圧巻だった。
いつかは登ってみたいなと地図を広げているだけだったのが、少し現実味を帯びてきた。
峠を越えると景色ががらっと変わって伊那谷と中央アルプスと恵那山が眺められ、ここは、どちらも望める展望台!
私たちが120古道で紹介したら明らかに訪問者が増えそう!
登りも下りも3時間強かかる長い径は、33対の観音様に見守られながらで、黄金色のカラ松林にもみじのアクセントを愛でながら、今年最後のすてきな古道調査となった。
皆様、ありがとうございました。(松本)

今回の古道調査山行は、東海支部の西山さんが車を出してくださり、抜群の機動力だった。
ご一緒に古道歩きができたこと、色々なお話が聞けたこと、とても楽しく学びになった。
初日、ちょうど歩き始めようとしたら雪が降り出した。
思うより降り続いたが、ささやかな?雪だったので雨が降るよりは良いと思った。
雪降る冬の景色、昼・夕の陽の光に黄金色に輝く紅葉盛りの秋の景色、本当に美しく2つの季節を同時に感じながら、気持ち良く歩くことができた贅沢な山行だった。
青崩峠までの登りはちょうど良い距離で楽しく歩け、良い道だった。
下り、その名の通り、青みどり色の岩肌を見たり、それほど大きい山塊と思わないのに、ダイナミックな景色に感嘆して人気の理由がわかった気がした。
下山地点は、トンネルが通り工事中で、歩くはずの道は車道に変わろうとしていたことに、一同驚いた。
小川路峠は、登り、近藤さんたちが6〜7年前歩いた時より、よほど荒れていて歩かれていない様子だった。
飯田側へ向かう下りは、登りより整備されていたが、最後、地図上で道となっていない道を歩くことになり、近藤さんと永田さんがカンで歩いて導いてくださった。
下山して地元の方と話ができてわかったことだが、年1回?(秋の収穫の感謝だったと思うが)小川路峠に登っている(整備している)とのこと、我々が訪れたちょっと前に歩かれたようだ。
さすが古道、今回もやはり何かあったが、楽しく歩き勉強させていただきました。
おもしろかったです。ありがとうございました。(泉谷)

崩落の進む青崩峠から遠山郷に入り、小川路峠を越えて飯田に下った。
一度歩いてみたいと思っていた道だったので、願いが叶って嬉しかった。
峠を往来する人々を見守ってこられた観音様を見比べながらの峠越えは味わい深く、
雪を被った南アルプスや中央アルプス、夕暮れの飯田の街並みも忘れられない眺めでした。(出江)

中央構造線上の秋葉街道に続く2つの峠を越えは、ジオパークである事によるダイナミックさと、麓集落の自然との折り合い(信仰)=災害との共存を強く感じずにはおれない。
南は秋葉神社方面へ。
北は高遠へ。
辿ってみたいと思った。(本村)

東海支部の西山さんのおかげで、一度の山行で、青崩峠・小川路峠の全貌がつかめたことはありがたかった。
車でしか行けない史跡や神社、資料館などを訪れることもできた。
天候にも恵まれ、美しいいろいろな風景を味わい、快適な2日間だった。
だが、青崩峠の古道が、新たな国道の建設によって失われてしまったこと、小川路峠の遠山側が歩く人なく荒れていたことが残念だった。
秋葉街道の価値を知ってもらうには、もう少し取材が必要であることを感じた。(永田)

【反省会】飯田駅前「いろはにほへと」
【ヒヤリハット】特になし
【記録】堀地

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