【山名】飯豊山(山形県側の古道調査)
【日時】2025年9月6-7-8日(土日月)曇りのち雨
【集合】9月6日9時20分にJR米沢駅
【行程】小山さんの車で米沢市内の飯豊山碑調査のため、古志田桜神社と勝軍地蔵堂と六郷荷渡神社に立ち寄る。
勝軍地蔵では背丈まで伸びた草を刈らないと近づけなかったが、他の神社ではすぐに石碑を見つけられた。
(その後の越後米沢街道調査については、以下の特記事項に記載)
JR米坂線手ノ子駅近くから県道4号線を南下し、高峰集落で白川を左岸へ渡った禅定院では、石碑は多く残るも「南海供養塔」の文字は見つけられず、車内で昼食をとる。
白川ダム沿いに南下し、県道8号を西進し中津川集落を抜けて岩倉神社で飯豊山碑湯殿山碑を写真に収め、大日杉小屋に15時頃に到着して前泊。
7日5時26分小屋を出発し、5時47分ザンゲ坂の鎖場を登り始める。
6時26分長之助清水・御田の杉分岐、6時40分御田の杉、8時53分地蔵岳山頂に到着して15分間の休憩。
薄曇りだが、飯豊本山山頂がきれいに望めた。北西からの風が強くなっていたが、稜線よりもわずかに東側に下がったところに道がついているため、吹き曝しにならずに11時46分御坪到着。
11時55分切合小屋・飯豊山穴堰分岐から穴堰調査のために刈払いされた笹の間の道を進み、一旦川に下りたり周囲をあちこち探したりするも見つけられず、12時40分に切り上げて小屋へ向かう。
小屋のある稜線に出る直前で雨が激しく降ってきたために雨具を装着。13時52分切合小屋到着。暴風雨となり、飯豊本山登頂は断念して宿泊。8日5時半から朝食。暴風雨が弱まるのを待って7時12分小屋発。
雨は多いが暴風は弱くなっている中、8時10分、御坪で2分間のタテをとる。
10時、地蔵岳で雨の止みまにタテ。その後、雨はやむも雨具は装着したまま、下りの途中でもう一回タテをとり、12時25分大日杉小屋到着。
車に乗り込み、14時頃小野川温泉滝の湯(町の共同浴場)に立ち寄り、16時米沢駅で解散した。
【参加者】(敬称略)高橋・小山・成田・松本

【感想】
山形は山岳信仰が強く、石碑の多さから信者の多さがうかがえた。初めての飯豊山登山は楽しみだったが、悪天候で頂上に行けず悔いが残りました。いつか晴天の時、再度山頂を目指したい。寛政10年(1798年)米沢藩主上杉鷹山公が食料増産の為に工事を進めた飯豊山穴堰が見つけられずこれもまた悔いが残った(切合小屋のご主人に聞いたところ、我々が調べた川の下流にあるような感じだった)。山行中履いていた登山靴のつま先に穴を見つける。経年劣化が原因だが、降雨により靴の中までビシャビシャになり、不快な思いをする。事前に装備のチェックをすべきだった。(成田)
古道調査で飯豊山を山形県側から往復しただけで、山頂を踏めず、雄大な稜線を望むこともできなかったのは大変残念だが、飯豊本山を眺められたことと、熊のフレッシュな糞に3か所で出会ったのに姿も見かけなかったことで良しとしよう。登山中の暴風雨とは違って、カンカン照りで熱中症になりそうな中、飯豊山碑を写真に収めるために米沢市内を車で駆け回ったのも、古道調査の良き思い出となりそう。越後米沢街道十三峠に再び赴くことになるなんて!(松本)
【特記事項】飯豊山碑は、米沢市内を中心に、他にも存在しているのは文献調査でわかっていたが、当日の時間的な関係で立ち寄れなかった。
2024年6月の越後米沢街道古道調査時、十三峠の一つ、大久保峠は、国道113号からの入りくちが車からぱっと見ただけでは全くわからないため、全く調査しなかった。ホームページに載せる地図の空白を埋めるため、追加調査の必要があり、飯豊山と近いために計画に組み込んだ。西の越後側から米沢方面へ国道113号を進んで遅越トンネル手前で2回橋を通るのだが、トンネルから西へ二つ目の橋の北側に大久保峠への入りくちがある。100mも進めずに斜面の崩落個所となり、進むのは断念した。次に、トンネルのすぐ西側、国道から南へと車一台が通れる砂利道があり、途中の崩落のために2025年9月現在では車両通行止めだが歩行は可能で、川沿いの平地を1.6kmほど歩くと間瀬橋に出られるのがわかった。最後に、トンネルの東側出口の北に広がる小さな平地を囲む東傾斜地をよじのぼると、国道から20mくらい高い所に水平な古道の道型を発見した。幅は2mくらいで藪になってはいないため、普通に歩ける道が長さ30mほど続き、西は川へと下っているのを確認。東は国道を造る際に切通しとしたために川の方へとつながるはずが国道で寸断されているのがわかった。その300m東にあるチェーン着脱場に立つ説明板には、間瀬集落が消滅したことが書かれていた。
*大日杉小屋はログハウス風の建物で天井が高く、広々として快適。トップシーズンは毎日、少しはずれると週末のみ管理人さんが駐在し、その時はシャワーが使え、ビールも買える。小屋の50mくらい手前に広い駐車場あり。
*切合小屋は飯豊連峰の山小屋の中で唯一、食事を提供する小屋。寝具は持参する。2025年9月時点で、1000円で350ml缶ビールが購入できた。
*小野川温泉にある町の共同浴場は洗剤類を置いていないため、紙石鹸など軽くて便利なアイテム持参を推奨。
【反省会】なし
【ヒヤリハット】熊は見かけなかったが、登山道の3か所でフレッシュな糞と遭遇し、熊鈴と熊スプレー必携。
【記録】松本
