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公益社団法人日本山岳会

子持山 山行報告 2020年10月25日(日)

1.山行記録

(1)山行日:令和2年10月25日(日)

 (2)参加者:CL岸哲、石山、大西、三尾

    記 録:岸 哲生

(3)山行時間

    登山口9:30~10:50獅子岩11:05~12:10子持山山頂12:40~14:20登山口

2.山行報告

3月の谷川岳を最後に麗山会の山行は4月~9月までの6ヶ月間中止としていた。4月の大岳山、5月の唐松岳、6月の伊豆ヶ岳、7月の白山or白神山地、8月の子持山、9月の総会・満観峰が中止となった。8月の予定だった子持山を選び、半年ぶりの山行再開となった。

 子持山は渋川の市街の北に位置している。渋川駅からJRは上越線と吾妻線に分かれるが、その線路のY字に挟まれるような位置だ。関越道を下り、渋川の市街が近づいた頃、子持山が見えてくる。小さな独立峰である。山容がこじんまりと一望できる。以外に低く、小さく、簡単に見えた。この印象が、登り始めて裏切られることになるのだが…。

 大宮駅で石山さんと大西さんと合流し、私の車に同乗する。半年ぶりの山行に、車中では途切れることなく話しが弾む。三尾さんはマイカーで一人だけ。一人だけの三尾さんを思いやる…こともなく(^_^)、高速には渋滞もなく、快適に車は進む。

 『道の駅こもち』で先行していた三尾さんと合流し、登山口には予定通りの時間に到着した。駐車場は混雑していたが、2台を停めることができた。

 準備を整え、歩き始める。唐沢川沿いの道を10分程歩くと登山口に着く。獅子岩を経て山頂に至る登山口だ。いよいよ山道になる。その登り始めの道は板張りになっている。踏まれていて、薄氷が張ったらツルツルに滑りそうな木道だ。程なく屏風岩に着く。基部には役行者の石像が鎮座していた。クライミングの対象になっているのだろう。基部からハングしている岩のところどころにボルトが打たれていた。

屏風岩から道の傾斜がきつくなる。リーダーを仰せつかり、先頭を歩かせていただいた。ペースはのんびりだ。自粛の期間中、飯能の天覧山~多峯主山、奥武蔵の天覚山など、里山や低山を歩いていたが、鍛錬には不足の感があり、足取りは重い。それでもゆっくりペースは維持することはできた。ヘルメットとロープをザックに提げた若い男女が我々を追い越していく。この先のどこかでクライミングだろうか?その姿を羨ましく思いながら、ジグザグの急斜面を登り切ると尾根道に出た。そこからの道が更にきつかった。ロープが下がるむき出しの岩が続く尾根道だ。『誰だ~、こんな厳しい山に行こうと言ったのは~!』なんて訴えを誰かさんが吠えている。高速道路から見えた山の印象が完全に覆された。

 獅子岩に着いた。吊り下げられた鉄ハシゴを力任せに登り、獅子岩の上に立つ。

『御岳山神社』の石碑がある。眺望はすばらしい。遠くの山々も一望できた。澄み切った秋の空のもと、子持山が静かに息をひそめている。山はいろどりを始めたばかり、全山の紅葉はこれからだ。

獅子岩

獅子岩から見る子持山

尾根道を更に辿る。岩が交じる道が続くが、少しずつ、歩き慣れてきた。柳木ヶ峯で左からの尾根を合わせると山頂までもう一息。12時10分山頂に着く。広くはない平らな山頂の小さな岩塊の上に『十二山神』の石碑が立っている。草むらが生い茂り、背の高い樹木に囲まれ、展望は良くなかった。20人程の先客がお昼をとっていた。山頂から少し離れたところで、我々もお昼にした。

子持山

 下山は柳木ヶ峯~大タルミ~登山口のルートを辿った。柳木ヶ峯から大タルミへの道も、岩の道ではなかったが、木の根っこも絡む、相当の急斜面であった。『先ずは、腰を深く下ろして、それから足を前に伸ばして…、』と、後ろを歩く三尾さんから急斜面の足の運びについてご指導をたまわる。ここでも『誰だ~、こんな厳しい山に行こうと言ったのは~!』と遠吠えが響いた。下山の途中、登りで追い越していったクライマーと、また、すれ違った。獅子岩を登攀したとのこと。嬉しそうに話す二人の笑顔が満足そうだった。

    14時20分、登山口に戻った。晝間さんが計画したコースタイムより、ちょっとだけ、早かったので、安心した。半年ぶりの山行としては、ハードであったが、クライマーのように、満たされた登山であった。

    再開の一歩を踏み出すことができました。次の一歩も、その次の一歩も、途切れることなく続けられること祈りながら、帰途につきました。

同好会

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