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公益社団法人日本山岳会

麗山会 山行報告 大杉谷から大台ケ原へ2021年6月

山行日  令和3年6月11日(金)~12日(土)

参加者  三尾彰  畑島良一 宮川美知子 石間宏美(敬称略)  報告書 石間宏美

山行記録

1日目 JR紀勢線三瀬谷駅9:45―(タクシー利用14500円)―11:00大杉谷登山口11:20―13:23千尋滝―14:40シシ淵―16:20桃ノ木小屋(泊)一泊夕食+朝弁当8800円

2日目 5:15桃ノ木小屋―5:42七ツ釜滝―6:30崩壊地―8:07堂倉滝―10:52シャクナゲ坂―12:12シャクナゲ平―13:27日出ヶ岳―14:42大台ケ原駐車場―15:30発 大和上市行路線バス(奈良交通2050円)に乗車―17:23着 近鉄大和上市駅 

山行報告
 大杉谷はシャクナゲ咲く5月の予定だったが、コロナ禍で順延となり梅雨時期での実施となった。渓谷沿いに歩くため、出発4日前にライン会議を行い、降雨の心配が無いことを確認し計画通りに行くことになった。JR三瀬谷駅には、前夜泊、当日南紀一号に乗車、当日車で入るなどで集合。当初は登山バスを予約したが、定員に満たない為にバスは欠便となり、急遽タクシ-で向かうことになった。予約した上村タクシ-は、コロナ対策で、4名の小型価格でジャンボタクシ-を出してくれた。

登山口に着き、大杉谷入山協力金一人1000円を自動販売機で納めた。いよいよ大杉谷、未知への山域に不安もあるが、山の先輩方と一緒だから心強い。最初は穏やかな宮川沿いを歩く。岩盤の水平歩道のような箇所には頑丈な鎖が設置してあるので、それを掴んで歩けば安心感はある。これらの整備も滑落事故が多発するエリアだからだろう。木の吊り橋を渡ると大杉谷はかなり下になり、岩とエメラルドグリーンの淵が美しい。登山道は、宮川に近づいたり高巻いたりしながら、時折見せる大杉谷の渓谷美を楽しめる。約2時間で千尋滝、ここには東屋があり滝の展望台になっていた。相変わらずアップダウンが続くが、カンアオイやシロバナイチヤクソウが咲いていて、気持ちが和む。

この先は、今日一番の難所シシ淵に向かうのだが、危険個所には警告看板があり注意を促している。警告看板は翌日も危険ゾーンに何か所かに掲げられていた。注意が必要な個所は高度感があって、滝や淵など美しいエリアで見どころも満載だ。岩盤をくり抜いたような道の登り下りは、鎖が付いているが、雨で岩が濡れていると滑るから難易度が増すだろう。2日間とも天気に恵まれたことは幸いだった。

シシ淵の渓谷美を見て、ニコニコ滝を見て、にこにこ顔だったのに、その後はぐんぐん登って、苦い顔。視界が開けると、平等嵓の垂直にそそり立つ巨大な岩盤が表れた。平等嵓の吊り橋から絶壁の岩盤を見上げると黒部峡谷に居るかのようなスケ-ルに圧倒された。その後も吊り橋を渡り、鎖場を歩き、約5時間後の16時20分に桃ノ木小屋に到着した。

宿泊者は私たち4人と単独の男性1人の5名のみ。単独の男性は伊勢の方で、翌日は来た道を戻るのだそうだ。登山口まで自家用車で入ると、ピストンするのが常だろう。

夕食の前にお風呂に入った。まだ新しい檜風呂で、石鹼は使えないが、山小屋で登山の後にお風呂に入れるのは有難い。お風呂上りはビールで乾杯、夕食はエビフライとトンカツだ。揚げたてで、サックサクでとっても美味しかった。

2日目、今日は長丁場だ。5時15分には小屋の前で全員の装備が整った。朝食用の中華ちまきのお弁当を持って出発。今日は曇っているものの、雨の心配はなさそうだ。

1日目は登山口と桃ノ木小屋の高低差はたった200mだが、累計標高差は1200m。

2日目は桃ノ木小屋から大台ケ原の標高1695mの日出ヶ岳までは、標高差1230mもある。なおかつ前半の大杉谷はアップダウンがあるので、累計標高差は1500m以上だろう。

下山して大台ケ原から出るバスは一日一本しかないから、安全に歩き通すには、早出して時間に余裕を持って行動することだ。鎖場の岩肌にはコアジサイやササユリが咲いていて、この時期の大杉谷の花もいい。高度感ある登り下りと、美しい渓谷美とエメラルドグリーンの淵、七ツ釜滝と見どころいっぱいだ。前方に大きな岩だらけの崩壊地が見えてきた。ここは平成16年9月の台風21号による被害で、壊滅的な打撃を受けた部分で、今では大きな崩れはそのままに、歩きやすく道がつけられていた。崩壊地を過ぎると、光滝、与八郎滝、堂倉滝と滝が満載。堂倉滝を最後に、道は大杉谷を離れて大台ヶ原に向けて登るのみだ。

今日は朝8時以降から大台ケ原から下って大杉谷に入る登山者4~5組に出会った。いずれも行ける所まで下って、ピストンで大台ケ原に日帰りで登り返すという健脚組だ。

大杉谷から離れ登ること2時間強でシャクナゲ坂となる。花はすでに終わっていたが、シャクナゲはこの先山頂まで続いていた。花の咲く時期は見事だろう。シャクナゲ平あたりからはシロヤシオも多く、ちょうど満開だった。シロヤシオの花は大台ケ原までずっと見られて感激した。日出ヶ岳はハイカ-も少なめで、近くの山肌に白い花が見える。山頂全体にシロヤシオが咲いているようで、低めのクマザサの台地に彩りを添えていた。

大台ケ原は国内有数の多雨地帯で、大台ケ原を水源とする清流の宮川の渓谷が大杉谷です。私たちは安全を心がけ、たっぷりと時間をかけて照葉樹林の山深い雰囲気に浸り、豊富な水量ゆえの美しい滝や深い淵を愛で、大杉谷の魅力を存分に満喫してきました。

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