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公益社団法人日本山岳会

岩木山から八甲田山への旅

岩木山から八甲田山への旅

下河邉史郎

期日 令和元年6月24日(月) ~ 28日(金)

参加者 石原達夫、髙橋聰、山田茂則、下河邉史郎

6月24日(月)

当初計画では6月25日午前8時30分 新幹線弘前駅前集合であったが、高橋、山田、下河辺の3人は、夜行バスでは疲れると思い、本日昼過ぎの「はやぶさ」に乗車。16時過ぎに弘前駅前のルートインにチェックイン。

駅周辺の飲食店は定休日となっている店が多いようである。いずれにしても駅前は実に静かな町でこれが弘前?という感じ。弘前の繁華街は、多くの新幹線の駅と同様放れたところに位置しており、ホテル近くの居酒屋で東北の魚を楽しみ、全員早い時間に早々と就寝。

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岩木山

6月25日(火)

前日の天気予報によるとあまり良い天気ではなかったが、幸いにもホテルを出る8時頃には、薄日が差しているも岩木山は雲の中。

岩木山は、津軽平野に聳える独立峰、通称津軽富士と呼ばれる美しい円錐形を見せる岩木山は山頂が厳鬼山と鳥海山、それに岩木山の三峰に分かれています。

見る方向によりその地域のお国自慢の山です。

昨日、弘前について知ったのだが、令和1年6月25日は、岩木山の標高(1.625m)に準え、岩木神社蔡が行われるとの事。道すがら岩木山神社の前を通ると多くの参拝者の車が止まっていた。岩木神社への参拝は、岩木山山頂の奥宮参拝後、明日にすることにして先を急ぐ。

岩木山神社を過ぎた辺りから道の両側に桜の時期なら、きれいな花見が出来るであろう、良く整備された桜並木を一路岩木スカイライン目指し、レンタカーを走らせる。

この道は百沢温泉郷、羽黒温泉卿、今夜の我々が泊まる嶽温泉郷と多くの温泉が有る。

地蔵茶屋を過ぎた辺りで日が差し岩木山が見えたので写真を撮る。まもなく岩木スカイラインの入り口、本日は岩木山祭りとの事で通行料金は無料だ。ラッキー。ここから8合目まではツズラ折りの急な登り道。登り始めは道の両側はブナなど原生林、途中からは灌木滞、石原代表のタフな運転で69のヘアピンカーブを、車中体を左右に揺さぶられながら8合目の駐車場に無事到着。ここから九合目までリフトで10分。

岩木山を回り込むように左側に回り込み10分も登ったところに避難小屋。ここを過ぎるといよいよ頂上までの急な岩稜となる。結構息が切れる。一つのピークを過ぎた辺りで大勢の人が白い布で包まれた大きな荷物を下ろしている一隊とすれちがう。

後でわかった事だが、平成のタイムカプセルを頂上から掘り起こして、降ろしていたようだ。

二つ目のピークを乗り越し、10分も登ると岩木山の頂上に到達。多くの人が居る。

また、笛や太鼓を持ち上げ、頂上の岩木山奥の院の小さな祠の前で賑やかな祭りの演奏が行なわれている。

早速に私は、東京から持参した御朱印帳の御朱印を頂く。

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岩木山の神楽 岩木山頂上

午後1時6分25秒にお神酒がふるまわれ乾杯が有るようだが、天気が思わしくないので我々は下山することにしたが、案の定ピークを一つ越したあたりから雨粒が振り出し、避難小屋に着く少し前から結構強くなったので雨具を着る。

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薄日さす岩木山

リフト乗り場の小屋で少し雨宿り、小降りになったのでリフトで八合目に降りる。

リフトを降りる頃には雨も止んでくれた。

レストハウスの前でタイムカプセルの中身が展示されていたが\10硬貨と何かが入っていたようだが、あまり密封の状態が上手く無かったようで、状態は良くなかったようだ。

今夜の宿泊場所である嶽温泉に15:00時頃着くが、その頃には薄日もさしていたが岩木山の山頂は雲の中。ここの宿は温泉も食事も結構な物であった。

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岩木神社

6月26日(水)

岩木山から次の八甲田山への移動日で有るが、昨日行きそこなった岩木神社参拝を行う。昨日と違い今日は参拝客も少なく静かだ。

岩木神社は780年に創建。2度の火災に遭ったが現在の建物は400年前に弘前藩主により建立されたとされ、それ以降風雪に耐えているヒバ造りで、中々立派な神社である。1時間程神社で時間を過ごす。

このまま八甲田では時間が早すぎるので、津軽白神湖の奥にあるブナ林の散策と暗門の滝の散策をすることになる。暗門の滝までは、小一時間位の散策と想定したのが大間違いで、3ノ滝までのブナ林、2ノ滝は一段高い所に有り、往復で2時間半ほど時間が掛かった。でも滝の眺めは高さこそないが、水量が多く見栄えのする瀧である。西目屋村の道の駅まで戻り蕎麦の昼食。ここの駐車場からの岩木山の美しい山容を見ることが出来た。ここで岩木山ともお別れし、今夜の宿である八甲田山の谷地温泉へと弘前の街を抜けて車を走らせる。谷地温泉は有名な酸ヶ湯を過ぎ20分ぐらいの所。高田大岳の登山口にもなっているようで、ここは春スキーの拠点でもあるようだ。

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暗門の滝 暗門の滝での記念写真

古くは湯治温泉場としても栄えたようで、旅館の佇まいに比較して食事は美味しく、温泉も古いままの作りであり、温泉だけを楽しむ客が殆どである様だ。それが証左に一人客が多い。

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谷地温泉にて 昔日の谷地温泉

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八甲田大岳

6月27日(木)

ロープウエーで山頂駅へ、下の街は薄日も差しているが山頂は曇り空。

根曲がり竹の筍を積みながら、赤倉岳を目指して急な登路に息を切らせながら登る。

赤倉岳に着くと風が強く雲行きも怪しくなり、先を急ぐ。井戸岳から大嶽避難小屋までは急なざらざらの下り道。避難小屋で昼食。雨も降りだしたので大嶽に行くのは中止して、酸ヶ湯温泉に向かって約2時間の下りである。レンタカーはロープウエーの駐車場に置いてあるので酸ヶ湯温泉からロープウエー駅の最終バスに乗り遅れないように道を急ぐ。

最終バスの発車時間前に全員酸ヶ湯に到着。聰さんが代表してレンタカーのピックアップに行く。今日も無事に山行を終わり鄙びた谷地温泉を楽しむ。

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物見の塔

6月28日(金)

最終日。私にとっては今回の山行の岩木山と、これから訪れる特別史跡の三内丸山遺跡は初めてであり、丸山遺跡は、北海道・北東北の縄文遺跡群の一つである。

遺跡を訪れるまで考えもしなかった一万五千年もの縄文文化のこの時代、急激な温暖化により、このあたりの地域でも緑が茂りドングリ・クルミ等も茂り、豊かな緑が繁茂する温暖の地域で有った様だ。有名な巨木の物見の塔(現在の塔の栗の木はソ連からの輸入木材)もこのあたりに自生していたようで、鉄器の無い時代に良くも、あんな太い栗の木を伐採し、また立ち上げてあのような物見の塔を作ったと感心する。

縄文人はうまく自然と共生して、優れた技術と豊かな精神世界を持った成熟した社会で有ったようです。

その時代の温暖化がどうして起きたのかは説明がないが、とにかく東北、北海道の南部で定住できたのは、気候が大変温暖な時期が長く続いたことに基因すると思われる。

今回の山旅は、大げさに言えば日本民族のルーツの勉強ができたのでした。

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