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公益社団法人日本山岳会

里山歴史研究会NO.13 「立山 五色ケ原」報告

「立山、五色ヶ原報告 ①」                     ( М.F )

久しぶりにドキドキの気持ちで出かけた北アルプス。天候に恵まれメンバーに恵まれ無事歩き通すことができた。初日の雄山神社3003mは結構しんどい登りと下りである。一歩一歩着実に歩く。息は上がっていたが吹き渡る風、黒部湖を挟んで対峙する針ノ木岳スバリ岳など山また山の景色に癒される。雄山神社では地元の中学生の登頂記念の遥拝にみなでバンザイ三唱。いいなあ。

2日目は五色ヶ原へ。浄土山南峰からははるか向こうに五色ヶ原の台地が、赤い屋根の山荘が、見える。竜王の斜面を巻き気味にずんずん下っていく。鬼岳の下りの雪渓が気になっていたが、今年はあまり残っておらず持参のアイゼンも使うことなしに無事通過。

獅子岳からザラ峠への下りに気をつけてとすれ違うメンバー達が助言をくださる。

おかげで緊張しながらも本当に慎重に歩いた。長い下りだった。トップの歩調が絶妙だったので、何とか後に続けた。やっとザラ峠に到着。ここでほっと一息、食欲が出てきた。

おにぎりを2コ食べる。危険個所を抜けたと思うと元気がでたようである。

あとは台地に向かって登るのみ。

13:30着。やった~。山荘の前で針ノ木岳など山々を前に乾杯!何と贅沢なことか。

何という幸せ。リーダーはじめ皆さんに感謝である。3000m級の山々に囲まれた台地、天上の楽園である。高山植物の宝庫である。

3日目は午後天候が崩れそう早立ちされたほうが安心ですねと山荘のご主人の話である。あの道で降られたら、風が強いと嫌だなと。やっぱり緊張してしまう。そのご主人に見送られて出発。さすがのご主人のアドバイスである。(来られないけれど、また来たくなる)

ガスの中歩きだすが、思ったより早くザラ峠に着く。これからきつい登りが始まる。

一歩一歩、歩く。岩場でのストックの出し入れが、今回の私の課題である。

晴れて来た、山々が見えてくる。疲れが吹っ飛ぶ。

気の抜けないアップダウンの多い行程だが、ザラ峠からのザレ場を過ぎて、少しほっとする獅子岳山頂までの道。短い稜線漫歩、いいなあ~。

そして山頂からの眺めもまた素晴らしい!目に焼き付けよう。

槍ケ岳はどこから見ても槍、笠ケ岳もわかる、薬師岳も。竜王、雄山方面も。

アルプスの奥深いところに来たんだなあと感慨深い。

鬼岳の雪渓も登りだから一安心。さあ最後の登り竜王にかかる。長かったなあ。

時間もまだ10時半すぎ、天気はまだまだ大丈夫である。登り切った浄土山南峰近くで大休止をし、お昼のお弁当を食べる。五色が原山荘小屋主人の勧めで浄土山経由ではなく、一の越山荘経由の道に変更。正解だったと思う。さすがに足は疲れている。

室堂バスターミナルから、みくりが池温泉までの道で、エスカレーターがあったらなあと呟き、力尽きた感じだった。地獄谷を見ながらテラスで泡の乾杯!美味しい!

お風呂に3日ぶりに入る。これも幸せ~。食事が最高だった。富山の美味しい食材で心のこもったお料理である。メンバーの一人の誕生日の前祝いも兼ねて大いに盛りあがった。

二人の頼もしいリーダーのもと、全員が何事もなく無事に戻れたからこそだと思う。ほんとうに感謝の気持ちでいっぱいである。それぞれが次の山行への思いに繋がったことだろう。私は、あきらめていた五色ヶ原だったので本当に嬉しい!

じわじわ嬉しさが増してくるようだ。足はかなりこたえているが、喜びの余韻の中にいる。

素敵な仲間たちに感謝!可憐な花々に助けられ、眠りの浅い夜の星空観察に感動し、小さな自分を感じ、頑張った足さんにも感謝!

「立山、五色ヶ原報告 ②」                    ( H.S )

今回の立山山行は、私にとって体調不良もありましたが、今後の山旅への貴重なステップと感じています。ネット情報や地図では分からない山の生きた情報を教えていただき、沢山の学びを得られました。何より自信になりました。辛い道のりの所々に咲く可憐な花や、さえずり励ましてくれる鳥に癒されて、乗り越えることができたと思います。

そして何より、ご一緒した仲間との出会いに感謝しています。

信頼できるリーダー、リーダーのあるべき姿も教えていただきました。

「立山、五色ヶ原報告 ③」                  SL:( Y.U )

8月4日早朝、快晴の富山駅で全員の顔がそろった。室堂行きのバスに乗り込む。

室堂で下山後の着替えなどをロッカーにデポ。一の越山荘の赤い屋根が見える。4回雪渓を横切るが雪は腐っているうえに傾斜は緩い。

後半、歩きやすいようにスコップで整備を進めてくださる方々を発見。お礼を言いながら通過する。信仰の山、雄山までは高齢者、家族連れも多い。

一の越から雄山への登山道に入る。急登な上にゴロゴロ、ザラザラ、安定感に欠ける登山道が続く。雄山が初めての3名が神社でお祓いを受けた。

5日、五色ヶ原を目指して早めに出発。ゆっくり楽しんで歩く贅沢を選んだ。

高山植物の宝庫とは聞いていたが、これほどとは。みくりが池温泉に下ってから皆で数えたところ、25種迄確認できた。イチゲの白、ウサギギクの黄、ミヤマリンドウの紫、白山フウロのピンク、チングルマの白と穂のエビ茶etc。アー、ここに皆を案内したいなあと呟きながら、花好きサトケン会員の顔を思い浮かべた。

アルミ梯子、鎖場よりザレた急斜面の不安定な岩、浮石が手強い。これが「ザラ峠越え」か。

遥か彼方に、五色ヶ原のどこまでも広がる湿原も中にポツンと五色ヶ原山荘が見える。

ザラ峠を越え、五色ヶ原山荘へ大らかに延びる木道を歩いた時の高揚感は格別だった。

天幕場までの散歩も星空ウオッチングも参加者の余裕の証。

下山後の温泉で地図を広げ、額を寄せあって次なる山行のコース検討会という山の醍醐味を味わった。  参加者:5名 (男性1名、女性4名) 2018.8.18記    以上

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① 獅子岳の下りハシゴ②やった~ ザラ峠③五色ケ原 山荘が見える

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①五色ケ原の向こう遠く薬師岳黒部五郎岳を望む②獅子岳の登り③鬼岳の雪渓

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