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公益社団法人日本山岳会

里山歴史研究会 No.25「まんだら堂」報告

サトケン 「まんだら堂」 報告

2019年11月30日(土)

参加者:男性3名、女性8名

「法性寺から まんだら堂跡、妙法寺を尋ねて」       Y.Y

好天に恵まれて逗子駅を出発、街中を少し抜けた山裾辺りに猿畠山法性寺があります。興味深い名前の由来は、「鎌倉時代、鎌倉で布教を続けていた日蓮聖人が北条氏の追っ手に草案を焼き討ちされた際、白猿が現れ山王権現が祀られる辺りまで導いて、命を救ったこと」からだそうです。

法性寺脇の急坂を登った山王権現祠からは、青空の下、白い縞模様が遠望できます。大切岸と呼ばれています。大切岸は、凝灰岩で出来ており鎌倉時代には主に建築基礎、護岸、井戸枠などに使われたようですが、防衛目的もあり垂直にそびえ立つ崖のように切り出されたようです。ハイキングコースを進み、まんだら堂やぐら群に辿りつきます。「やぐら」は、石を切り出して祠のようにして造ったものですが、一つ一つは2m四方ですが…現在150穴の存在が確認されているとのことです。

武士、僧侶、商工業者などが火葬後埋葬され、供養の為にそれぞれの祠には石塔が祀られています。

次に尋ねた妙法寺は、鬱蒼とした木々や苔むした石段、日蓮聖人が布教の為に長い間過ごされた小さな庵跡、ここではしばし立ち止まってしまうほどの感動がありました。北条氏、日蓮聖人、護良親王とその子日叡、その時代に生きた人々…を想うハイキングとなりました。この機会を頂けたことに感謝いたします。

「久しぶりの逗子、鎌倉」              S.S

最高のお天気に恵まれて、美しい海と雪をかぶった富士山、絵葉書の世界でした。まんだら堂は、鎌倉時代にタイムスリップした空間でした。苔むした妙法寺も訪ね、何よりも久しぶりにサトケンの皆さまと歩けたのが一番良かったです。

「鎌倉歴史探訪」                  Y.О

逗子.鎌倉に足を運ぶのは、思い出せないほど昔の事以来です。

まして、今回のような、観光地でない静かな場所を散策するのは初めてでした。歳とともに次第にハードな山歩きが出来なくなってくると、これからは、このような散策が、私にとって最も相応しい有酸素運動ではないかと思いつつ、800年前に栄えた場所の傍には、教科書に出ていないような史実が隠されていたことを知り、また、新田義貞が劔を投じた稲村ケ崎を遠望したり、人それぞれに、いろいろなことを思い浮かべながら歩くのは楽しいものだと実感しました。

平家物語の冒頭の部分「… 盛者必衰の理をあらわす…」は、昔も今も同じように「栄枯盛衰」の繰り返しであることを予言しているようで、名文であると同時に、聖書にも勝る教訓を述べている(クリスチャンに叱られるかな?)。

歩いて、自分の目で歴史を実感することこそ、「里山歴史研究会」の理念に相応しいのではないかと思いつつ … 。

「まんだら堂跡」                  N.U

古都鎌倉の天園ハイキングコースを歩いていると横穴式石室が随所に見られる。「やぐら」と呼ばれ、上流階級の人達の墓だそうです。内には五輪塔が置かれ、供養塔としての役割を担っているとか。

今回、秋の一般公開に合わせて逗子、鎌倉の市境にある「まんだら堂やぐら群」を訪れた。火葬の跡と言われている跡も残っていた。

近辺には鎌倉幕府が防衛のため築き上げたお猿畠の大切岸や名越切通しがあり、当時の歴史的景観が残っていて見事な眺めだった。

その多くの「やぐら」は残念なことに、風化により崩壊の危機にさらされている。

ハイランド口近くの展望台で温かい日差しのもと、雪を頂いた富士山を正面に眺めながらランチを囲む。大島、丹沢連峰、伊豆天城山が

至近距離にあり、好天に恵まれこの上なく喜びを感じた。

鎌倉駅近くで解散した後、海鮮イタリア料理店に立ち寄り、美味しいワインと創作料理に満足して帰路についた。

「25年ぶりのまんだら堂跡」              Y.U

若かったころ、今は亡き親友と度々訪れたまんだら堂が閉鎖されて残念に思っていたところ、年二回公開されているという情報を得て計画してみました。

昔は、個人所有の広大な土地で山野草が咲き乱れる雰囲気のあり、時の経つのも忘れて一日を過ごしたことを懐かしく思い出しました。

現在は、その頃の所有者がお亡くなりになられて、やぐら部分だけを逗子市に寄贈され、今回のように春と秋に公開されるに至ったそうです。

小高い台地部分からは、相模湾も望まれましたが、やぐらの歴史的な価値は残ったものの、庭園部分がなくなって昔の風情が全く失われてしまったのは残念な事でした。

台風の影響で通行止めとなったハイキング道を避けて尾根伝いに大町6丁目に下りました。

次に訪れた松葉谷の広大な妙法寺山内の、日蓮聖人が18年間布教の拠点とされた小さな庵跡に心打たれました。聖人が松葉谷法難から逃れたという法性寺、山王権現祠の五輪塔傍から「お猿畑の大切岸」を遠望できたことは鎌倉の地形を大きく捉えられたようで楽しいことでした。

男性3名女性8名、計11名という大勢で賑やかなウォーキングになりました。鎌倉市のハイキング道通行止めが解除される頃、「春の鎌倉ウォーク」を計画してみたいと思っています。                    以上

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①まんだら堂やぐら群展望広場で②お猿畠の大切岸③まんだら堂やぐら群の前で

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①まんだら堂やぐら群②③まんだら堂やぐら群の前で

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①②法性寺奥の院③逗子の海

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