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公益社団法人日本山岳会

「グレート・ヒマラヤ・トラバース6th」踏査だより

今回でGHT6回目の山旅となるメンバーは、重廣恒夫隊長(6回目)、吉井修(6回目)、飯田邦幸(4回目)、中村三佳(2回目)の4名です。
インドエリアでは、ガルワールヒマラヤからラダックの踏査をおこないます。
ガルワールエリアでは、1936年日本人のヒマラヤ登山の端緒を切り開いたナンダコート(6861m)、1976年日本山岳会とインド登山財団の合同登山隊が初縦走をおこなったナンダ・デヴイ東峰(7434m)~主峰(7434m)が聳えています。
また、ラダック踏査では、カンヤツェⅡ(6250m)の登山を予定しています。
GHT6thの行動は、今まで同様に通信が入り次第、皆さまにお届けしたいと思います。
120周年記念事業のGHTはネパール~インド~パキスタンへと日本山岳会の先駆者の足跡を辿る温故知新の山旅ですが、今回のインドを終えれば、来年のパキスタンで最終章を迎えます。
引き続き皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。
(留守本部 松田宏也)


[10月22日]

GHT6th隊から17日~22日の踏査状況がおくられてきました。
前回レポートでは、もともとの計画ルート(ダランシ・パス)は渇水期に入り、水が取れないとのことでコース変更を余儀なくされたとありましたが、KUari Pass (クアリ峠)のコースに変更することになりました。このルートは、ロード・カーゾン卿がトレースした道でクアリ峠はテイルマンやシプトンも通っています。
踏査状況は以下の重廣レポートをご覧ください。
また、踏査ルート変更後のMAPを更新しました。
「10/17~22の報告」
10/17㈭ Joshimath〜Auli〜 Tali Forest Camp 約19km 約7時間
アウリリゾートまで車を使用し、スキー場の側を直登します。
途中、 Padiwar Devatha Temple7を経て草原で昼食を摂りました。
午後に辿りついた展望地からは、ナンダデヴィ〜チャンガバン〜ドゥナギリ〜カメットなど日本人の登った山々がたくさん見え、ヒマラヤ登山の盛んな頃を思い出しました。
辿り着いたキャンプサイトにはコルカタからのトレッカーの36張のテントなど我々を入れて43張のテントが所狭しと張られているのにビックリしました。
夕方少し雨が降りました。
10/18 Tali Forest Camp〜Kuari Pass〜Dhakwani 約8km 約7時間半東ガルワール中部の山を背に南下、Kuari Passからは谷筋の道の急下降となり程なくキャンプサイトに到着しましたが、既に別パーティのテントが張られていたのでさらに下った草の大地がテントサイトとなりました。
途中に出会った10人パーティもコルカタからのトレッカーでした。今日も夕方雨が降りました。
10/19 Dhakwani〜 Pana 約8km 約7時間
今日はひたすら下りのみ、眼下にパナの集落が見下ろせる場所が今日のキャンプサイトとなりました。
150戸ほどの集落ですが、赤い穂を付けた高級なチャパティの粉が取れる穀物があり、広々とした耕作地が拡がっていました。
10/20  Pana〜 Seemkharak 約8km 約6時間
パナ集落に入らずに上端をトラバースして自動車道に入りました。
今日の行程は約3km下って、約3km登る単調な中にも変化のある1日でした。
10/21 Seemkharak〜Ramni P ass〜Ramni今日も石畳の旧道を辿りました。
途中、我々とは反対の行程を歩く欧米人10人ほどのパーティに会いましたが、相変わらず日本人には会いません。
10/22 Ramni〜Joshimath 約109km 約6時間朝方、ショートトレッキングの予定でしたが、チャーター車でジョシマートに向かい午後3時過ぎにホテルに到着。
久しぶりのシャワーと洗濯をしました。
明日からはトレッキングルートを離れ、ヒンズー教の三大聖地巡礼です。
写真はナンダ・デヴイ主峰
下の写真は左から、
1 10/17キャンプサイトはインド人でいっぱい
2 10/18 右奥からニルギリ・パルパット、マナ・ピーク、カメット
3 10/18 クアリ・パス(3720m)
4 10/19 谷まで下り、登り返す
5 10/19 パナ村はずれのキャンプサイト
6 ハヌマンラングールと見つめ合う
7 10/20 パナ村の段々畑
8 今日も対岸から下り、登り返してきた
9 10/20 シームカルカのキャンプサイト
10 10/21 ローカルガイドからトレイルの説明を受ける中村
11 10/21 ヒマラヤンゴールデンオークの木立の中で初めて欧米のトレッカーにあう
12 10/22 朝、ラムニのキャンプサイト、ここからはジープでジョシマートへ

[10月16日]

GHT6th隊は10/7ムンシャリを出発、ナンダ・デヴイとの感動の対面を果たし10/13ムンシャリに戻ってきました。
ムンシャリに戻りようやく通信が復活です

その後は車でロングドライブ(320km)、バゲシュワール経由で次の踏査出発地となるジョシマートに移動、昨日(10/16)はジョシマートで久々の休養です。
ナンダ・デヴイ東面BCまでの重廣レポートは以下のとおりです。
なお、今年は水が少なく、ジョシマートからの踏査は水がとれないとのことで計画変更を余儀なくされているようです。
いずこも地球温暖化による環境変動が押し寄せているのかも?
「重廣レポート:10/7~10/16)」
・10/7㈪ムンシャリ〜ブグディアール 約38km
ムンシャリから自動車でラガリに向かいました。車道は舗装されており快適な道でした。
ラガリからは徒歩となりましたが、すぐに開削部分が崩れた地帯を横断すると未舗装道路にでました。
ブグディアールではI T BP(インド.チベット国境警察隊)のチェックポストがあり、パスポートの提示を求められました。
・10/8ブグディアール〜リルコット 約12km
明け方、岩を砕く発破の音で目が覚めました。
リルコットに向かう道すがら放牧を終えてミラム方面からムンシャリに向かう山羊や羊の大きな群れに何度も会いました。
・10/9リルコット〜ガンガール 約10km
間道を歩いて自動車道に合流しましたか、砕石が敷き詰められた荒れた道に閉口しました。
今日も途中でヤギや羊の大群に出会いました。
オールドビレッジであるガンガールは、石造りの綺麗な村ですが、約10軒のうち現在は1軒しか残っておらず、その他はムンシャリに下ったとのことでした。
・10/10ガンガール〜ナンダデヴィ東ベースキャンプ 約4km
ベースキャンプに向けての行程は、眼前にナンダデヴィを見ながらのはずですが、今日は、残念ながら厚い雲覆われ山の姿は見えませんでした。
本来のナンダデヴィ東ベースキャンプは、モレーン上の4200m付近になるのですが、水がないとのことでその大分手前でテントを張りました。
・10/11ナンダデヴィベースキャンプ〜マルトリ 約7km
夜半から晴れた空の下に、ナンダデヴィがくっきりと見え始めました。朝焼けのナンダデヴィをみながら、48年前の2ケ月に及ぶ苦闘を思い出しました。
その後マルトリ橋まで下り、その後急登に喘ぎながら、マリトリの集落に到着しました。
1936年、日本初のヒマラヤ登頂となったナンダコツト隊もここから頂上に到達したことに感動せずにはいられませんでした。
・10/12マルトリ〜ナハデヴィ 約10km
マルトリを出発する前に、ナンダデヴィ寺院を参拝しました。
10/13ナハデヴィ〜ムンシャリ 約18km
ナハデヴィからブグディアールに下山、再びI T BPでパスポートチェックを受けてひたすら下ります。
下山時はチャーター車両が舗装道路の上端まできてくれたので助かりました。
・10/14㈪ ムンシャリ〜バゲシュワール 約130kmドライブ
・10/15バゲシュワール〜ジヨシマート 約190kmドライブ
自動車部も途中から一部2車線となりましたがそれでも8時間以上かけて、ここも48年振りジヨシマートに到着しました。
余りの変わりように、昔からの面影は見出すことが出来ませんでした。
・10/16ジヨシマート(レスト)
明日からの行程を打ち合わせを行なうが、予定のコースは取水が出来ないとのことで、本来のコースの西側のクアリ パス トレックを17日から22日にかけて歩く事になりました。

写真は、ムンシャリのホテルからのパンチ・チュリ山塊、左がⅡ峰6904m
下の写真は左から、
1 10/7ムンシャリからジープ
2 未舗装の道路を歩く
3 10/7ブクディヤールのキャンプサイト
4 道中、滝がいくつも現れる
5 秋になりミラムからムンシャリに下る山羊の大群
6 10/8リルコットのキャンプサイト
7 10/9子山羊を背負ったおばあさん
8 10/10ガンガール村から登る。過疎化で1軒のみ
9 荷駄隊。馬を11頭雇う
10 ナンダ・デヴイ東面BCからのナンダ・デヴイ東峰
11 左がナンダ・デヴイ東峰7434m、右奥が主峰7816m
 重廣隊長の77才のBirthdayを48年ぶり対面のナンダ・デヴイが祝ってくれた。
12 10/12朝マルトリのナンダ・デヴイ寺院に参拝
13 Ⅰ番低いところがロングスタッフコル、東陵を登り東峰~主峰へ。1976年JACの縦走ルート
14 ナンダコット6861mの朝焼け

GHT6th

[10月4日]

10/4、GHT6th隊は鉄道とチャーター車でアルモラのホテルに移動。
5日は舗装された林道をロングドライブでムンシャリに到着。
翌日はナンダ・デヴイ寺院に参拝、道中の安全を祈願しました。
以下は重廣隊長からの現地レポートです。
「10/4,朝の4時半にホテルを出発し、ニューデリー駅6時20分の汽車に乗ってカトゴダム駅に向かいました。ホテルから弁当を持参しましたが、食べた後に朝食が出て腹いっぱいになりました。また、列車が予定より10分も早く終着駅に着いたのにはびっくりしました。カトゴダム駅からはチャーター車に乗り換えてアルモラに向かい約7時間かかってアルモラのホテルに到着しました。
10/5,アルモラからも車での移動でしたが、途中遠くに見えたナンダデビイに48年ぶりに対面し感激しました。
ムンシャリからの道路は細く曲がりくねっていますが、林の中を走り、まるで日本の林道を走っているようでした。
また、全て舗装されており、ネパールの山岳地とはえらい違いです。約8時間のドライブでした。
10/6,午前中はナンダデビイ寺院を参拝、今回の道中の安全を祈願しました。午後は現地ガイドと合流、これからの行程の打ち合わせと日本から持ち込んだテントの貼り方などのレクチャーをしました。明日は行程を1部変更し、リラムの少し先のラガリまて車で行き、7日の宿泊予定地ブグディアール(2600m)に向かいます。
今のところ全員元気です。
明日からはWi-Fiが使えなくなりますが、インドSIMに期待しています。取り急ぎ近況報告させていただきます。]
上の写真は、ムンシャリの町
下の写真は左から、
①10/5ムンシャリへの道中、ナンダ・デヴイ(左)とナンダコート(右)が遠望できた。ナンダ・デヴイ東峰は雲の中
②ブリッジフオールと呼ばれる滝
③下校中の生徒に出会った
④山羊さんが優先の道路です
⑤10/6ムンシャリのナンダ・デヴイ寺院はカラフル!
⑥ムンシャリからのパンチ・チュリ山塊
⑦48年ぶりのナンダ・デヴイに感激
⑧パノラマ、アルモラから30kmにある展望地から
⑨パノラマ、ムンシャリのホテルからパンチ・チュリ山塊とナンダ・デヴイ方面を遠望
⑩パノラマ、ムンシャリの町並み

 GHTインド GHTインド GHTインド GHTインド GHTインド GHTインド GHTインド GHTインド GHTインド

[10月1日]

10/1インドGHT6th隊は予定通り羽田からフライト、同日夕方にはインディラガンジー空港に到着しデリーのホテルに入りました。10/2~3と荷物整理をこなし、本日(4日)、デリーを電車で出発、Kathgodamからは車でAlmolaへ。翌日(5日)はナンダ・デヴイ東面の踏査スタート地点となるMunsyariに車で向かいます。ここからナンダ・デヴイ東面にあるBase Campを目指します。
写真はインディラガンジー空港に到着したメンバー。

120周年記念事業実行委員会

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