山と湯めぐり1 箱根の温泉
村上和子
山と湯めぐりはいかがですか?その湯めぐりを、首都圏から近い箱根の山を例にして考えてみたいと思います。
箱根には約1,000m前後の山が密集しています。登山と言うよりハイキング色が濃いですが、‘ついでに温泉!’と言う贅沢を必ず味わうことができます。
箱根の温泉は有名ですが、ことの始まりは江戸時代後期。一夜湯治がブームになり、当時箱根にあった七つの温泉が、箱根七湯と言われるようになり、現在では箱根十七湯になりました。その一部をご紹介したいと思います。
明神ヶ岳・明星ヶ岳コースでは、強羅温泉、宮城野温泉があります。この二つの温泉は箱根十七湯に入っている温泉です。泉質は単純温泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉などです。
単純温泉とは、名前は単純とありますが成分は単純ではなく、肌に刺激がなく万人向きです。天下の名湯と言われている温泉には実はこの単純温泉が多いのです。効能については筋肉痛、関節痛などの運動器官の症状、疲労回復、病後の回復などがあげられます。
次に塩化物泉ですが、温まりの湯・殺菌作用の傷の湯と言えるようです。適用症としては、切り傷・冷え性・皮膚乾燥症などがあげられます。
そして炭酸水素塩泉ですが、‘美肌の湯’と言われています。肌の古い角質を落としてくれるからです。他には慢性皮膚病、切り傷、皮膚乾燥症などが適用症として挙がっています。
次に金時山コースの温泉に、十七湯の1つの仙石原温泉があります。硫酸塩泉、単純(硫黄)泉が主な泉質となります。
この二つの泉質に共通する効果は殺菌作用であり、慢性皮膚病に良いとされています。もちろん筋肉痛や疲労回復にも有効です。また、硫酸塩泉は傷の湯とも言われています。
駆け足で‘箱根湯めぐり’考えてみました。一層の健康増進にお役にたてれば幸いです。