メニュー

公益社団法人日本山岳会

探索山行報告 1985年6月 「志賀高原植物生態系探索」

◆探索山行 「志賀高原植物生態系探索」
1985年(昭和60年度) 6月22-23日 
地域:
コース:石ノ湯ロッジ-田の原湿原―三角池―長池―幕岩渓谷
宿泊:石ノ湯ロッジ

講師:渡辺隆一(信州大)「植物生態系の話」
大井正一「山の雲―特に瀧雲」
参加者27名 報告:山483-1985/9(高橋詢)

報告

志賀高原植物生態系探索

日時 6月22、23日
主催 科学研究委員会

 今年は夏の志賀高原の自然を楽しんで頂くことを主眼として探索行を企画した。梅雨のさなかのことで天候が一番気がかりであったが、雨に降られることもなく、静かな志賀高原の初夏を満喫できた。

 22日夕刻、平床の石の湯ロッジに集合、長野原から白根経由でこられた方も何人かあったが、白根山は未だ登山禁止が続いていた。ロッジ心づくしの豊かな夕食の後、講演とスライド映写。講演は木戸池近くにある信州大学付属自然教育園の渡辺隆一氏から植物生態系のお話を伺う予定であったが、同氏が、精密検査のため急に入院されたため、同氏の撮影された多数のスライドについて夫人富美子氏から説明を伺った。

 そのあと山の気象講座の講師をお願いしている気象学者で山岳会員でもあられる大井正一氏より石鎚山でとられた美しい「たきぐも」のスライドをみせていただき、「たきぐも」の成因についてお話を伺った。雲の生因、消滅の機構と山の影響のお話は大変参考になった。講演会のあと、参加者の自己紹介をかねた懇親の一時をもった。

 翌23日は午前中は何とか保ちそうな空模様、ロッジ前で一同の記念撮影をすませ、ロッジ支配人、生沼忠明氏の案内で、わたすげ群生の田の原湿原を経て、三角池、上の小池、長池とれんげつつじ、むらさきやしをつつじの花を楽しみつつ美しい新緑の山道を歩く。途中波辺富美子氏や一行の中の日本山岳会自然保護委員の方々から植物の名前や特徴を教えて頂く。

 自然教育園は志賀山のふもとの白樺、岳樺と針葉樹の混成林の中にある。志賀山熔岩台地のおたのもうす平は時間の関係で遠望するに止まったが、おおしらびそやこめっがなど針葉樹の原生林で、一方車道近くに多い白樺などは人間が入りこんでからのものの由。教育園の展示館、高山植物園を見学、蓮池のあやめを鑑賞、サンバレーから幕岩渓谷に入り帰路につく。途中、幕岩の見事な柱状節理と大滝をみる。パーティの先頭を歩いた方はカモシカに出会った由。一時過ぎ石の湯ロッジに帰着昼食後、各自長野原方面、湯田中方面へと帰路につく。

 今回は行動時間が半日しかとれず、ものたりない思いをされた方もあったかと思うが、初夏の美しく静かな志賀高原を楽しむことができた。

 探索行の企画実行に全面的にご協力を頂いた渡辺隆一・富美子夫妻、生沼忠明氏に心からお礼を申し上げたい。

参加者 古川利雄、古川竹世、及川昭、及川弓子、武田勝、武田美千代、宮野芳一、小泉昭三、鈴水嶋夫、渡辺正臣、赤松光、渡部温子、大井正一、麦倉啓、奥野道治、奥野玲子、川崎きぬ子、小泉磐夫、小泉苑、山口一孝、高橋恭子、伊井野善重子、松丸秀夫、斉藤かっら、梅野淑子、石井恵美子、高橋詢、以上27名

          (高橋 詢)

山483 (1985/9月号)

pagetop