◆講演会「大気の発光現象」
1987年(昭和62年) 1月23日(金)
山岳会ルーム
中村純二(東大)
参加者:24名 報告:山501-1987/3(松丸秀夫)
報告
要約:
大気の発光現象として、虹や太陽のハロや雷放電のようなしばしば目撃する現象から、ブロッケンとか、セントエルモの火などの比較的珍しいもの、さらにヒトダマ(入玉)や不知火まで、広範囲にわたって解説された。
ヒトダマについては。参会者の春田俊郎氏から意見か出され、これは羽のある虫の集団であると主張された。発光バクテリアが虫に付着して光る由である。
同氏は捕虫網でヒトダマを捕えたことがあると言われた。ヒトダマが網で人に捕えられるとは驚きである。
講師の講演ではヒトダマは二種類に分けられ、1つは動物に起因するもので、発光バクテリアもあり、生体成分中の燐が燐化水素となって浮遊し燐火を発するものもあるとされた。
他はプラズマである。
セントーエルモの火については、安江安宣氏が昭和5年、旧制中学生のとき観察して、文献を学んで書いたコピーが披露された。講師の評価は高く、現在に通ずるものとされた。
中村講師が1959年、南極観測隊の第三次越冬で記録したオーロラの全天カメラによるコマ落し長時間撮影の16ミリが映写された。全天にオーロラで躍動し、星が移吻する。
不知火は宮酉通可氏の昭6―8年の研究で解明された。漁火の蜃気楼で左右に揺れ動く珍しい現象である。宮西氏のオリジナルの16ミリも映写された。
中村講師によれば。大気の発光現象の観察。に複数の観測者によって同時に認められるか、操り返し観測されないと評価されない由である。
UFOの観測などに当てはまるであろう。
参加者24名
(松丸秀夫)
山501 (1987/3月号)