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公益社団法人日本山岳会

科学委員会内セミナー

科学委員会では、月例の委員会に先立ち、各委員の得意分野や興味を持っている話題を中心としたセミナーを開催しております。

科学委員会内セミナーの記録

2022年

■内部研修 「高所医学」

橋本執行理事 2022/02/17

ガッシャ―ブルム、チョーオユー女子登山隊長をはじめ、2005のチョモランマ登山で日中友好女子合同医学登山隊長を務めるなど豊富な山歴、高所医学研究歴をお持ちの橋本理事に多くのスライドを使っての講演をいただいた。実施している癌サバイバーや軽症者との繰り返しの富士登山は参加者のメンタル面の健康維持に効果が得られるとの報告があり神経内科医としての面も。疲労には立っての腹式呼吸が効果的との話はすぐにでもできそうな疲労回復法と感じた。 お忙しい中、資料準備などありがとうございました。なお、理事からは科学委員会はエキサイティングなので担当終了後も委員として残りたいとの意向が表明された。大歓迎いたします。

2021年

■内部研修 「古道プロジェクトの進捗状況」  

近藤雅幸委員(山岳古道PJ リーダー) 2021/10/21

現在59の古道を認定、残り61についても来年3月までには認定する。ホームページで公表する古道紹介のパイロット版、調査を進めるためのテンプレートも作成し支部に配布。調査が進んでいる古道についてはホームページや「山」で逐次報告する。調査の成果物はホームページ、書籍で公表。詳細は近藤委員よりメール送信された資料をご参照ください。近藤委員 お忙しい中ありがとうございました。

■内部研修 「西之島」

中野委員 2021/9/16

調査に関わってこられた中野委員にお願いして西之島の歴史と現状についてご紹介をいただいた。島の発見が1702年だったのにはびっくり。1973年以来断続的に続く噴火によって変化する島の様子などに関する貴重な映像をたくさんご紹介いただいた。パイオニアワークのわくわく感が伝わった。改めて御礼を申し上げたい。なお、次回の自主研修は近藤雅委員に山岳古道PJの進捗についてご紹介をいただく予定。

■内部研修 「原子力発電の今後」

松浦委員 2021/7/15

原子力発電の今後について松浦委員にお願いした。(資料2添付)①原子力発電が抱える解決困難な課題、②原子力発電を巡る国内外の大事故、トラブル ③解決困難となっている社会的背景、政治、経済、産業的背景④原子力発電の科学技術的状況、⑤原子力発電の今後 について解説をいただいた。処理水の海洋放出、放射性廃棄物処分場、福島第一原発の解体最終イメージ、カーボンニュートラルと原発の位置づけなどの課題を着実に解決してゆくことが基本であるが、日本の安定エネルギー保障の可能な現実的な方法を示すことが重要との講演の後、活発な討議がなされた。

■内部研修 「ウッドショック」

米倉委員 2021/6/17  

 現在話題になっているウッドショックは今回3回目(1回目は30年前で北米西海岸の森林過伐採が環境破壊につながるとの批判がきっかけ。2回目は2006年のインドネシアでの過伐採)。これまでは供給サイドの問題だったが、今回はアメリカ、中国での住宅需要増が原因。加えてカリフォルニアの森林火災やコロナ、物流コンテナ不足やスエズ運河での座礁も関係か。中国は日本の低級杉丸太を輸入してパレットなどに加工、アメリカに輸出。

 国産材は自給率が上がり、現在は38%で、木材価格は九州では高騰しているが東北ではそれほどでもないので国産材の価格はそれほど上がっていない。今後は木材の非住宅需要開拓、輸出増などに加え、政策、技術両面での伐採システムの整備などで国産材の需要をどう盛り上げるかが課題。

■内部研修 「奥武蔵古道を辿る里修験峰入り道」

鴨志田委員 2021/2/18

高麗川源流域を廻る50㎞程の里修験道は随所に寺院等の痕跡はあるが、確かな記録に乏しいとのこと。奥武蔵古道の紹介にとどまらず修験道の歴史や諸信仰の統合としての修験道の位置づけ、全国の修験道など広範囲にわたる紹介をしていただいた。この古道をJACの古道プロジェクトに推薦するべく、埼玉支部内にチームを作り推薦作業を行っている旨、松本敏委員からも補足があった。突然のお願いにもかかわらず詳細な資料準備などをしていただいた鴨志田委員に改めて御礼申し上げたい。

2019年

■5G(第5世代通信)、ワイドFMとは
芳野赳夫 2019/5/16
 5Gは現在使われている4Gに比べると10万倍の信号を高速でやりとりが出来る。しかし、波長が短い
ため直進性が増すので障害物があると、遠方に届きにくい。山での使用には問題がある。
最近経済的理由で、民間のAM放送の閉鎖が予想されている。これは災害等の緊急情報の伝達手段が無く
なることになるので、危惧されている。一方、FMは電波の到達距離が短い欠陥がある。そこで、AMに
近い波長域を利用したワイドFMを利用しての放送が検討されている。

2018年

■火山マグマはどのようにして生じるのか?
福岡孝昭 2019/4/18
マグマ発生・上昇・噴火のメカニズムについて,岩石融解(マグマの発生)の要因による科学的解説があった.火山ができる主要な場所:ホットスポット・中央海嶺(減圧融解),沈み込み帯を含むプレート収束境界(加水融解)によってマグマが発生する.

■水蒸気噴火のメカニズム、現状の理解 
福岡孝昭 2019/2/21
主に水蒸気噴火のメカニズムの解説と水蒸気噴火の予知に有効な観測方法について、説明があった。白根・箱根の噴火事例の解説があった。

■日本の山岳景観に関する研究
小疇 尚  2018/12/
平成30年度秩父宮記念山岳賞受賞記念講演 説明
日本と世界の地形の類似場所を抽出、その類似性について、地質、氷河作用、周氷河作用等の影響等により生じていることを説明。日本の氷河地形の説明があった。

■旅の印象:ラサからネパールへ
松浦祥次郎 2018/11/15
10月11日~22日にかけてカワカブ会のメンバー16名での旅行報告。チベット仏教のエネルギーとヒマラヤの高峰を見た時の感激について、地図、写真のコピーを使用しての談話であった。

■細密画にみる江戸東京野菜
木曽雅昭  2018/6/21
試験場に残されている900枚の野菜の細密画をもとに、江戸から昭和30年頃まで東京で栽培された在来種について解説された。明治33年に東京府農事試験場誕生以来、品種改良の記録として画が残された。種子は残っていない。野菜議論で盛り上がった。

■天災から天啓に
松浦祥次郎 2018/5/17
電気新聞(5月7日)の”ウェーブ時評”欄に委員が書かれた記事の紹介。最近の脳科学の研究成果により、脳内のセロトニン濃度が人間が楽天的か不安症になるかを決めていて、遺伝子を調べるとどちらになるかがわかる。日本人を初めとする東アジアの人々はセロトニンの脳内濃度が低い不安症が圧倒的に多いとのこと。原子力の安全性を東アジアの人々に理解してもらうことが困難であることを説明した。

■「何でも質問、解答」
全委員  2018/4/19
委員が日頃思っている疑問について、委員が解答を出し、或いは皆でテーマについて議論を行った。今回のテーマは、
① ティッシュペーパーとロールペーパーの違い、
② 福島原発事故に関連した地下水凍結壁計画は成功しているのか?
③ 使い終わった核燃料の処分法(地層処分、海洋底処分)、
④ 陸地を震源とする地震では津波は起こりえないのに、放送は震源の場所にかかわらず津波の有無を放送するのは国民の科学的学習をストップさせている。
⑤ ④に関連して、日本人の脳の構造は事実を正しく認識すること(科学の基本)を重視しないらしい、
⑥ 八ヶ岳での7人の滑落事故の原因、など。

■日本列島の狩猟文化通誌―ヒトと野生動物たちとのwith―その1
鴨志田隼司  2018/2/15

■日本列島の狩猟文化通誌―ヒトと野生動物たちとのwith―その2
 2018/3/15
その1 縄文、弥生、江戸の寒冷期の日本人の生活形態(食生活)を遺物の発達、土器に見られる圧痕等から推定する。
その2 江戸時代の人間生活、食生活と野生動物との関係を推定している。

2017年

■山の年代を測る
福岡孝昭  2017/11/16
山に関係する年代にどんなものがあるかを示し、測定法とその原理を解説した。放射性元素を利用した測定法については、説明が早すぎて、理解されなかった模様。

■こんなこと知っていますか?
福岡孝昭  2017/7/20
60℃の熱湯に入ったら大ヤケドするのに、70℃サウナでヤケドしないのは何故か? 海水の濃度、組成は海が誕生した40億年前から変化してないという。なぜか?といった話題が提供され、解説があった。

■原子力機構プルトニウム事故内容の解説
松浦祥次郎 2017/6/15
6月6日に日本原子力機構大洗事業所で起こった事故。MOXゴミを集めた物(極低レベルmg/ton)を保管・管理する場所で起こった。粉(m?オーダー)入りポリ容器がポリ袋 に入り、ステンレス容器にボルト止めされている状態で、50箱の、30は何事も起こらず、31個目からは状態が分からないままで作業をして事故が生じた。放射線化学の話、癌発生に関連した話を学習。原子力機構のズサンさそのものの事故であった。

■<米寿記念セミナー>
地球温暖化の終息について、地球物理学的考察
芳野赳夫  2017/5/18
南半球の温暖化は小さい。垂直方向については対流圏のみに起きている現象。温暖化の原因はCO2、 F(フッ素)、等によるオゾン層の破壊にある。新伝染病の発生も温暖化が原因かもしれない。太陽と地球公転軌道の関係からは地球は低温化しているはずであるが。

■秩父山地の地球化学図
福岡孝昭  2017/4/20
秩父地域の山の表面について、化学元素ごとに濃度分布を地図化した場合の話。手法について、江戸時代の金鉱山のあった地域には、金、ヒ素、アンチモンが高濃度で分布している、ゴミの不法投棄の影響もみられるとの説明があった。

■フォーラムのスナップ写真映写
3/11のフォーラムのスナップ写真を鑑賞した。
大村粛 平野彰  2017/3/16

2016年

■山の写真撮影
大村粛  2016/12/15
デジタルカメラでの山の写真撮影について、カメラ・レンズ等の装置の問題、フィルムとデジタルの違い(まだフィルムの方が全体的に勝る)、山の写真と絵画の違い等について、手際よく詳細な解説が行われた。

■山のトイレ事情
上幸雄(NPO法人日本トイレ研究所)  2016/11/17 
山のトイレの現状について、日本全国の山のトイレの改善について、時間経過とともに説明があった。富士山のトイレがバイオトイレになったことにより、女性の登山者が増えたことがわかった。差し迫った問題として、山のトイレ不足を補うために携帯トイレの普及が望まれる。携帯トイレの技術的問題は完成段階にあるが、使用後のものをザック内に入れることの心理的問題と、下山後の回収に問題があるとの説明であった。

■山を楽しむ安全の科学
松浦祥次郎 2016/9/15
3月のフォーラムのテーマとして「登山の安全」を提案する立場で、事故の原因、防止について科学的アプローチで解説した。

■人間特性と事故・災害発生原因
稲垣哲郎  2016/6/16
労働安全コンサルタントである稲垣委員による産業界の安全衛生に関する仕事の紹介。
どういう場合に事故が起きるのか、事故を起こさないための対策についていくつかの例を挙げて解説した。

■年代測定法による時計のスタートの違いについて ―世界一若い花崗岩の年代に寄せて―
福岡孝昭  2016/5/19
上高地ウェストン碑のある岩(滝谷花崗閃緑岩)の年代約100万年が世界で一番若い花崗岩といわれている。この年代の測定法の原理は時計のスタートが岩石の冷却であって、マグマが固化した年代より若い年代となっていること。この年代測定法で測定するとまだ地表に顔を出していない花崗岩ではゼロ年(現在)の年代を示すものもある。

■熊本地震放談会
 2016/4/21
16,17日と連続して震度7の地震が生じた熊本地震について、出席委員により自由討議を行った。震源が阿蘇を飛び越して大分へ移動した。火山は山体下が軟らかいため、地殻のひずみが貯まらないと考えられる。等等、活発な議論があった。

■修験道と登山
松本敏夫  2016/3/17
定年後、本来の専門とは違う学会に入会しようと「日本修験道学会」に入会し、修験道の勉強を始めた。今回は埼玉にしぼって秩父の三峯山を中心に話された。三峯山は江戸時代より前から登られていた。大峯山が本山で、三峯大権現を祭り、仏教的であるのに神社のように葬式を行わない、という特徴がある。
修験道の山としては立山、富士山等が有名。高尾山は京都の高雄山に由来している。

■ジャワ島最高峰スメル―山に登る
安間繁樹  2016/2/18
昨年10月に山岳会創立110周年記念事業の1つ、インドネシアプロジェクトに参加し、ジャワ島最高峰のスメル―山(3,676m)に登山した時の報告。スメル―山は現在も活動中の活火山。山頂から300m先の火口から15~30分おきに噴煙を吐き出していた。山頂には三角点の標石はなかった。森が少ないので、野生動物は少なかった。バナナリス(ネズミの一種)くらい。下山時には山火事で待機することもあった。スメル―登山報告の前に氏の研究対象であったボルネオ(特に標高ごとの植生)の説明があった。

2015年

■関東平野における江戸時代以降の河川改修・開発事業と地形条件 -最近の鬼怒川水害との関係-
長岡正利  2015/12/17
はじめに江戸時代からの東京下町の人工的な地形変化について解説。埋め立て地の為水害に見舞われた。今回の鬼怒川水害では常総市役所が水没した。これについても江戸時代の河川改修工事が関係していることを説明。

■日本の森列伝
米倉久邦  2015/10/15

■日本の森列伝(続編)
米倉久邦  2015/11/19
演者は近著「日本の森列伝―自然と人が織りなす物語」で森と人との係わり(人の行く森と行かない森)を主題に国内12の森について纏められた。今回、これ等のうち「北限のブナの森」と「上高地の森」を中心に講演。大好評で、11月の例会で続編が講演されることになった。

■山の電気設備
森 武昭  2015/9/17
雑誌「OHM」9月号に掲載された森前会長の記事の解説を中心に行われた。山小屋での自然エネルギー利用として①太陽光発電、②小型風力発電、③小規模水力発電が行なわれているが、基本的には今でもディーゼルである。近年は保守・取扱いの点で①が普及しているが天気任せで問題。バッテリーのコストダウン、長寿命化、軽量化等が課題。②は山小屋での利用は少ない。③は立地がうまく合えば利用されている。最後に山小屋での電気の効率的な利用法は現在進行中の家庭電力の効率的利用法(スマートハウス)と同様であるとして、その方法が解説された。

■原子力災害と山岳遭難 -その防止についての連想的雑感;安全文化と回復機能 -
松浦祥次郎  2015/6/18
これまでに世界で起こった原子力事故について安全文化(safety culture)、回復機能(resilience)という観点からレビュー。山岳遭難の対処法との類似性を指摘した。

■南極氷冠上の電波反射特性
芳野赳夫  2015/5/21
第3次南極観測隊(30歳)の時に次のことを発見。
氷の密度が上がると電波の反射率が上がる。雪の状態では電波がもぐる。現在アイスレーダーとして使われている。

■ロシア・カムチャッカの自然と登山 -現地の素晴らしい人たち-
長岡正利  2015/4/16
山と花のスライド多数。2013年夏の訪問では連日の好天に恵まれたが、天気はいつも良いとは限らない。

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