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公益社団法人日本山岳会

フォーラム報告 「登山を楽しくする科学Ⅴ」 2013年3月

フォーラム「登山を楽しくする科学Ⅴ」
2013年(平成25) 3月23日(土)
立正大学大崎キャンパス4号館431

1「日本の高山植生は東アジアの避難場所」中村幸人(東京農大)
2「現存する剣岳・立山の氷河」福井幸太郎(立山カルデラ博物館学芸員)
3「ツキノワグマに出会ったらどうする?-その本当の生態と人との軋轢の現状」山崎晃司(茨城県自然博物館主席学芸員)
参加者約200名 報告:山816(米倉久邦) 資料:A4-17P


報告

「氷河現存を確認」が大好評

 「登山を楽しくする科学V」が3月23日、品川区の立正大学大崎キャンパスで開催された。会場となった大教室は、公募の一般参加者や山岳会員など約200人の聴衆でほぼ満員。4時間にわたる3テーマの講演に熱心に聞き入った。フォ-ラム後のアンケートでも、88%が「大変良かった」「良かった」と回答、「期待外れ」はゼロで予想を超える大好評だった。

 最初は、東京農大の中村幸人教授の「日本の高山植生は東アジアの避難場所」氷河期を通して千島列島、アリューシャン列島を経て北海道、本州へと下ってきたが、ひと口に高山植生といっても、地形や地質、気候など環境条件で4タイプに分けられるという。隔離されて1万5千年、特に白馬岳、北岳で多様な高山植物が見られると締めくくった。

 続いて、立山カルデラ砂防博物館の福井幸太郎学芸員が登壇。日本で初めて現存する「氷河」と認められた剱岳三ノ窓雪渓、小窓雪渓、立山・御前沢雪渓を踏査し、クレバスに下りて氷を確認、1ヵ月に30センチの「流れ一を特殊カメラに収めるまでのユ-モア大好評だったフォーラムで講演に聞き入る聴衆たっぶりの現場体験に皆、感心していた。アンケートでも93習が 「興味深い」と回答した。

 最後に、茨城県自然博物館動物研究室の山崎晃司主席学芸員が、ツキノワグマの「本当の生態と人との軋蝶の現状と題して講演。ほとんど知られていないツキノワグマの生態を、貴重な画像や映像をふんだんに使って説明。近年の大量出没の背景には、奥山のエサ不足、里山の消失など複合要因があるという。実際に遭遇しても人身事故の確率は低いとし、大声を出して逃げるなどをせず、落ち着いて行動するように、とアドバイスをしていた。

(米倉久邦)

山816-2013/5月号


予稿集 目次

フォーラム「登山を楽しくする科学(V)」開催にあたって・・・・・・・・・・・・ 2
                             日本山岳会科学委員会
                             委員長   米倉久邦

講演1「日本の高山植生は東アジアの避難場所」・・・・・・・・・・・・・・・・・3
                      東京農業大学地域環境科学部教授
                              理学博士  中村幸人
     1.高山植生とは
     2.日本の高山植生

講演2「立山・剱の氷河」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
                        立山カルデラ砂防博物館学芸員
                            理学博士  福井幸太郎
     1.我が国で初めて認められた現存する「氷河」
     2.極東最南端の氷河
     3.剱岳 三ノ窓雪渓(氷河)
     4.剱岳 小窓雪渓(氷河)
     5.立山 御前沢雪渓(氷河)

講演3ツキノワグマに出会ったらどうする?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
 -その本当の生態と人との軋棒の現状-
                       茨城県立自然博物館主席学芸員
                              農学博士  山崎晃司
     1.ツキノワグマの生態
     2.ツキノワグマと人間との軋轢


2013年3月23日発行 A4-17ページ 残部僅少 頒価¥500-

予稿集(PDF版)


講演要旨

講演1 「日本の高山植生は東アジアの避難場所」

A:風衛草原(カラフトイワスゲ-ヒゲハリスゲクラス
B:高山荒原(コマクサ-イワツメツサクラス
C:矮生低木群落(ミネズオウ-クロマメノキクラス
D:雪田植生(アオノツガザクラ-ジムカデクラス ジムカデオーダー
E:湧水辺植生(ヌマハコベ-タネツケバナクラス
F:雪田植生(アオノツガザクラ-ジムカデクラス チングルマオーダー

講演2 「立山・剱の氷河」

立山連峰の氷河と万年雪の分布

極東最南端の氷河

 

関連記事:「立山連峰の積雪と氷河」 飯田 肇(「立山カルデラ砂防博物館) 山809(2012年10月号)

講演3 ツキノワグマに出会ったらどうする?

 

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