■フォーラム「登山を楽しくする科学Ⅶ」
2015年(平成27年)3月14日(土)
立正大学品川キャンパス11号館1151教室
1 「白山を歩いて-その花々、火山と地質、白山信仰と山麓での暮らし-」 長岡正利氏(国土地理院OB)
2 「天気予報と異常気象」 安田昌弘氏(気象庁OB)
3 「活火山の登山」 福岡孝昭氏(元立正大学地球環境科学部教授)
参加者:130名 報告:山839(2015/4) 資料:予稿集A4-20p
報告
「活火山の安全登山」が大好評-フォーラム開催
フォーラム「登山を楽しくする科学(Ⅶ)」が3月14日(土)の午後に品川区大崎の立正大学キャンパスで科学委員会の主催で聞かれた。タイムリーでもあり、3講演の中でも「活火山の安全対策」が大好評を受けた。統一テーマでの開催は7回目。会場の大教室には約130人が集まり、最後まで熱心に耳を傾けていた。
トップは「白山を歩いて」。講師は長岡正利委員、富山県の出身で白山研究は大学、社会人を通じていわばライフワークだ。約400枚のスライドと該博な知識を駆使し白山火山の地質と形成史、花々、山岳信仰、ライチョウ発見、山麓の暮らしから名物までたっぶりと語った。
次は安田昌弘講師による「天気予報と異常気象」。気象庁に勤務し南極越冬隊に参加、退職後も気象立正大学キャンパスで行なわれたフォーラム協会で防災の専門家として活躍している。経験から天気予報の精度は90点以上と自己採点、異常気象は30年に一度以下の頻度で起きる気象現象で、温暖化もあり、統計結果では激しい気象現象は増える傾向にあると解説した。
最後は福岡孝昭委員長の「活火山の安全登山」。記憶に新しい昨年9月の御嶽山水蒸気噴火から説き起こし、火山知識のイロハから噴火の種類と危険度を示した。活火山の安全登山では、情報の入手方法やマスク、ゴーグルなど必携の装備品をあげた。登山のリスクは自己責任と強調した上で、ヘルメットは常備品と結んだ。このテーマは関心が高かったこともあり、アンケートでは82%の人が「大変興味深かった」と回答した。
(米倉久邦)
予稿集 目次
フォーラム「登山を楽しくする科学(Ⅶ)開催にあたって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
日本山岳会 科学委員会
委員長 福岡孝昭
講演1 「白山を歩いて、その花々、火山と地質、白山信仰と山麓での暮らし」・・・・3
長 岡 正 利
・白山眺望一北に遠ざかりて雪白き山
・白山を彩る花々
・白山火山の地質とその形成史
・かっての白山信仰
・白山麓でのむかしの暮らし一山間部での出作り
・近年の話題一白山に雷鳥が
・白山登山のお帰りに、おいしいものを
講演2 「天気予報と異常気象」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
安 田 昌 弘
・・天気予報の発表・・天気の実況の把握・・大気の流れ、じょう乱の動き・・
気圧の予想・・風の予想・・気温の予想・・雨や雪の予想・・にわか雨か雷雨の
予想・・積乱雲からひょうが降ろ・・天気分布予報・・地域時系列予報・・
百名山、その他顕著な山の天気予報・・天気予報の精度は90点程度・・異常気
象の定義・・ここ数年の異常気象・・短時間強mが増えている・・高解像度降水
ナウキヤストの利用・・山の天気予報・・防災気象情報、注警報を確認する・・
激しい気象現象から身を守る・・観大望気で安全を確保しよう・・
講演3 「活火山の登山」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
福 岡 孝 昭
・はじめに
・火山噴火の形式と火山現象の観測による噴火予知
・活火山登山での安全対策
・まとめ
2015年3月14日発行 A4-20ページ 残部あります 頒価¥500-
フォーラムの予稿集の残部があります
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