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公益社団法人日本山岳会

探索山行報告 2022年6月 「山のみずうみを知る ~赤城山、奥日光~」

 6月25日(土)、26日(日)の2日間、赤城山と奥日光の探索山行を実施した参加者33名を乗せたバスは一路赤城山へ。

 先ずは大沼湖畔の赤城神社跡近藤講師より赤城山を巡る修験古道の説明を受ける。ここから20名ほどの健脚組は地蔵岳(1674m)山頂を目指す。一方ゆっくり組12名ほどはバスに乗り小沼駐車場に向かい八丁平から標高差180mほどの登山道を地蔵岳に向かって登山開始、予定より30分ほど遅れたが両組はめでたく山頂で合流した。山頂で眼下に広がる大沼を眺め、その成因を中野講師より伺う。昼食後、全員で八丁平に下る途中、小沼が見え、ここでも中野講師のお話を伺う。八丁平から赤城山スキー場までは一部の方を除いてほぼ全員で古道を下り、待機していたバスで今日の宿泊場所、丸沼湖畔に佇む閑静な環湖荘には16時30頃に到着できた。心地よい温泉と食事で今日の疲れを癒し翌日に備えて就寝。

 翌日26日も好天気に明けた。8時30分に出発、途中湯ノ湖に立ち寄り、急傾斜の滑滝を形成して流下する湯滝を見学。中野講師より出来立てほやほやの地質図が示され、これに基づいての湯滝の成因の新解釈を全員熱心に聞き入る。バスは赤沼茶屋に駐車、ここから徒歩で小田代原を目指す。気持ちの安らぐカラマツやミズナラの樹林内では折々、石井講師の植物の話なども伺いながら1時間ほどで小田代原に到着、遅れた数名の方には全体の行程管理上ここから西ノ湖入り口までハイブリッドバスに乗っていただくことする。その他の参加者はバス道を歩き、1時間ほどで西ノ湖入り口に到着、折よくハイブリッドバス組も合流して昼食を摂る。ミズナラやハルニレ、ヤチダモなどの保護林内を西ノ湖まで歩き、西ノ湖では福岡講師からこの湖がかつては中禅寺湖の一部であったとする説や湖出口を流れる柳沢川との標高差によって湖に逆流することがあることなど興味深い解説を伺う。また近藤講師からも奥日光山岳地帯全域に広がる修験古道の話もあり、室町時代から開拓されていた山岳古道のお話しにしばし往時を偲んだ。一旦西ノ湖入り口近くまで戻り、中禅寺湖畔の千手ケ浜でまだまだ咲き誇るクリンソウなども見学後ハイブリッドバスで赤沼茶屋に戻り、待機していたバスに乗車、途中で道路脇の広場に駐車していただき、龍頭ノ滝の上部福岡講師の成因解説も伺いながら見学、一路新宿を目指して帰路に着いた。

 2日間に亘る探索山行を平均年齢74歳超のメンバーが事故もなく無事終了できたことにまずは参加者の皆様および科学委員会メンバーである各分野の専門家の講師の方々のご協力に感謝するとともに、何よりも2日間好天をもたらしてくれた自然の采配にも大いに感謝する2日間であった。  (科学委員会委員長 平野裕也)

      赤城山・地蔵岳山頂にて                      

委員会

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