上高地は国立公園であり、言わずと知れた日本のアルピニズムの発祥の地でもある。厳しい気象条件や行政の規制制限の下、特別に建築を許された上高地山岳研究所(以下(山研))を、会員が有効かつ末永く活用できるよう、当委員会では運営・管理を行っている。その活動目的・内容は以下の3つに大別される。
1.施設の維持管理:毎年4月下旬から10月下旬の開所期間のみならず、冬季の上高地閉山中も含め、管理人と一体となって建物の維持・保守に当たっている。限られた予算の中でも建物を維持できるよう、給・排水設備の保守や電気工事、簡単な建物補修まで委員一同で担っている。
2.山研ベースの山行企画や講習会の実施: 季節ごとに山研宿泊を伴うイベントを開催している。具体的には、毎年6月第一週末に開催される新入会員対象の徳本峠記念山行とウエストン祭参加があり、食事の賄いを含め有志の委員がボランティアで実施している。これらの活動は、会員の山研の理解を深め、利用増進の一助にもなっている。
3.自然エネルギー利用研究や気象・自然観察研究: 善六沢の水流を利用したミニ水力発電システムの実用化研究に取り組み、発電した電力は一部山研で利用している。また、委員による気象データ(気温や積雪量等)収集や自動カメラを活用した山研周りの動植物観察も行なっており、今後も研究活動の幅を広げて行く予定である。