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公益社団法人日本山岳会

「第20回全国山岳博物館等連絡会議」開催

本年は第20回の節目を迎え、2016年11月26日㈯に開催された。
会場は参加館である「東京都写真美術館」のご厚意により、リニューアルオープン成った同館1Fのスタジオを会場として13~17時の間、熱心な発表とアドバイス、質疑応答等が交わされた。参加した館は10館(12名参加)で、本会からは理事・委員10名が参加して、各館の現状と問題意識、将来への展望を含めて意義ある討議を展開した。この会議が山岳文化の向上の一端に寄与し、その伝承に努めているのを実感した。参加した博物館などの主な内容を紹介する。(敬称略)

【東京都写真美術館】 関次和子

約2年にわたるリニューアル工事を経て、この9月に再オープンとなった。フローリング化、LED照明採用、可動壁の拡大、エントランスの拡大および新規機器採用等の整備。新しいシンボルマークとロゴタイプを制作、「トップミュージアム」の愛称決定

【(公財)植村記念財団・植村冒険館】 内藤智子

デナリで植村直己が遭難し、遺品の装備などを明大の後輩が回収して持ち帰ったものなどを展示。
地域の子どもに自由研究ほかの対象として興味を向けるような企画を実施している。

【四季の杜おしの公園 岡田紅陽写真美術館・小池邦夫絵手紙美術館】 大野絵美子 石井有妃

岡田紅陽は富士山写真の第一人者、小池邦夫は絵手紙の創始者で、両館が同じ建物にある。
各種のフォトコンテスト、絵手紙公募展等をそれぞれ展示。フィルムのデジタル化を討議。

【谷川岳山岳資料館】 門平敏男

開館期間は年間7ヶ月間(5月1日~11月23日)と短く、運営はなかなか厳しい。企画展として「回想の山・谷川岳写真展」特別展示「日本近代登山のパイオニア 木暮理太郎展」「清水越往還の道筋」

【松本市山と自然博物館】 澤柳秀利

「山の日」記念として、〔「まつもとの名山Ⅰ」美ヶ原の自然と歴史〕を開催、江戸時代すでに「うつくしが原」の名が絵図にある。御嶽信仰の山であり、石造り神像は御嶽山を向いて立つ。

【田淵行男記念館】 斉藤昇三

NHKのテレビで田淵行男について3回取り上げられ、来館者が多かった。「山の日」記念として8月11日に「第5回田淵行男賞写真公募展」(3年ごと開催)の授賞式および講演会を実施。

【市立大町山岳博物館】 関悟志

鹿島槍ヶ岳・カクネ里雪渓の氷体調査を2年かけて実施(大町市、立山カルデラ博物館、信州大、長
野県などによる調査団)した。氷体の流動を確認、関係者により論文発表の予定。第17回「ライチョウ会議長野大会」を開催、国の主導による絶滅防止の取り組みに協力。

【黒部市歴史民俗資料館】 (うなづき友学館) 八尾隆夫

宇奈月には江戸時代架橋の刎橋として有名な旧愛本橋があった。
その2分の1に復元したものを常設展示している。企画展は「トロッコとめぐる90年の旅」で登山家、電源開発などを紹介。

【立山カルデラ砂防博物館】 飯田肇 是松慧美

最近アジアからの来館者が多く、語学の対応に留学生、多言語対応タブレットなどを採用。御嶽山の噴火による登山災害に鑑み、年間を通じて「火山と防災」関係について展示。
企画展として「立山の文化財」を取り上げ、そのうち地形、動物関係を紹介した。

【富山県 立山博物館】 吉井亮一

今年は立山信仰に関する展示を数回開催。「閻魔の眼光」「地獄の閃光」ほか「立山曼荼羅の絵解き解説」なども行なった。来年は「(姥おんばそん尊)」(布ぬのはしかんじょうえ橋灌頂会関係)ほかを企画している。立山室堂の解体修理(1992~ 94年)についても、当時の関係者として貴重な話をいただいた。 (小原茂延)

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