「山の日」フォーラム ひろしま 2015 開催
「山の日」フォーラム ひろしま 2015が8月11日午後、東広島市の中央生涯学習センターで開かれた。来年から8月11日が国民の祝日「山の日」となるのを記念して、ちょうど1年前のこの日企画されたもので、およそ300人が集まり、≪ふるさとの山を大切にしよう≫との思いを確かめた。
フォーラムを主催したのは、ひろしま「山の日」県民の集い実行委員会と中国新聞社、中国放送で、西条酒造協会 西条・山と水の環境機構、広島県、全国「山の日」協議会、日本山岳会広島支部などが協賛・後援した。全国「山の日」協議会の尾上昇副会長(当会元会長)と東広島市の藏田義雄市長が来賓として挨拶し、「山の日」を意義ある祝日にしよう、豊かな山と森を守り育てよう、と呼びかけた。
フォーラムの第一部では林野庁の赤堀聡之森林利用課長が≪山と里の地域づくり≫をテーマに記念講演し、「山の日」は山や森の大切さを理解し行動の輪を拡げる日だとの視点から、森の恵みと多面的機能、森林の再生とそれを支える山村の現状、山と里の地域づくり、などの課題を分かりやすく語った。続いて全国「山の日」協議会顧問の成川隆顕(当会「山の日」事業委員会)が、祝日「山の日」制定までの経緯を報告し、「山に親しみ、山の恩恵に感謝する」という祝日制定の趣旨を生かすため、みんなで山や森のこれからを考え、山と向きあうことの大切さを再確認しようと訴えた。
第二部は「山の日」トーク。テーマは≪身近な山に出かけよう≫。パネリストは山岳ライターの小林千穂さん、広島大学生物生産学部准教授の長沼毅さん、ひろしま「山の日」県民の集い実行委員会々長の伊藤利彦さん、それに成川の4人。司会を山と溪谷社の萩原浩司(当会事業委員長)がつとめた。
小林さんはフォーラムの前日、広島県山岳連盟や日本山岳会、日本山岳ガイド協会の有志と登った宮島の弥山(みせん、535m)から眺めた山と海と街の印象を語り、里山あるきの魅力、楽しみ方を紹介した。生物学者の長沼さんは、生活圏としての山、動植物の不思議、海と山との深いかかわりを語り、伊藤さんは今年で14回目となった「山の日」県民の集い(毎年6月の第1土曜、日曜日、近年では十数会場、1万人規模)を、更に充実させたいと抱負を述べた。萩原は2万5000分の1地図に記載されている山の数(広島県は543の山名)とその平均標高(586m)から「広島は全国有数の“山の県”といえる」というデータを披露して会場の参加者の興味を引きつけた。
広島大学大学院教授で、県民の集い実行委員会のアドバイザーをつとめる中越信和さんが、祝日「山の日」と合わせ6月恒例の「県民の集い」もこれからが本番だ、とフォーラムを締めくくった。
(報告: 成川)