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公益社団法人日本山岳会

上高地と大快晴の西穗高岳山行!!!

                    西穗高岳を背に全員集合

フォト・スケッチ同好会では、上高地と西穂山荘付近の冬景色を切り取ろうという企画をした所、10名が参加した。令和5年2月3日、メンバーは北陸自動車道大積PAに正午過ぎに集合し、車3台に分乗して上高地への中継地となっている沢渡に向かった。今夜の宿泊は、沢渡から上高地へのバス乗り換え駐車場の前にある木造2階建の小さな建物である。建物には「温泉山小屋ともしび」の看板があり、料金3,000円となっていた。併設されている建物がライダーハウスで、12畳くらいの畳敷の部屋に炊事場とトイレがあるのみ。これが1人1泊1,000円の我々の宿である。かけ流しの天然温泉で入浴、さっそく持ち込んだ弁当とおでんで早速夕食開始。賑やかな歓談ののち、思い思いの場所でシュラフの人となった。

2月4日、6時起床、8時出発としていたが、もう4時頃から起きだして、ガサガサごそごそ朝食や出かける支度が始まった。そんなに早く起きてどうするの!シェラフの中で5時まで頑張って寝ていたが、この騒ぎでは起きるしかない。年寄り相手は困ったものだ。予約しておいたタクシーも早く来ており、7時20分頃には沢渡を出発して、釜トンネル入り口に向かう。

今日のお天気予報は曇り、雪もちらつくとのことで、あまりよくない。釜トンネルゲート前で集合写真を撮って、7時46分出発した。トンネル内はほぼ平坦と思っていたが、かなりの登り。車が通らない冬のトンネルをひたすら登る。釜トンネルは長さ1,300m余、その先の上高地トンネル600mと合わせ約2,000mの登りは景色も見えず、結構つらい登りであった。その後しばらく工事用車両のために除雪された道路を上高地ホテルまで進む。ここから、大正池湖畔の道へ入り、田代池、田代橋へと向かう。途中の木々の梢あちこちで猿が木の枝をついばんでいる。我々には全く関心を示さない。

    

生憎の天候で、周囲の山々は雲の中、白と灰色の墨絵の世界である。変化のない雪原を歩くこと1時間、ようやく田代橋に着いて小休止。依然晴れる気配はない。梓川左岸を歩いて10時45分河童橋に到着。残念ながら奥穂から前穂へかけての雄大な山並みは雲の中。次から次へと登山者に出会い、冬の上高地も結構賑やかだ。冷たい風が吹き抜け、休憩場所を求めて小梨平の建物蔭迄行く。ここで昼食として、11時36分に下山開始。河童橋から梓川右岸と進む予定であったが、風雪強く、林間の車道を辿って帰ることとした。行くときにきつかったトンネルも下るのは早い。トンネル入口にタクシー2時30分の手配であったが、13時54分に到着。タクシーもすでに来ており、すぐに沢渡へ向かう。そして、我々の車に乗り換えて、今日の宿、奥飛騨温泉郷へ。

2月5日、昨日とは打って変わって快晴。西穂高ロープウェーは9時運転開始。開始時刻に合わせ宿を出発。ロープウェー山麓駅の手前に登山者専用の駐車場があり、既に多くの車が駐車している。駐車場から10分ほど先が駅だ。改札口は行列ができていて、順番を待つしかない。山頂駅9時30分発を予定していたが、9時50分発となった。昨夜の降雪は少なく、多くの先行者がいるため、用意したワカン、アイゼンは装着せずに登り始めた。青空と強い日差しではあるが、密生した杉林に中の緩い勾配の道のアップダウンを繰り返しながら登る。標高2,200mくらいから西穂山荘(2,370m)への急登となる。ここでアイゼンを装着して、急登を登り切って山荘へ11時30分に到着する。小屋の前には僕の背丈の倍もある雪だるまが出迎えてくれている。冬山の展望の醍醐味、澄み切った青空にのもと、真っ白な笠ヶ岳~抜戸岳、御嶽山がきれいだ。

   

ここで昼食をとり、眺望の開ける丸山(2,452m)へ。2,420mくらいまで急登であるが、あとはだらだら歩き。丸山ピークを目指して進む。最高の日和の中、西穂高岳の雄姿を見ながら稜線漫歩だ。

  

                           西穗高丸山山頂にて

ピークからは前穂、西穂、樅沢、抜戸、笠と一望できた。独標まで行きたいところだが、今日新潟へ帰る予定なので下山にかからねばならない。名残は尽きないが一気に下山し、14時10分に山頂駅到着。ロープウェーは30分間隔の運転。丁度出発したばかりであった。30分余裕があり、山頂駅展望台へ。西穂高岳から笠ヶ岳にかけての雄大な展望を楽しむことができた。そして、冬のよき一日の山登りを終了した。

                    フォトスケッチクラブ会長 遠藤 俊一

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