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公益社団法人日本山岳会

上杉謙信公の軍用道路・桑取道(城ケ峰越え)を歩く

上杉謙信公の軍用道路・桑取道(城ケ峰越え)を歩く

【日本山岳会越後支部80周年記念事業・山岳古道調査】実施報告

城ケ峰砦跡

城ケ峰砦跡

〇2023年4月9日(日) 晴れ 
〇メンバー CL松尾知弘、春日良樹、松井潤次、廣井博行、後藤正弘他6名
〇愛宕谷公園7:10~春日山城本丸跡~長浜砦跡~城ケ峰砦跡~中桑取~番所跡~12:00城ケ峰砦跡12:50~九十九曲がり(馬ころがし)~上正善寺~15:10愛宕谷公園  

春日山城遠望

 戦国時代には、春日山城を中心として北陸方面へ浜往来と山往来があったといわれている。浜往来は現在の国道8号線を少し山に入り中腹を抜けるもの、山往来は春日山城より桑取谷を通り不動山城へと続いていた。
西浜(糸魚川・西頸城)地方は、古来西浜七谷(桑取谷・名立谷・能生谷・早川谷・西海谷・根知谷・川西谷)と呼ばれ、延喜古道の時代から幾筋かの山往来があった。

城ケ峰への古道

 桑取道はその一つで、軍用道路として整備され、その後は庶民の物流の道として昭和30年代まで盛んに利用されていたという。

城ケ峰砦跡

 春日山城下の愛宕谷公園に集合、春日山神社や直江屋敷跡、空堀、毘沙門堂など山城の遺構を見ながら本丸へ、ここでは日本海から米山そして頸城平野が一望できる。そして大井戸、柿崎屋敷跡を経て桑取道に入る。

カタクリの道

 小さなアップダウンがある尾根上の道、カタクリはすでに萎れていたがユキツバキやイカリソウなどが咲き、青空と新緑のコントラストが美しい。城ケ峰砦周辺に来るとカタクリが一面咲いていた。

 城ケ峰砦跡から沢状の急な古道を一気に下り、中桑取集落に着いた。静かな山里の雰囲気を味わい、林道から番所跡そして城ケ峰砦へと登り返した。

中桑取へ下る

山里の中桑取

 城ケ峰砦は、頸城アルプスや海谷の山々、鉾・権現岳、南葉山塊そして日本海、春日山城や砦群などが見渡せる大展望台だ。ここでランチタイム、帰りは九十九曲がりを経て上正善寺、春日山城から愛宕谷公園へもどった。

正善寺ダムと青田南葉山

城ケ峰の地蔵尊

 春日山城跡は国指定史跡であり、上杉謙信公は戦国武将の中でも人気が高い。より桑取道を楽しむためには、上越市埋蔵文化センターや林泉寺、春日神社などの見学と合わせて古道を歩くことをお勧めしたい。

後藤 正弘 記

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