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公益社団法人日本山岳会

米山登拝道を歩く

米山登拝道を歩く

【日本山岳会越後支部80周年記念事業・山岳古道調査】

米山山頂小屋

米山山頂小屋

〇2023年5月13日(土) 晴れ 

〇メンバー CL後藤正弘他4名

〇密蔵院駐車場7:30~9:00下牧ベース883 910~9:55駒ケ

岳10:10~10:45女しらば11:00~11:35米山12:45~13:45駒ケ岳14:00~14:40下牧ベース993 15:00~16:05密蔵院駐車場  

山頂の米山薬師

山頂の米山薬師

 米山は新潟県内からどこから見ても端正な三角錐で、海岸から聳える姿は美しい。その昔、米山は五輪山呼ばれ、泰澄禅師とその弟子の沙弥が和銅5年(712年)開山したと伝えられる。「米山」の山名にまつわる伝説も残され、日本三大薬師の一つで「米山薬師如来」が祀られている。

密蔵院

密蔵院

密蔵院入口

密蔵院入口

 古くから霊山として知られ、山岳信仰の対象とされた。中世において降盛であった米山寺密蔵院は、慶長5年(1,600年)の上杉遺民一揆にあい破却された。現在の寺域には、その16年後の元和2年(1,616年)中興開基、宥照法印が再建した。

 米山薬師は、古代より権力者に保護されるとともに利用されてきた歴史がある。江戸時代に入り、農業神として多くの村々が米山講という諸集団を組織して、毎年米山薬師に代参者を送り、明治期に最盛期を迎え昭和20年代まで続いた。

 頚城地方からの登山道は柿崎口(下牧・水野)であるが、明治時代の絵図によると麓の米山寺からすでに二手に分かれている。一つは米山寺川左岸の尾根沿いに登り、水野を経由し佛川を渡って水野より登る水野コース。もう一つは密蔵院の裏から尾根伝いに下牧に抜け、米山薬師御仮堂の脇から登るルート。今回はこの古道調査を実施した。

 密蔵院前に車を停め立派な門構えから石仏を見ながら石段を登る、一旦平となりさらに石段を登ると庫裏と護摩堂が建てられている。庫裏で管理人と会話をして、上越市文化財指定の護摩堂を見学する。美しく繊細な外壁装飾や欄間の彫り物など芸術的価値のある素晴らしい建造物だ。

密蔵院護摩堂外壁装飾(四面)上越市文化財

密蔵院護摩堂外壁装飾(四面)上越市文化財

緩やかな古道

緩やかな古道

気持ちの良い古道が続く

気持ちの良い古道が続く

 裏手から穏やかな起伏の雑木林を、ヤマボウシなどの花などを見ながら落ち葉を踏みしめて歩く。下牧手前で広々とした水田地帯に出て、ほどなく左の古道に入り「下牧ベース993」に到着。

下牧ベース993(現在の登山口)

下牧ベース993(現在の登山口)

ここからは、現在も歩かれている登山道となる。 

三十三観音

三十三観音

「女しらば」から急登になる

「女しらば」から急登になる

 

 米山薬師御仮堂の脇をとおり、駒ケ岳、三十三観音、泰澄禅師の墓、女しらばと古くから歩かれた参拝の道をゆっくりと歩く、山頂では薬師堂にお参りして、現三角点を確認してランチタイム。多くの人々が登拝した道を往時に思いを馳せ、いつもとは違う気持ちで往路をもどった。

       後藤 正弘 記

支部

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