メニュー

公益社団法人日本山岳会

三ッ峠山(1785m)・御坂山(1598m)山行報告

三ッ峠山(1785m)・御坂山(1598m)山行報告

フォト・スケッチ同好会
遠藤俊一

山行日 令和6年1月29~30日
参加者 遠藤俊一 川島万里子 滝沢信子、多田政雄 田邊信行

八十八大師像

 朝日に赤く輝く富士山の写真を撮ろうと河口湖畔の三ッ峠山山頂に1泊、翌日は白く雪化粧した富士山を眺めながらの御坂山塊縦走をしてきました。
 29日は早朝に新潟を立ち、大宮・立川・大月を経由して富士急行三ッ峠駅に降り立った。目指す三ッ峠山が青空の向こうにくっきりと見えている。今日のコースは修験行者が開いたという表参道からの伝統的登山道だ。まずは駅から住宅街を抜けて舗装された林道を約1時間歩いて、ようやく登山道となる。最初は緩やかだが、達磨石からは一気に急登となる。出発から約4時間、ようやく多くの石仏が並ぶ八十八大師に到着する。ここまでの辛い登りに大師像がご苦労様とにこやかな笑顔で迎えてくれて、ほっと一息つけた。ここからは緩やかなトラバース道となるが、雪が凍結しているところもあり気が抜けない。そして一時間後漸く山頂に到着する。途中は見えていた富士山は雲の中に隠れ夕暮れ迫る山頂で集合写真を撮って今晩宿泊の三ッ峠山荘へ。

 30日。日の出前、富士山に朝日が当たる頃からの撮影。5時半頃から撮影準備して、夜の明けるのを待つ。河口湖畔の町の明かりと富士山頂付近がピンク色に染まったときが最高だが、時間が経つにつれて街の明かりは消えてしまう。思うようには撮れない。
 7時15分、軽アイゼンを装着して山荘を出発する。裏三ッ峠山登山口へ雪の登山道を一気に下る。ここからは車道となり旧三坂トンネルの天下茶屋を目指して進む。天下茶屋は太宰治が3カ月間滞在して、執筆に打ち込んでいたところだ。
 太宰は著書「富嶽百景」に「3778米の富士の山と、立派に相対峙し、みじんもゆるがず、なんと言うか、金剛力草とでも言いたいくらい、けなげにすっくとたっていたあの月見草は、よかった。富士には、月見草がよく似合う。」と記している。
 天下茶屋から急登30分、御坂山への尾根道に出る。楽な尾根道かと思ったがアップダウンの繰り返しであった。冬枯れの木立の間から秀麗な富士を垣間見ながらの登山道が続く。御坂山から二つの小ピークを越えて少し下ったところが御坂峠。古くから鎌倉と甲府を結んだ往還の峠である。中世には山城があったところだという。秀麗な富士山や南アルプスが展望できる。
 昼食の後、御坂トンネル入口まで40分のコースタイムであったが、1時間を要しての下山でタクシーの待つ駐車場に到着した。余裕のある下りと思ったが、何とか河口湖駅発の予定した電車に乗れて、2日間の山行を終了した。白く輝く富士山にそっと別れを告げた。

支部

pagetop