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公益社団法人日本山岳会

越後支部80周年記念事業山岳古道調査 『石峠旧街道』を歩きました!

越後支部80周年記念事業山岳古道調査
『石峠旧街道』を歩きました!

大石前にて

〇期 日:令和6年6月13日(木)
〇参加者:松井潤次・和田 守・渡辺 茂・井口礼子・井口光利・他1名
〇地 図:国土地理院地図 1/25,000 「栃堀」「穴沢」
〇コースタイム:
 松尾集落旧石峠入口9:00 ⇒ 棚田最上部9:35 ⇒ 長命の泉(水場)9:45
 ⇒ 大石9:50~10:00⇒ 石峠10:15~10:30 ⇒ 大石(10:45~11:40)
 ⇒ 松尾集落石峠旧街道入口12:30 
 (石峠より魚沼市方面は藪で登山道不明の為石峠より往路を引き返した。)

〇歩行時間(往復):2時間30分 歩行距離(往復):3.0㎞

 地形図には石峠を越える街道は①明治維新前の旧街道(古道) ②現国道290号の真上を通る峠越えの旧国道 ③石峠トンネル開通(1992年)による現国道290号の3本がある。

今回は明治維新前の旧街道(古道)を歩いた。(昨年調査時によると、峠から魚沼市側は崩落や藪に覆われ通行は不可能のため踏査は峠までとした。)

石峠を越えるこの旧街道は、旧守門村高倉(現魚沼市)から旧栃尾市に通ずる重要な街道であった。いつの時代に開かれたかは判明できないが、会津と長岡を結ぶ重要な路線であったことから古い歴史を持っていると言われている。また伝説も多くあり、石峠と呼ぶ原因となった大きな石が峠の頂上付近にあり、その大きなくぼみは、麓の栗山沢地区に源義経主従が奥州に逃れるため石峠を通った際弁慶が足跡を付けたと伝わっている。また中世戦国期から近世初期にかけて堀之内の下倉城と栃尾城を結ぶ線として軍事上の要路でもあった。

〇コース記録:国道290号を杤尾から石峠トンネル方面を進み栗山沢集落手前で松尾方面に左折する。


松尾への分岐

石峠入口標柱

集落に入るとすぐ左下にため池がある。ここを右折し直進すると、「石峠」の標柱が目に入る。
ここで路肩の広い所に駐車し、9:00スタートする。
急坂ではあるが一部舗装された農道で木陰の中は心地よい風があり歩きやすい。傍らには石仏が置かれている。

安置してある石仏

モートンイトトンボ

9:20棚田最上部のため池着。ジュンサイが水面を覆い、モートンイトトンボが盛んに飛び回っている。ここから上部の登山道は、地元の人たちの努力により旧街道を歩きやすいように重機を入れて整備されてあり迷うことも無い。

水 場

 
9:50「長命の泉」の標柱がある水場着。
右に少し入ると湧水が流れている。


9:50~10:00 石峠の名前のいわれとなった大石(標高511m)着。視界が開け北から桑代山・栃堀薬師・守門岳。西には長岡東山連峰の南蛮山・鋸山から鬼倉山・五百山そして大平山への稜線が目の前に広がる。大石の周りはきれいに刈払われ、またブナの大木の下は心地よい風がふきぬけており、しばし休憩した。

大石                 大石前の広場

大石からいよいよ旧街道の名残の残る古道に入る。                                      

大石からの旧街道①         大石からの旧街道②        

ブナ林の下、落ち葉の積もったフカフカ道を歩く事15分、10:15石峠着。

石峠にて               石峠より先の状況

峠からの展望はきかない為、地元の人たちが所々伐採中であった。
ここから先は藪となり踏跡不明のため、石峠古道踏査はここまでとし、往路を引き返した。

(井口光利 記)

支部

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