公益社団法人日本山岳会栃木支部長
渡邉 雄二
本支部は、2007年(平成19年)の5月7日、日下田實(1956年マナスル峰登頂)支部長以下33名の会員で日本山岳会の26番目の支部として発足しました。現在(2018年)の支部会員は49名です。
本支部設立当時の日本山岳会は、クラブライフの更なる充実のため、各地方に支部結成の働きかけをしておりました。本県では早速、有志懇談会を開催し設立準備を始めました。幸い本県の登山界は、坂口三郎元日本山岳協会会長をはじめとする県山岳連盟の役員の方々が、日本山岳会会員であるという恵まれたマンパワーがありましたので、わずか半年間で支部設立に至りました。本県の岳人の仲間意識やチームワークが発揮され結実された成果が栃木支部の発足です。
その後、日本山岳会の組織運営での大きな課題が、「公益法人改革法」(2008年)への対応で、様々な議論や模索を経て2012年4月1日から「公益社団法人日本山岳会」となりました。本支部としては、いち早く会員のための共益事業と社会貢献のための公益事業の二本立ての事業を設立当時から取り組んでおりましたので、この公益法人化への移行はさらに地域社会や県岳連と一体となり充実した事業を実施することができるようになりました。特に「一般財団法人栃木県青年会館コンセーレ」との共催・後援事業は大変充実したものになりました。
また、2016年から施行されました「山の日」の祝日につきましても、その実現と関連行事の実施について、県当局をはじめ関係山岳団体との連携の下に推進でき本県の登山文化の発展に寄与することができたと思います。
アルパインクラブとしての本支部の活動は、四季折々の支部山行をはじめとする自立した「登山」や、山岳文化発展のための各種講演会などを主体的に行っています。また、次代を担う若者に「登山」を通して自然と共生する真の「生きる力」を養うため、学習院山桜会の支援で実施している「親子登山教室」は本支部の重要な公益事業です。
本支部の活動は、ユース栃木やマスターズクラブの活動が活発化し、支部活動の充実のための礎ができつつありますが、本支部も現代日本の抱える課題でもある、高齢化や若者不足など難問を抱えています。是非「高みを目指して」一緒に活動をする仲間が増えることを期待しています。一緒に活動しながらアルパインクラブとしての今後の実りある活動を模索していきたいと思います。