第11回中部ブロック4支部交流会 -山梨県八ヶ岳南麓清里高原で開催-
越後、信濃、山梨、静岡で構成される日本山岳会中部ブロック4支部交流会が、2024年11月16日、17日の2日間、山梨支部主催で八ヶ岳南麓清里高原清泉寮において開催された。清泉寮は景勝の地にあり、南に世界文化遺産の富士山、東に甲武信ユネスコエコパークの金峰山・瑞牆山など、西に南アルプスユネスコエコパークの甲斐駒ヶ岳・北岳・鳳凰山、北に八ヶ岳連峰を望むことができる。
越後支部4名、信濃支部8名、山梨支部21名、静岡支部9名、総数42名が参加した。4支部の活動報告、記念講演、懇親会、記念登山と、充実した2日間の交流会となった。
16日13時40分、交流会が始まった。山梨支部小宮山稔監事(山梨県山岳連盟会長)の歓迎のあいさつ、古屋寿隆支部長の主催者あいさつの後、各支部の年間活動報告が行われた。
各支部の国内外の登山活動、登山講習会、山岳祭などの明るい報告があったほか、共通する話題は、各支部会員の高齢化、会員数の自然減と新入会員の獲得の難しさなどの悩ましい話。山梨支部では過去10年間初心者向け登山基礎講座を開催し、それが新会員獲得の重要な位置づけになっていること、またオンライン会議では無料ZOOMよりLINEの方が使い勝手が良いなど、貴重な情報交換の場になったと思われる。
その後の記念講演会では、山梨支部矢﨑茂男理事による「古屋五郎-山と人を愛した男-」と題した講演があった。あまり世に知られていない、明治43年(1910)甲斐駒ヶ岳の麓に生まれ育った古屋五郎の人となり、南アルプス国立公園制定に向けた活動なりが紹介された。
18時30分、懇親会が始まった。各支部の交流が深まるようにと、参加者はそれぞれ指定のテーブルに着いた。歓談の後、各支部の自己紹介などで交流した後、二次会会場に移動し、22時30分まで懇親を深めた。
16日の曇天、夜の雨と打って変わって翌17日は晴天、この時期にしては気温の高い一日となった。記念登山グループは3班に分かれ、八ヶ岳横断歩道(※)に向かった。一部の参加者は、清泉寮周辺の散策とポールラッシュ記念館見学で過ごした。
登山グループは車に分乗し、八ヶ岳横断歩道の入り口、美し森駐車場に向かった。8時30分登山開始。美し森までの木道から富士山、奥秩父、南アルプスの大パノラマを楽しんだ。羽衣の池まではややきつい登りではあるが、その後は穏やかな登山道が続いた。途中川俣川東沢を渡渉したのち、県営八ヶ岳牧場の草原に出る。草原を横断し、展望見晴台で富士山や南アルプスの景色を楽しんだのち下山、八ヶ岳横断道路に出た。歩道を行き東沢大橋で八ヶ岳主峰赤岳と紅葉を楽しんだ後、12時、清泉寮に戻った。
解散のあいさつの後、清泉寮前の広場で三々五々、準備されていたお弁当で昼食をとり、帰路に就いた。
次回の4支部交流会は、静岡支部主催で2025年10月4日~5日、伊豆で開催される予定である。
※八ヶ岳横断歩道:真教寺尾根経由赤岳登山口の美し森から編笠山登山口の観音平を結ぶ遊歩道。
記念登山ではその一部を歩いた。 (記:大澤純二)