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公益社団法人日本山岳会

令和5年度秩父宮記念山岳賞を原山智氏が受賞

令和5年度の秩父宮記念山岳賞に、原山智氏(信州大学名誉教授)が決定しました。

受賞者:原山 智(信州大学名誉教授)

業績:『北アルプスの形成に関する地質学的研究および山岳関係者への教育普及活動』

原山氏は、長野県出身で高校時代から登山に親しみ、東京教育大学、京都大学大学院で地質学鉱物学を専攻されました。また、通商産業省工業技術院地質調査所で、中部山岳地域の槍ヶ岳、立山、乗鞍岳、上高地、松本、富山等の地質図幅を編纂され、多くの研究者、教員、地学愛好家、登山者等に活用されています。

また、信州大学では、北アルプスの形成史に関する研究を継続し、地球的にきわめて若い滝谷花崗閃緑岩、黒部川花崗岩の研究と同時代に大噴火を起こした巨大カルデラ火山の復元から、北アルプスの形成史に新説を提唱され、大きな業績をあげられました。

また、これらの研究成果をもとに、『超火山「槍・穂高」』(山と渓谷社、2003)を刊行し、従来の北アルプス形成史に一石を投じると共に,難解な地質学の話題を親しみやすい文体で表現して登山者の愛読書ともなっています。その後も、普及書の刊行や山岳関係者への教育普及活動(講演会、研修会、現地見学会、TV出演等)を積極的に実施し、北アルプスの地質や形成史について広く普及した功績にはたいへん大きなものがあります。

このように、北アルプスの地質や形成史について学術的に顕著な業績を上げるとともに、その成果を山岳愛好者へ普及した功績にはたいへん顕著なものがあり、今回の受賞となりました。

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