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公益社団法人日本山岳会

2025.05.28
東京支部

【山行報告】実地・登山の基礎-装備から歩行技術まで

初級者講習会・実地「登山の基礎-装備から歩行技術まで」【山行報告】

日時:2025年5月24日(土曜日)8:50-14:45
集合:8:30奥多摩駅
解散:14:45奥多摩駅
参加者:受講者11名+運営4名(講師1名+スタッフ2名+サポーター1名)

行程:
8:30奥多摩駅:受付、自己紹介、行程の確認、準備体操
8:50出発(標高343m)
9:00鋸山登山口:実地講習の注意事項説明、登山開始
9:25愛宕山
9:30登計峠:レインウエア装着実習
10:25鋸尾根:休憩
10:50天聖神社(天狗の石仏):休憩、展望できた御前山などを同定
11:30鎖場(標高約750m)
   岩場/鎖場の登り・下りの練習(目線・体勢・三点支持など)
   ①荷物無しで登り、②荷物有りで登り、③荷物無しで下り、④荷物有りで下り
   練習の途中で昼食休憩
13:15下山開始
14:15登計峠:質疑応答、全体総括
14:40鋸山登山口:健康状態確認、質疑応答、下山完了
14:45 解散(奥多摩駅)

  *歩行中・休憩中に、足(靴)の置き方(歩き方)、脚運び、トレッキングポール、休憩の取り方、鎖場、梯子等、机上講習での内容を実地にて確認

<報告>

当日の天気は下り坂ながらも夕方までは曇りベースの予報。東京支部初級者講習会では初めての実地講習だったが多くの女性登山愛好家の方々も参加された。出発に先立って飯田講師(リーダー)から「今回の実地は登山が目的ではなく、机上講習の実践です。」旨伝えられ、全員気を引き締めて出発した。

登山口広場で改めて注意事項が伝えられ登山開始。いきなり188段の階段を登るという苦行を強いられたが参加者全員難なく通過、程なくして愛宕山・愛宕神社に到着。そして登計峠の鋸尾根分岐で突然飯田講師から「レインウエア装着」の指示が出された(実際には雨は降っていない)。しかし指定時間の2分以内に完了する事が出来ず、ウエアのたたみ方ひとつにも工夫が必要で、普段の準備の重要性を改めて感じさせてくれた。その後鎖場、梯子などを経験した後、天狗の石仏が並ぶ天聖神社で休憩、天狗伝説と奥多摩の関係に思いを寄せながら周辺の風景を楽しんだ。

そして都会では通常経験出来ないであろう岩場(鎖場)に到着し、飯田講師が「三点支持、岩登りの基本、注意点」などの解説を行い、受講者全員緊張した面持ちで真剣に聞き入っていた。岩場では当然の事ながら安全第一で、受講者一人ひとりに丁寧にアドバイスを行いながら岩場の登り下りを経験してもらった。そして終了後は受講者全員が達成感に溢れた表情をされていたのが印象的だった。岩場の上の広場は眺望もよく休憩には最適な場所で、リラックスした中で昼食を楽しみ会話も弾んだ。昼食終了後、飯田講師から「現在の時刻と夕方からの雨予報を考慮し、このあとは鋸山頂へは向かわず、ここからピストンで下山する」旨告げられた。

下山中も脚やトレッキングポールの使い方等アドバイスを受けながら順調に下山、途中雨に降られる事も無く、怪我、体調不良、脱落者も無く下山、和気あいあいとした中大変充実した実地講習だった。

実地講習終了後は、ほとんどの受講者が日帰り温泉に立ち寄り懇親会となり、実地講習会の感想、山への想いや今後の東京支部の活動について熱く語りあい、気が付くと外は本降りの雨となっていた。

(舘野洋彰)

<受講者からのご感想>

鋸山講習では大変有難うございました。
経験豊かな講師の先生方のお話とご指導で、とても勉強になった一日でした。
当日の写真も送っていただきまして、有難うございます。
同じ目的の仲間がいて、実に楽しい時間でした。
これからも皆様とご一緒できれば嬉しいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。(R.K.)

先日は初級者講習会を受けさせていただき、有難うございました。
コース、時間配分、講師の方々のご指導、すべての内容が素晴らしく、短い時間に、非常にたくさんのことをご教授いただけ、大満足の講習でした。充実度がものすごく、今後の講習会にも是非参加させていただきたいと思いました。貴重な機会を本当に有難うございました。
特に、一番知りたかった山での歩き方を現場でご指導いただけたことで、その場で試してみることができ、感覚がつかめたことは大収穫です。
例えばフラットフィッティングについて。これまで、フラットフィッティングということを頭で理解していて、そう歩いているつもりでも身にはついていなかったと思います。それが、ソールのブロックパターンを意識して、地面につけるように歩くということを、ぬかるんだ場所などの山道で実際に指導していただけたことで、それをイメージして踏み固めていくと、不安がなくなり、確実に踏み出せるということを体で理解できました。
また、一歩をできるだけ短く、両足のつま先と踵がつくくらいの感覚で歩くということも、具体的な形で教えていただいたので、スッと頭に入ってきました。
これまで受けたことのある指導では、「もう少し歩幅を小さく歩いて」とか「踵からおりてるからフラットにして」とか注意されても、その場で“どのように”、という部分のきちんとした説明がなされてこなかったような気がします。基本的にピークに立つことを目標にしている山行の途中では、なかなかそこまでの余裕はないとは思うのですが、それでは達人の歩き方を自分で盗んで学べ、と言われているようで、なんとなく腑に落ちないままでした。
今回の講習では、最初に「今日は山登りではありません」という言葉をうかがってすごく期待していましたが、本当にすばらしい講習会でした。

座学の際に飯田さんがおっしゃっていた、皆さんを山の仲間と考えて講習をするというお言葉どおり、講師の方々が初心者の私たちに寄り添って温かくご指導くださっていることがわかり、とても嬉しく思いました。そのお蔭で、初めて出会った受講生同志もすぐに打ち解けることができ、本当に楽しい一日になりました。
さらに、講師の皆様の経験談など山に関するお話もとても興味深く、山行の途中でみんなで腰をおろし、お話に耳を傾けている時間は贅沢過ぎました!
また山岳古道のお話など、詳しくうかがってみたいと思いました(私は元々美術館の学芸員をしていました。今も博物館に勤めています)。
それから、たくさんの写真をいただき有難うございました。見返すことで、その時の状況を思い出し復習することができます。
来月の地図読みの講習以降も、できるだけ参加させていただきたいと思っております。
今後ともどうかよろしくお願いいたします。(K.U.)

東京支部

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