【報告】初級者講習会・机上「第5回 基礎から学ぶテント設営—テント生活でスキルアップ」
日時:2025年9月2日(火) 19時00分〜20時30分
場所:JICA市ヶ谷ビル201AB
講師:原田智紀氏(日本山岳会)
受講者:14名(会員・準会員 4名、一般 5名、オンライン 5名)
前回の山小屋泊に続き、今回はテントを利用した宿泊について机上講習を行った。今回も多くの方にご参加いただけた。
講師の原田氏によるスライドを使用しながらの軽妙かつかみ砕いた説明、実体験も交えたお話はとても分かりやすく、雪上に張られたテントの写真一枚の説明だけでも楽しそうな、わくわくさせるものであった。また安藤副支部長が用意したテント設営のデモンストレーション、調理道具、寝具を実際に示しながらの解説はより一層理解が深くなるものであった。受講生にはテントが初めての方も多く、メモを真剣にとり、デモの際は注意深くその様子を観察していた。
食事や寝具の用意のある快適な小屋泊と異なり、テントは設営から調理、撤収まですべて自分で行うことなるため大変さはあるが、その分自由度は非常に高く、より深く自然を感じ、山を堪能できるものだそうだ。テントから見る満点の星空は是非体験したくなった。一口にテントといっても季節や行く山域、さらには自分のスタイル、こだわり、背負える容量によってテントや寝袋、調理器具などの種類が変わってくる。自分のベストなスタイルを探るために道具など色々試めしてみることが楽しめるのもテント泊ならではだと感じた。
使用されたスライドは前常務理事 平川氏によるもので豊富な写真や一目でわかる比較図、短くまとめられたコメントは非常に見やすいものであった。残念ながら時間の都合により後半は割愛となったが後で配布された資料を見るだけでもとても参考になる。
一式を揃えるには色々大変だが、自分に合った道具の選定や足りない道具をどう代替するか考えるのも楽しみであり、スキルアップにも繋がると思う。
テント泊実習の場所である上高地 徳澤園は、作家 井上靖氏の小説「氷壁」にも登場する場所でもある。実習の夜にみんなで「氷壁」について語り合うということなので、読書好きにはたまらない企画である。まだ未体験の方には是非、この新しい山の楽しみ方に触れ、堪能してほしいと感じた。
報告:16391 若林優子