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公益社団法人日本山岳会

【報告】 初級者講習会・実地「基礎から学ぶテント設営—テント生活でスキルアップ」


【報告】初級者講習会・実地「基礎から学ぶテント設営—テント生活でスキルアップ」

日時:2025年9月20日(土)~21日(日) 1泊2日 

場所:上高地・徳沢キャンプ場

講師:原田智紀氏(日本山岳会)

参加者:合計16名

・受講者8名(会員4名・一般4名)、講師1名、スタッフ4名、サポーター3名

集合・解散:上高地バスターミナル駅(集合 12:15、解散14:20)

行程:

・9月20日(曇り、夜は暴風雨)

12:15上高地バスターミナル集合→12:30小梨平→14:05明神館→14:20徳本峠分岐→15:20 徳澤キャンプ場

・9月21日(晴れ)

6:10徳澤キャンプ場出発→6:45奥又白谷登山口→7:20慰霊碑→7:50写真撮影地点→往路を引き返し→9:20徳澤キャンプ場→テント撤収→10:15出発→明神館→明神橋→11:40嘉門次小屋、穂高神社→12:55山岳研究所→13:50ウェストン碑→河童橋→14:20上高地バスターミナル 

天候が心配されたが、集合時には雨が上がり、原田講師の挨拶で基礎から学ぶテント設営講習がスタートした。出発してすぐの小梨平のビジターセンターでクマのはく製を見学。成獣でも笹藪に隠れるほどの大きさで、遭遇に気づきにくい危険性を実感しながら、梓川左岸道を明神方面へ。整備された道はとても歩きやすく、穂高連峰にかかる雲は切れないものの、梓川の河原を見ながら歩くのは気持ちがよい。ザックの調整方法やレインウェアの着脱実演もあり、講習中に早速実践する受講者もいた。徳本峠分岐では旧道・徳本峠や上高地の歴史についてのレクチャーを受け、古池の美しさに癒されながら徳澤キャンプ場へ到着。

夜間の降雨予報を受け、早速各自テントを設営。設営地は水が溜まりやすい窪地を避けるよう指導があった。講師、スタッフの見回りアドバイスでペグ打ち方や張り綱の調整を実践できた。夕食は雨のため、屋根の下で分かれてとり、悪天候時の調理器材の取り扱いには細心の注意を要する事を改めて確認した。食後は日本大学医学部徳沢診療所を見学し、交流会では参加者による小説「氷壁」の感想共有が行われ、登場人物のモデルやナイロンザイルの検証者と日本山岳会との関わり、山岳文学、PL法にも話が及んだ。20時頃に散会し、テントに戻った途端に雨となり、日付が変わってもテントがたわむほどの強い風が続いた。

翌朝は明るく爽やかな天候。昨晩の暴風雨にもかかわらず、全員が無事に朝を迎えた。氷壁の舞台に近づくべく奥又白谷登山口から川沿いの登山道を進み、中畠新道分岐付近へ向かう。途中、傾斜した橋では講師らがロープを張り、安全に渡渉。氷壁のモデルとなった人物の慰霊碑で黙祷を捧げ、さらに登り進むと穂高岳の岩壁が現れた、雲が切れ、前穂高岳を望む地点で記念撮影。足元に気を付けつつ会話を楽しみながら往路を引き返し、徳澤でテント撤収。雨を含んだ装備に苦戦しつつも、各自手早くパッキングを済ませたことが印象的だった。

復路は明神橋を渡り右岸道へ。穂高神社参拝後、嘉門次レリーフや湿原を経て山岳研究所で昼食。水力発電を活用した施設の説明もあり、管理が行き届いており人気の理由に納得。ウェストン碑を見学し、河童橋を渡って14時20分頃に上高地バスターミナルで解散した。

記:17362 森岡

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