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公益社団法人日本山岳会

警察庁発表による今夏の山岳遭難 (過去最多件数)

警察庁発表による今夏の山岳遭難

警察庁発表による平成28年夏期(7~8月)における山岳遭難発生状況
が9月9日に発表されました。

https://www.npa.go.jp/safetylife/chiiki/H28kaki_suinansangakusounan.pdf

 年齢的には、60歳前後の中高年の事故が大半を占めており、以下は
それからの抜粋・要約です。

1.概要
(1) 全国の発生状況
平成28年夏期における山岳遭難は
○ 発生件数 660件 (前年対比 +13件)
○ 遭難者
753人 (前年対比 -29人) うち死者・行方不明者48人 (前年対比 -17人)
発生件数は、統計の残る昭和43年以降で最も高い。
過去5年間の山岳遭難発生状況は、発生件数・遭難者とも増加傾向にある。

(2) 都道府県別の発生状況
山岳遭難の発生件数を都道府県別にみると、
① 長野県 107件 ② 静岡県 84件 ③ 富山県 62件 の順。

2 山岳遭難の特徴と未然防止対策


(1) 目的別・態様別・年齢層別
全遭難者753人について、目的別にみると、登山(沢登り、ハイキング、岩登り、
スキー登山を含む。)が81.0%と最も多く、次いで、観光が11.0%を占める。

態様別にみると、道迷いが25.5% 転倒が23.1%、病気 が15.7%。
年齢層別にみると、40歳以上が全遭難者の74.6%、60歳以上が全遭難者の46.7%

(2) 山岳遭難の未然防止対策
山岳遭難の多くは、天候に関する不適切な判断や、不十分な装備で体力的に無理
な計画など、知識・経験・体力の不足等が原因で発生している。

防止のためには 
○ 登山計画の作成、提出
 気象条件、体力、体調、登山の経験等に見合った山を選択し、登山コース、
 日程、十分な装備、食料等に配意し、余裕のある安全な登山計画を立てる。
  単独登山はできるだけ避け、信頼できるリーダーを中心とした複数人によ
 る登山に努める。
 作成した登山計画書は、家庭や職場、登山口の登山届ポストなどに提出しておく。
○ 危険箇所の把握
 計画を立てるとき、滑落等の危険箇所を事前によく調べる。
○ 的確な状況判断
 視界不良・体調不良時等には、滑落、道迷い等のおそれがあることから、
 状況を的確に判断して早めに登山を中止するよう努める。
○ 滑落・転落防止
 滑りにくい登山靴、ストック等の装備を有効に使用するとともに、気を緩
 めることなく常に慎重な行動を心掛ける。
○ 道迷い防止
 地図、コンパス等を有効に活用して、常に、自分の位置を確認する心掛け。

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