私達は今年の秋、ネパール東部に位置するチャムラン(7319m)の主峰に、西稜から挑みます。
隊発足の動機は、「自分達の力で高く難しい山に登りたい。その為に今年は7000m前半の山を登ろう。存在感ある山で、現在の我々の実力で届くであろう、少人数速攻でトライできるラインを探したい」というものでした。
そして、見つけたのがチャムラン西稜です。
この計画は、単に登って帰り完結するものではありません。
より大きな目標に挑戦するための経験値を得て、次につなげる、そのための登山です。
日本山岳会青年部としては、98年のカンチェンジュンガ登山隊から、実に20年振りの海外登山隊派遣となります。
近年では、登山スタイルの変遷などにより、海外登山における経験の継承というものが困難になっていると言えます。
この登山隊が狼煙となり、共にヒマラヤに情熱を注ぐ仲間が増え、経験の継承と発展を繰り返し、より高い目標へと臨めるような環境を、日本山岳会で作りたいという願いが込められています。
各隊員におけるこれまでの経験とチームワークを最大限発揮し、安全と登頂といずれにも妥協のない準備と登山を実践して参ります。
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[概要]
●隊の名称
日本山岳会青年部チャムラン登山隊2018
●目 的
チャムラン(7319m)西稜より登頂
●期 間
2018年9月16日~10月31日
●隊員構成
登攀隊員2名・サポート隊員1名
[チャムランについて]
世界最高峰のエベレスト(ネパール名サガルマータ)がそびえるクーンブ山群。チャムランはその南東部、ホングー・コーラ東岸に位置する。東西に延びる頂上稜線は6kmあり、主峰は最も西に位置している。その台形の山容はまさに「はばたく大鳥」である。
62年春の北海道大学隊が、南稜より初登頂を果たす。その後、西稜や北北西壁からの登頂が成され、主峰は7隊が登頂している。
西稜については、86年秋に酪農学園大学隊が初登。 その後15年秋にスペイン隊が第2登、日本隊が第3登をしている。
[概念図]
[隊員]
●登攀隊員
宮津洸太郎(27) 明治大学山岳部出身
(渉外・食糧・医療・記録)
明治大学体育会山岳部OB(現コーチ))
浜松日体高校山岳部OB
ICI石井スポーツ新宿西口店 勤務
富士山ガイド
主な登山歴
2011 デナリ(6190m)ウエストバットレス・ルート登頂
2015 ジャネⅡ(6318m)初登頂
今回隊長を務めさせて頂く、宮津洸太郎です。 私は隊長とは言っても、上記の通り、現状あまり経験がありません。特にここで披露できるような特徴もありません。しかし、幸運な事に、出会いには恵まれていると心から思っています。 私のような未熟な隊長と共に一緒に隊を作り上げてくれる杉原、佐々木。快くご支援して下さる日本山岳会の皆様。様々な形で応援して下さるJAC加盟の大学山岳部の先輩方、後輩達。私の活動を理解して下さる職場の皆様。日々、このような方々と過ごし、大好きな登山ができる事ほど幸せなことはありません。皆さまからのご支援への感謝を胸に、邁進していきたいと思います。 言うまでもなく、登山は普通の生活よりも「死」が間近に迫る行為です。特に7000m以上の高所はさらに危険度の高い場所です。隊員一同、その事を常に意識し、安全と登頂にこだわっていきたいと思います。
杉原一樹(26) 東海大学山岳部出身
(装備・保険・会計・記録補)
東海大学体育会山岳部OB
好日山荘松本店勤務
主な登山歴
2015 甲斐駒ヶ岳赤石沢奥壁左方ルンゼ(冬期)
2016 剱岳小窓尾根~チンネ中央チムニー登攀~早月尾根(冬期)
2017 谷川岳一ノ倉沢烏帽子沢奥壁大氷柱登攀(冬期)
2017 ヨセミテでのビッグウォールクライミング
遠征メンバー3人の中では唯一、高所経験がありません。しかし、いちばん山に入っている自信はあります。 夏はフリークライミング、冬は冬期登攀全般、春はほとんどスキーというサイクルで取り組んでいます。いちばん好きなのはスキーですが、モチベーションが高いのは冬壁です。ラッセルは強い方だと思います。酒はほとんど飲めません。 今回、たくさんの方々のご支援をいただいて、チャムランに挑戦します。 7000mの高所で自分の身体はどう反応するのか、ヒマラヤの高峰を少人数速攻で登るということはどれ程大変なのか、学んで帰ってきたいと思います。そして、次なる遠征に繋げます。
●サポート隊員
佐々木優(28) 関西学院大学経済学部卒
(気象・通信)
主な登山歴
2015 ペルー チャチャニ(6075m)登頂
2015 ペルー ウルス(5495m)登頂
2015 ペルー ピスコ(5752m)登頂
今回の遠征には、サポートメンバーとして参加します。メラ・ピークでの順応登山は共に行動しますが、チャムランへのアタック時はベースキャンプに滞在し、緊急時対応にあたります。 専門は貧乏旅行で、これまで132カ国を訪れました。2011年にエベレスト街道を歩いたことをきっかけに登山に興味を持ち始め、アンデスの6000m峰を登りました。 登山歴の短い私が日本山岳会の遠征に参加させて頂くのは大変恐縮ですが優秀な先輩方からのアドバイスを活かして遠征を成功させたいと思っております。
[行動計画]
1 | 9月15日 | 日本発 |
2 | 9月16日 | カトマンズ着 |
3 | 9月17日 | カトマンズ滞在 準備 1日目 |
4 | 9月18日 | カトマンズ滞在 準備 2日目 |
5 | 9月19日 | カトマンズ滞在 準備 3日目 |
6 | 9月20日 | カトマンズ→ルクラ |
7 | 9月21日 | ルクラ→チュタンガ |
8 | 9月22日 | チュタンガ→カルカテン |
9 | 9月23日 | 【順応】カルカテン→ザトルワ・ラ峠→カルカテン |
10 | 9月24日 | カルカテン→ザトルワ・ラ峠→チュリ・カルカ |
11 | 9月25日 | チュリ・カルカ→コーテ |
12 | 9月26日 | コーテ→タンナン |
13 | 9月27日 | タンナン→カーレ:メラピークBC5025m |
14 | 9月28日 | カーレ→メラ・ラ峠 |
15 | 9月29日 | メラ・ラ峠〜ハイキャンプ5800m |
16 | 9月30日 | ハイキャンプ〜メラピーク山頂6476m〜ハイキャンプ |
17 | 10月1日 | ハイキャンプ〜カーレ |
18 | 10月2日 | 休息 |
19 | 10月3日 | 【キャラバン・メラピーク登山予備日1】 |
20 | 10月4日 | 【キャラバン・メラピーク登山予備日2】 |
21 | 10月5日 | 【キャラバン・メラピーク登山予備日3】 |
22 | 10月6日 | 【キャラバン・メラピーク登山予備日4】 |
23 | 10月7日 | カーレ→メラ・ラ峠→コメ・ディマ |
24 | 10月8日 | コメ・ディマ→チャムランBC4800m(ホングー・コーラ上) |
25 | 10月9日 | ベースキャンプ→チャムラン西稜末端偵察 |
26 | 10月10日 | ベースキャンプ→チャムラン西稜6100m(C1) |
27 | 10月11日 | C1→ベースキャンプ |
28 | 10月12日 | 休息 |
29 | 10月13日 | ベースキャンプ→チャムラン西稜6100m(C1) |
30 | 10月14日 | C1→6500m(C2) |
31 | 10月15日 | C2→チャムラン山頂7319m→C2 |
32 | 10月16日 | C2→C1→ベースキャンプ |
33 | 10月17日 | 【チャムラン登山予備日1】 |
34 | 10月18日 | 【チャムラン登山予備日2】 |
35 | 10月19日 | 【チャムラン登山予備日3】 |
36 | 10月20日 | 【チャムラン登山予備日4】 |
37 | 10月21日 | ベースキャンプ→コメ・ディマ |
38 | 10月22日 | コメ・ディマ→カーレ |
39 | 10月23日 | カーレ→コーテ |
40 | 10月24日 | コーテ→チュリ・カルカ |
41 | 10月25日 | チュリ・カルカ→ルクラ |
42 | 10月26日 | ルクラ→カトマンズ |
43 | 10月27日 | カトマンズ滞在 撤収1日目 |
44 | 10月28日 | カトマンズ滞在 撤収2日目 |
45 | 10月29日 | カトマンズ発 |
46 | 10月30日 | 帰国 |
47 | 10月31日 | 【バックキャラバン・片付け予備日1】 |
[予算計画]
収入
個人負担 | ¥1,700,000 |
日本山岳 助成金 | ¥500,000 |
寄付 | ¥900,000 |
合計 | ¥3,100,000 |
支出
〈国内〉 | |
渡航費 | ¥250,000 |
装備費 | ¥30,000 |
食料費 | ¥30,000 |
医療費 | ¥100,000 |
保険料 | ¥200,000 |
計画書 | ¥30,000 |
報告書 | ¥150,000 |
予備費 | ¥150,000 |
〈海外〉 | |
エージェント手数料 | ¥140,000 |
現地登山経費 | ¥1,690,000 |
カトマンズ滞在費 | ¥200,000 |
通信費 | ¥50,000 |
装備費 | ¥80,000 |
合計 | ¥3,100,000 |
※国外は1ドル110円で算出
[連絡先]
〈国内〉「日本山岳会青年部チャムラン登山隊2018」事務局
102-0081 東京都千代田区四番町5-4
公益社団法人 日本山岳会内
電話 03-3261-4433 Fax03-3261-4441
〈海外〉現地エージェント
Cosmo Trek Pvt.Ltd.P.O.Box 2541 Lazimpat Kathmandu NEPAL
担当:大津二三子
Phone:+977-1-4416226,4411437
Email:fumi@mos.com.np yamaya.cosmo@gmail.com
《寄付のお願い》 日本山岳会では創設以来、国内外での幅広い登山活動を実践し、成果を上げております。特にヒマラヤ登山においては、高峰への登山隊を数多く派遣して参りました。 この度、7000m峰の登山の実践を目的として、チャムラン(7319m)登頂を目指します。チベット語で「はばたく大鳥」を意味するその山は、主峰からほぼ平行に峰を連ねた山容であり、遠望でもすぐにそれと分かる存在感のある山です。にもかかわらず、数えるほどしか手を付けられていないという点において魅力を感じる高峰です。また、今回登る西稜ルートは「はばたく大鳥」の西側の翼となるライン、主峰へと直接延びる美しい稜線です。そういった所に強く惹かれ、同じ気持ちを持つ者達で挑戦することを決めました。 この登山隊は初登頂や初登ルートを目指すものではなく、本会のこれまでの功績からみれば目立たないものでしょう。しかしこの計画は単に登って降りて完結させるものとは考えていません。より大きな目標に挑むための経験値を得て、次に繋げるための登山にしたいと考えています。 日本山岳会青年部としては、1998年のカンチェンジュンガ登山隊から実に20年振りの登山隊派遣となります。登山スタイルの変遷などもあり、近年は海外登山における経験を継承していくことが大変困難になってきていると言えます。この登山隊が狼煙となり、共にヒマラヤに情熱を注ぐ仲間が増え、経験の継承と発展を重ね、より高い目標へと臨めるような環境を青年部で作りたいという願いが込められております。 各隊員におけるこれまでの経験とチームワークを最大限発揮し、安全と登頂といずれにも妥協のない準備と登山を実践して参ります。 皆様のご支援いただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。 日本山岳会青年部チャムラン登山隊2018 隊長 宮津洸太郎
2009 年にYOUTH PROJECT が発足し(2012 年、YOUTH CLUB 委員会設置)、 若年層の会員増強と登山活動の推進、指導を行ってまいりました。その中で学生部への支援にも力を入れ、これまでに数多くの海外登山を実施してまいりました。こうして育った卒業生らが今度は青年部として本格的に海外登山に取り組むことになりました。 新生青年部としては初めての海外登山であり、登山対象も意欲的なものであります。この登山隊の成果は単に参加メンバーの知識・経験の獲得にとどまらず、 青年部、YOUTH CLUB の成長に多大な貢献をもたらすものと確信しております。 関係者各位の温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。
公益社団法人 日本山岳会 副会長(YOUTH CLUB 管掌) 野澤 誠司
★当会は、“税額控除制度”の対象法人です。 ★振込窓口備え付けの払込取扱票に、住所、氏名、電話番号、会員は会員番号、通信欄に「青年部登山隊寄付」とご記入ください。
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