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公益社団法人日本山岳会

秩父宮記念山岳賞を決定

令和7年度(第27回)秩父宮記念山岳賞の授賞者選考につきましては、審査委員会における厳正なる審査の結果、以下の2名の受賞者が決定致しました。12月6日(土)の120周年記念式典の席上で受賞式を行います。

 

重廣 恒夫氏
「日本山岳会のヒマラヤ登山への貢献およびヒマラヤについての普及活動」
重慶恒夫氏は、ヒマラヤ三大巨峰のチョモランマ(エヴェレスト)北壁の初登攀、K2の世界第2登、カンチェンジュンガの南峰~中央峰の縦走など、日本のヒマラヤ登山において輝かしい実績を残し、これらヒマラヤ登山でのパイオニアワークは内外の登山界でも高く評価されている。1970年代からは日本山岳会隊にも数多く参加し、1970年代以降の日本山岳会のヒマラヤ登山において、登撃隊長や隊長としてのリーダーシップを遺憾なく発揮した。また、これらのヒマラヤ登山において後輩の育成にも尽力し、後に日本山岳会の遠征登山の中心となる人材を数多く輩出している。また近年では、グレートヒマラヤ・トラパースを実践して、ヒマラヤ登山やトレツキング、ヒマラヤの環境変動などについて情報発信し、登山者のヒマラヤへの関心を喚起する活動も実践している。
このように、日本のヒマラヤ登山で顕著な業績を上げるとともに、日本山岳会のヒマラヤ登山をリーダーとして牽引してきた功績にはたいへん顕著なものがあり、秩父宮記念山岳賞にふさわしい。
■重廣恒夫プロフィール
1947年山口県生まれ。K2第2登(日本人初)、ラトックⅠ峰南壁初登攀、チョモランマ北壁初登攀、カンチェンジュンガ縦走、マッシャーブルム北西壁初登攀、チョモランマ交差縦走(日・中・ネ三国友好登山隊)、ナムチャバルワ初登頂、マカルー東稜初登攀、ナンガマリⅡ峰初登頂。日本百名山123日間連続踏破。日本山岳会120周年記念事業として「グレート・ヒマラヤ・トラバース」を踏査。日本山岳会副会長、関西支部長を歴任。文部省登山研修所(現 国立登山研修所)講師、関西支部登山教室講師などで後進の育成に力を注ぐ。(株)アシックス勤務。現在六甲山の森づくりなど自然保護活動にも取り組む。

 

沖 允人氏
「インド・ヒマラヤの研究と書籍の編集・出版」
沖允人氏は、1974年からインド・ヒマラヤのカシミール、ラダック、ヒマチャー、ガルワールの数々の山に隊長・隊員として参加し、登頂した。この経験を基に、インド・ヒマラヤの山々を網羅した解説・登山史・文献等をまとめた『インド・ヒマラヤ』を日本山岳会創立110周年記念事業の一環として、日本山岳会東海支部編集代表者として出版した。さらに、日本語による『インド・ヒマラヤ』を基にして、2022年に英文で『Indian Himalaya』 を出版した。インド・ヒマラヤに重点を置いた著書は世界でも最初である。上記のように、沖允人氏のインド・ヒマラヤに関する実践・研究・書籍の出版は他の追従を許さず内外から高く評価されていて、秩父宮記念山岳賞にふさわしい。
■沖允人プロフィール
935年広島市に生れ、県内の中学・高校を卒業し、名古屋の名城大学理工学部に入学し、1956年に卒業した。卒業後は名古屋大学工学部や建設業に就職した。1970年に名城大学の講師となり、1980年に京都大学工学部博士課程に国内留学し、1982年に工学博士の学位を取得した。1998年に足利大学工学部教授。登山関係では、東海支部や愛知県山岳・スポーツクライミング連盟(旧愛知県山岳連盟)で役員を歴任活躍。一方、ヒマラヤ登山やユニークな国内登山を実践。豊富な登山経験を有している。

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