■山岳古道の推薦のお願い
日本山岳会は創立120周年を迎えるにあたり、記念事業として、古道、特に山岳古道の調査を全国的におこないます。
全国にある無数の山岳古道のうちから、120の道を中心にして古道を選びます。
選んだ古道は、文化的・歴史的・地理的な側面から探索・調査し、それを記録・保全につなげます。
記録した情報は、広く一般社会、さらに後世にも残るような形で公開します。
公開することによって、地域社会に貢献するとともに、人々に新しい山の楽しみ方を提案し、HPなどを通じて、古道の賛同者を増やしていきたいと思います。
そのために後々まで残る書籍として調査結果を出版し、ネットで広く公開をします。
また、地方自治体や地主の方々とも連携し、協力して古道の保全につなげていきたく考えております。
皆さまがご存じの山岳古道を教えてください。
とくにこれまで長年にわたって古道の調査を続けてこられた方々には、本活動にご協力をいただきたくお願いするとともに、これまでの調査の成果や知識などをご教示いただきたく、お願い申し上げます。
■調査する山岳古道とは?
昔の道は尾根や山腹に作られていることが多くありました。
見通しがよく、崩れにくく、外敵にも有利な道が山の道でした。
道は生活道、参拝道あるいは官道や街道などとして多くの人に利用されてきましたが、近年になっての道路の拡充やインフラの整備、また災害、山村の過疎化などによって、いたるところで破壊され、崩れ、籔に埋もれて、そういう道があったことさえ人々の記憶から消え去りつつあります。
今回日本山岳会で取りあげる古道とは、まず山岳古道(旧道・廃道)、もしくは山にかかわる道であること。できれば、いま脚光を浴びることなく、整備されておらず、忘れ去られようとしている古道であるとなおよいと思っています。
例えば、信州の「塩の道」(千国街道)では、白馬村から小谷村への部分がそれにあたります。
また、日本百名山の赤城山や金峰山をはじめ全国の山々には使われなくなった多数の参拝道がそれにあたります。
ぜひ、皆さまの身近にある山々にある、もしくはあった古道の推薦をお願いいたします。
《対象とする全国の山岳古道》
① 経済(塩、食糧、肥料、燃料、鉱山…)、信仰、軍事、政治、交通路(街道、裏街道)などとして利用されていた古道
② ストーリー性(文学、伝説、史実、詩歌など)がある古道
③遺跡や石碑などが残る古道
④できる限り、いま脚光を浴びることなく、整備されておらず、忘れ去られようとしている古道
《代表的な道として、以下のような道があげられます》
・「様似山道」(北海道)
・「塩の道(野田街道)」(岩手県)
・「八十里越」(新潟・福島県)
・さらさら越え(長野・富山県)
・富士山の参拝道(山梨・静岡県)
・熊野古道(5参詣道以外。5参詣道の別ルートなど)
・坂本龍馬脱藩の道(高知・愛媛県)
■推薦の方法
ホームページにある推薦用紙をご利用ください(要件を満たせば自作でも可)。
個人での推薦は一人で3つまでですが、1つや2つの推薦でも構いません。
■推薦と今後のスケジュール
◯推薦の締切:2021年(令和3年)3月31日
◯120道の決定:最終的に2021年(令和2年)中での発表を予定しています。 推薦された古道の中から山岳古道調査プロジェクトチームで120の古道を選択決定し、プロジェクトチームが委託した支部や会員有志(推薦人なども含む)が中心になって調査をおこないます。
◯公開と終了:調査の状況や結果はホームページで随時掲載します。
また、書籍として発行します。当会の120周年である2025年度の完了を予定しています。
【→スケジュール】