1980年(昭和55) 3月1日、2日
長岡市国立雪害実験研究所
共催:集会委員会 長岡市国立雪害実験研究所
参加者:(東京より)18名、越後支部より)23名
報告:山418(松丸秀夫)
報告
長岡市に国立の雪害実験研究所がある。ここは科学技術庁・防災センターの研究所群の一つであるが、本年3月1日にここを見学した。
東京から18名、越後支部から23名参加した
見学したのは積雪層*の初期移動と雪崩への移行の観察設備、積雪量の連続測定と観測値の電送、低温実験室、雪上性能実験自動車、せまい通路の除雪車、太陽熱による屋根の融雪実験、などであった。 (*は斜面の下にトンネルを堀って天井から積雪の底面を観察するようになっている。)
雪はシンター(粒子の接触点が除々に固結する現象)して体積を縮少するし、斜面では重力によってクリープ(力の方向に少しづつ伸びる現象)する。
この限界を越えると積雪層の破壊が起って雪崩になるが、クリープの限界で速さが大きくなるので、そのデータを集めている。
また積雪層の低面は摩擦で地面から支持されているが、上部には、それが無いから、ずり歪を生じ、割目ができる。 これも雪崩の前徴となる。などの説明を受けた。
長岡の雪と、山の雪は違うことが多いようだとも思えたが、ここは豪雪地帯に人口が密集して生活している点で世界でも珍しい所らしいので、大変有意義な研究であると考えられ、深甚な敬意と感謝を以て辞去した。
長岡市内のそば屋で昼食と宴会を支部の方々からして頂き交歓を深め、バスで松之山温泉に向った。
この日は異常気象で、沖縄から札幌まで全国的に雨が降ったので、松之山への道筋は凄い雪崩の状態が沢山見られて、見学会としては得難い機会に遭遇した。
松之山温泉では白川館に泊った。 ここでは12月から3月中旬までスキーには乗らないことになつている由で、翌3月2日は町民スキー会を越後湯沢でやるのでバスを仕立てて行くと云う。
この雪崩の状況では尤もな事だと我々も2日は朝から六日町南スキー場に送って貰い、スキーで遊んだり、シールを付けて隣りの尾根を枡形山に登ったりしてエキスカーションを楽しんだ。
終りに御歓待下さいました越後支部の方々に厚く御礼申上げます。
参加者…順不同;
(東京より)小倉厚、片岡博、小原晴子、斉藤桂、梅野淑子、久保孝一郎、坂本正智、折井健一、関塚貞亨、越田和男、武田満子、松丸秀夫、遠藤慶太、中川武、村木富士、渡辺正臣、中沢光江、沢井政信
(越後支部より)藤島玄、斉藤平七、井口正男、奥津五郎、柳沢一男、藤井信、室賀輝男、山田一男、山崎幸和、早川英夫、坂井厚、松本英一、佐藤伝、清野正二、堀井浩、佐々木幸作、杉本敏、金山淳二、安野正弘、佐藤金一、佐藤高志、大橋栄蔵
(松丸秀夫記)
山418(1980/4月号)