メニュー

公益社団法人日本山岳会

探索山行報告 1991年7月 「田代・帝釈山」

◆探索山行 「田代・帝釈山」
1991年(平成3年)7月20日、21日
地域:会越国境
コース:会津高原~駒止湿原~湯の花温泉(泊)、A班~田代湿原-田代山 B班~田代湿原~帝釈山往復
宿泊:湯の花温泉・旅館清滝

講師:小荒井実(旭小校長)「会津の湿原と高山植物」
参加者:46名  報告:山557-1991/10(千葉重美、中村あや)

報告

田代山探索山行 -湿原と高山植物-

科学研究委員会

 7月21日は生憎の雨であった。10時半会津高原駅に集合した参加者は、福島支部の方が用意して下さった2台のマイクロバスに分乗し、緑あふれる会津高原を駒止湿原に向かう。途中雨は一段と激しくなった。

 峠の茶屋について昼食をとる。バスで湿原入口下車、小荒井先生の説明を伺って歩き出す。幸い雨は小降りとなり、ガスの中にひろがる緑の湿原はなかなか捨て難い風情がある。 花の盛りは過ぎて少々淋しいが、それでもキンコウカやモウセンゴケ、ミズギク、ミズギボウシ、タテヤマリンドウ、コオニユリなど見ることができた。高層湿原は、低温のため枯死した植物がなかなか腐らず泥炭化し、それが堆積して出来たもの、だんだん乾燥してくると笹やレングツツジなどが生えてくる由である。またチシマザサやフキの葉をまるくまとめて沢水を飲む方法も教えて頂き、一同子供に返って葉っぱのコップ作りに興じたりした。

 夕方湯の花温泉旅館清滝に着き、早速入浴、熱く透明な温泉である。その後広間で、川魚の刺身やマスの甘露煮、イワナの塩焼などの並ぶ夕食の膳につく。7時から小荒井先生の講演、雄国沼のニッコウキスゲの群落や、ヒメサユリ、ミズギク、サギスゲ、ムラサキヤシオ、コブシ、また二重の虹や佐渡の燃えるような夕焼空など、ブローニー版のスライドを特製のプロジェクターでうつし出し、迫力ある美しい画面とユーモアあふれるお話に、みなひきこまれてきき入った。そのあとビールや福島支部差入の日本酒を頂きながら賑かな懇談会となった。

 21日朝は見事に晴れ上り、朝食後宿の前で記念撮影の後、バスで登山ロヘ。
小荒井先生は残念ながら今朝帰られるので、今日の講師は宅間清子委員となる。
田代橋に着き、8時30分帝釈山を目指す9名が先発し、あとは支部の野地会員を先頭に登り出す。陽が照りつけて暑くなり 雨のあとの道は滑り、そしてなかなかの急登である。
眺望がひらけ日光白根、太郎山、男体山、天真名子、小真名子、女峰山などの連山が見える。 急坂の先に鮮やかなニッコウキスゲの群落が目にはいったと思うと目の前がひろびろと開け、頂上湿原であった。

 さわやかな風が汗ばんだ肌に決い。木道に集まって宅間委員の説明を聞く。足下にはキンコウカやイワショウブが咲き、モウセンゴケも小さな花をいっぱい咲かせている。ところどころに池塘が点在し青空をうつしている。
湿原をぬけた樹林の中に山頂の弘法堂が建っている。その先の樹林の中を進むと、木の間にピラミッドのような帝釈山の姿が見えた。

 ここで1時間半の自由時間、それぞれ眺めのよい所に陣取ってお弁当を食べ、湿原を散策し、写真をとり、スケッチをしたりなどする。七ケ岳、博士山、荒海山など会津の山々や塩原の山が湿原の彼方に紫色に浮かび誠に美しい眺めであった。12時半 弘法堂前に乗合、丁度、長老鳥居亮会員を含む帝釈組が戻って来た。

◇  ◇  ◇

帝釈紀行
 21日朝、原田、斉藤、田辺、白鳥、佐久間、鳥居、石田、北野、千葉の一行9名は一足早く田代橋を出発、急坂を休みなく登り、田代平に9時50分着、小憩を持ち、汗も引込んで、ニッコウキスゲやキスゲやキンコウカの原を行く。

 10時、弘法太子堂では仲間による般若心経の読経を済ませ、敬虔な気持ちで帝釈山に向かう。少し倒木もあり泥道もあったが、11時5分、2等三角点のある帝釈山2006メートルの頂上に立った喜びは大きかった。360度の好展望。燧、平ケ岳、会津駒、日光、会津の山々をほしいままにして、昼食をとる。往路を戻り、弘法堂に12時30分着、本隊と合流した。

(この項干葉重美記)

◇  ◇  ◇

 全員14時登山口に下山、清滝に戻って温泉で汗を流した後、バスで会津高原駅に向かう。思いがけない快晴に恵まれて、いのちの洗濯をしたようなさわやかな一日であった。小荒井先生および終始お世話頂いた笹川さんはじめ福島支部の皆様に心からお礼申し上げます。

(中村あや)

 

(参加者) 講師 小荒井実 
会員 望月計市、林桂子、原田衛、北村義男、伊藤主税、賀嶋増造、中村あや、斎藤敏男、三沢一三、菅野弘章、鈴木快信、中川久、三宅次郎、近藤雅是、南井英弘、佐々木誠、和田民子、田辺史、鈴木嶋夫、
一般 白鳥勝治、樽沢弘一、高沢容子、高橋恭子、田沼玲子、佐々木順子
福島支部 笹川慶子、西関良光、白石田春治、佐久間高男、八巻和男、野地克也、河上鏡治、大内賢治、佐藤一夫、高野加代
科学研究委員会 中村純二、鳥居亮、石田要久、北野忠彦、松丸秀夫、宅間清子、石井恵美子、高橋詞、奥野道治、千葉重美  以上46名

山557 (1991/10月号)

pagetop