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公益社団法人日本山岳会

探索山行報告 2004年6月 「会津七ヶ岳に山の姿とその生い立ちを学ぶ」

探索山行 「会津七ヶ岳に山の姿とその生い立ちを学ぶ」
2004年(平成16) 6月12日~13日
地域:会津、大嵐山、七ヶ岳
宿泊:会津アストリアホテル

講師:山元孝広(産業技術総合研究所深部地質環境研究センター・チーム長);「七ヶ岳の「地質的特長と地質学的形成史」
参加者26名 報告:山711(岡田 尚武)

■探索山行

「会津七ヶ岳に山の姿とその生い立ちを学ぶ」

(平成16年6月12~13日)

 私どもは日頃山に登るとき山の形には強い関心を持つが、それがいかに形成されたか正確に知る事は少ない。本年の探索山行は、七ヶ岳を例に地形的な特徴と地質学的形成史を斯界の権威から現地で学ぶまたとない機会であった。

 6月12日朝、本隊はバスで池袋を出発、高速道の渋滞で若干遅れたが湯の花温泉に参加者26名と講師が集合、地元江花委員の先導で早速大嵐山に向かった。台風4号の影響が懸念されたが、幸い東にそれたため雲は多いが穏やかな天候に恵まれ、花々をめでつつ沢沿いの気持ちの良い林を登ること2時間、稜線に出たところで講師から七ヶ岳を眺めながら台地状に見える地形の特徴と成り立ちにつき説明を受けた。その後頂上を往復して下山、宿舎の会津アストリアホテルに入る。ここで講師の山元孝広先生(産業技術総合研究所深部地質環境研究センター・長期変動チーム長)から「七ヶ岳の地質的特徴と地質学的形成史」というテーマでお話を伺った。

 七ヶ岳は約700万年前の巨大な奥鬼怒カルデラからの大規模火砕流による駒止峠火砕流堆積物からなる台地にあり、その下には約9百万年前にできたオドシマ沢火砕流堆積物がある。後の火山活動で東側が陥没して七ヶ岳の急峻な東面となったので、 そこに2つの地層がみられる。 下部は低温で堆積したため気泡が多く割れ目の少ない軽石火山礫凝灰岩からなり主にナメ滝を形成し、 上部は高温で堆積したため熔結して硬く、 垂直な割れ目(柱状節理)のある岩峰となっているとのこと。 さらに会津カルデラ火山群の形成の歴史も触れられた。 興味深いテーマに質問が相次ぎ予定時間を越えての盛会であった。

 翌13日は好天に恵まれ、 小鳥の囀りを聞きながら、昨夜の講演を思い出しつつ七ヶ岳東面の平滑沢を登り、下部のナメ滝や上部の柱状節理のある岩峰などを確認できた。頂上では改めて会津の山々の生い立ちなど説明をいただき、那須、日光にかけての山々のすばらしい眺望を楽しみながら長い高杖スキー場をのんびり降り、温泉で疲れを癒し充実した山行を終えた。

 今回の探索山行は天候にも恵まれ楽しい山歩きだったが、何よりも何百万年にわたる地質の変動による造山活動を現地でまの当たりにして学ぶことができたことは得がたい体験であった。 これも事前踏査にも参加され、豊富な資料を準備され、私ども素人にもよく理解できるよう説明していただいた山元先生のおかげで、心から感謝申し上げたい。

                                   (岡田 尚武) 
山711-2004/8月号

アストリアホテル前にて 七ケ岳山頂

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