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公益社団法人日本山岳会

【報告】第3回茶話会“第7回 グレート・ヒマラヤ・トラバース 帰国報告”

【報告】第3回茶話会 

日時:2025.9.30(火)19:00~20:30

会場:本部 104号室

参加者:15名(話者1名+支部員・支部友10名+お試し参加4名)

第1部:“第7回 グレート・ヒマラヤ・トラバース 帰国報告”

話者:飯田 邦幸 東京支部 支部長

第2部:20:00~質疑応答

20:30頃終了

第3部:懇親会(参加者任意)

   

 2020年から始まった日本山岳会120周年記念事業のGHTグレート・ヒマラヤ・トラバース。

その第7回踏査隊として、今年6/16~8/10にかけて、56日間の山旅を終えて帰国された飯田支部長に、熱い想いも冷めやらぬ声を聴く機会をいただけました。

GHTは、ネパール~インド~パキスタンへと、日本山岳会の先駆者の足跡を辿る温故知新の山旅で、今回のパキスタンで完結を迎えました。

冒頭、真っ青な空に鋭くそびえ立つ一峰の写真に釘付けになりました。「K2 (8611m)」。これがK2!

今回の踏査隊は12名。隊員を率いる重廣隊長は、「K2」日本人初の登頂者。その隊長にパキスタンのビザが下りない、というまさかのトラブルに見舞われながらも、飯田支部長は「奇跡」とおっしゃっていましたが、そこはさすがに日本山岳会の功績と優れた人脈の交渉の甲斐あって、1週間後には先発隊と合流することができたそうです。

イスラマバードから空路 ヒマラヤ登山玄関口である スカルドゥへ。ジープに乗り換えて氷河の入口 アスコーレへ移動、そこからはテント泊で、クレバスとモレーンの行路をバルトロ氷河~K2BC~ガッシャーブルムBCまで行動。

標高666m~5150mのガッシャーブルムBCまで22日かけて、一人として高山病になることなく、全員が高度順応に成功したそうです。

その後 A、B、C 3隊は別々のルートを辿り、飯田支部長のA隊4名は、ビアフォ氷河~ヒスパー峠を超えて、パキスタン北西部に位置する「桃源郷」と呼ばれる、フンザまで行き復路につきました。

テント泊行程での食事が興味深く、 お菓子 → ラーメン → パスタ or 肉

必ず、甘いビスケットやチョコレートに紅茶が先に出たそう。

今回の踏査隊には、高度行動での血糖値を調査する研究者も参加されていて、センサーを腕に張り付けて、その調査に協力したそうです。

ここからは、第2部での質問を幾つか。

*ザックの容量は? 一人30キロ。実際にはポーターさんが20キロを2人分担ぎ、隊員は10キロ。

*キャラバンの人数は? 今回は隊員12名に対してその10倍 100名以上。ポーター、コックさんも

複数名。先々で、先行してテント設営、食事の準備、テーブルとイスの食卓をセットしてくれた。

*一日の歩行時間は? 4時間の時もあれば9時間に及ぶ時もあった。

食事といえば、家畜のヤギを連れて歩いている写真がありました。仲のいい可愛らしい黒と白のヤギ。

行程中にシロがいなくなり(隊員たちの貴重なたんぱく源となり)。致し方ないですね。

ただ、あのつぶらな瞳が忘れられません。

またK2BCで、昨年夏に遭難した平出・中島氏らの慰霊碑に線香を手向けた話には、中島健郎さんのファンとして、胸が熱くなりました。

A隊が後半に行った桃源郷の「フンザ」、花々が咲き素晴らしい景色だそう。一度訪れてみたいです。

最後になりましたが、飯田支部長 貴重な体験談を楽しく聴かせていただき、ありがとうございました。

記)城森園子A0544

「グレート・ヒマラヤ・トラバース7th 踏査だより」もぜひご覧ください。

支部

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