【報告】
初級者講習会・机上「基礎のセルフレスキューとロープワーク」
日時:2025年11月10日19時~20時30分
場所:JICA市ヶ谷ビル
講師:川瀬恵一氏(日本山岳会)
受講者:23名(会員・準会員 9名、一般 8名、オンライン 6名)
今回の机上講習は、悪路通過に役立つロープワークと、仲間が負傷した際のセルフレスキューの講習を行った。講師には日本山岳会遭難対策委員会委員長の川瀬 恵一氏をお迎えした。本講習は「机上」と銘打たれているが、今回は手や身体を動かして技術を習得する実技中心の構成となった。
まず始めに、スリングやカラビナなどの道具紹介、次に、それぞれ3m程度にカットしたロープを使用してエイトノットの結び方とスリングを用いた簡易ハーネスの結び方を行った。基本となるこの二つの技術を素早く確実にできるように、講習生同士がお互いに結び方を確認しながら何度も練習を行った。
簡易ハーネスとエイトノットができるようになると次は人を樹木に見立て、悪路を安全に通過するためのロープ張りの練習を行った。また、各自が身体に結んだ簡易ハースを使用しての通過の仕方も併せて実施。実際に自分でロープにカラビナをつけて歩いてみると安全性と安心感を実感できたようで感嘆の声が上がった。今後の山行にも役立つと思う。
続いて懸垂下降の際に使用するムンターヒッチの結び方を学んだ。川瀬氏も言っていたように、手の向きや動かし方のコツをつかむまで難しいと感じた。配布された資料のイラストも複雑な手の動きの説明に苦心された後が見受けられた。
最後に怪我人の搬送法の紹介およびストックを用いた松葉杖の作り方の実演が行われた。ストック2本で短時間かつ簡単に強度のある松葉杖ができあがった。使用する機会がないことが良いが、万が一に備える知識として習得の重要性を再認識した。
ロープワークやセルフレスキューは一見難しく感じるが、習得すると便利であり、山での安全には欠かせない技術や知識であると感じた。参加者全員が、身体で覚えるように真剣に取り組んでいた。今回学んだことを何度も練習し、確実に自分のスキルとして身につけられれば良いと思う。
報告:16391 若林優子



