日本山岳会では、2021年12月3日（金）から12月10日（金）にかけ、晩餐会ウィークと題して、8日間にわたってZoom配信による講演会を行いました。
その内容をYouTubeで公開いたします。
■晩餐会ウィーク■
12月3日（金）「登山の法律問題」（溝手康史）
12月4日（土）秩父宮記念山岳賞授賞式、受賞者講演（時枝務、大森弘一郎）
12月4日（土）「支部からのたより」（北海道支部、福島支部、四国支部、東九州支部）
12月5日（日）晩餐会記念登山（東京都・陣馬山山頂）《会員限定公開》
12月6日（月）「登山におけるコロナ対策の変遷と展望」（医師／稲垣泰斗）
12月7日（火）「山岳登拝道と修験の道」（鈴木正崇）《非公開》
12月8日（水）「超火山だった槍・穂高」（原山智）
12月9日（木）「置いてくるのは足跡だけ—南信州山岳文化伝統の会の「エコ登山」の試み」（大蔵喜福）
12月10日（金）「知られざるカナダの山、岩、生活」（山田利行・谷剛士）
登山の法律問題
講演：溝手康史
公開中 
概要：登山中に事故が起きた場合に法的責任が生じる場合と生じない場合があります。すべての事故について法的責任が生じるわけではありません。どのような場合に法的責任が生じるのか、法的を回避するにはどうすればよいのか、講習会や初心者を連れていく場合の注意点などについて話をしていただきました。
プロフィール：東京大学法学部卒業。登山の法律問題に精通し、国立登山研修所専門調査委員、日本山岳サーチ・アンド・レスキュー研究機構理事などを歴任。登山経験も豊富で、海外ではヒマラヤのアクタシ峰（7016ｍ、初登頂）、北極圏・バフィン島のフリーガⅡ峰など。著書に「登山の法律学」（東京新聞出版局）、「登山者のための法律入門」（山と渓谷社）など。
溝手康史HP
http://www5a.biglobe.ne.jp/~mizote/。
秩父宮記念山岳賞授賞式
受賞者講演：時枝務、大森弘一郎
公開中
概要：秩父宮記念山岳賞は故秩父宮殿下及び同妃殿下の事跡を永く記念するため、山に関連する顕著な活動または業績にたいして表彰を行ってきました。本年度は、山岳遺跡の考古学的研究の第一人者である時枝務氏と、日本アルプスやヒマラヤなどで広く空中写真撮影を行ってきた大森弘一郎氏に対して授賞。12月4日、日本外国特派員協会（東京・二重橋）で表彰式が行われました。時枝氏の受賞理由は「山岳遺跡の考古学的研究」、大森氏は「日本アルプスおよびヒマラヤでの空中写真撮影による登山活動と山岳科学への貢献」。
プロフィール：時枝務／群馬県および東京国立博物館学芸部、同文化財部、文化庁文化財部などで勤務ののち立正大学文学部史学科教授。同大博物館長も併任。著書に『山岳宗教遺跡の研究』岩田書院、『山岳霊場の考古学的研究』雄山閣、など多数。
大森弘一郎／慶應義塾高校および同大学山岳部で活動し、卒業後は国内の主要山岳を空撮。ネパール・ヒマラヤの空撮を約10回敢行し、空中写真は世界の登山家から高く評価された。
支部からのたより
出演：藤木俊三（北海道支部長）、佐藤一夫（福島支部長）、尾野益大（四国支部長）、安東桂三（東九州支部長）／司会：松田宏也（理事）／挨拶：坂井広志（副会長）
公開中
■概要
コロナ禍で相次いで会の行事が中止になり、全国の仲間と会うことがままならなくなりました。
そこで４支部の方々に自由に話をしていただく機会を作り、支部の紹介、コロナ禍での山行での苦労話、支部が愛する山々の紹介をしていただきました。
各支部の是非とも登ってもらいたい山々に「来て、観て、登って」、そして「交流」が生まれることを期待しています。
「陣馬山にあつまろう」晩餐会ウィーク記念山行
会員限定公開中
当日は天候に恵まれ60数名が各自それぞれのコースから陣馬山に集合しました。
総務委員会ではグッズの販売、YOUTH委員会は豚汁を配っていました。
千葉支部は大挙12名が参加し、楽しい時間を共有しました。
DM委員会では会員にインタビューをし、今年の出来事や来年の豊富など収録しました。
その様子をYouTubeに会員限定で公開しました。
登山におけるコロナ対策の変遷と展望
講演：稲垣泰斗／司会・聞き手：柏澄子（常務理事）／挨拶：橋本しをり（副会長）、野口いづみ（東京多摩支部長）
公開中
概要：稲垣が、team KOIのメンバー達と、2020～2021年にかけて山小屋におけるコロナ感染対策のために山小屋を訪問したり、登山者たちと接するなかで得た経験を元に、この2年間、登山シーンではどんな感染対策が講じられてきたか、その変遷と今後の展望について語りました（日本山岳会医療委員会企画）。
プロフィール：コロナ行政にも関わる救急医。100マイルを走るトレイルランナーであり、登山愛好家。国内の複数のトレイルランニングレースにおいて、医療・救護体制の構築や現場でのリーダーを務める。野外救急法教育団体であるウィルダネスメディカル アソシエイツ ジャパン医療アドバイザー。
稲垣泰斗プロフィール
https://www.wmajapan.com/staff-instructor/稲垣泰斗-タイト/
関連記事
http://grannote.jp/archives/1551909
team KOI
note
https://note.com/teamkoi/
ツィッター
https://twitter.com/TeamKoi1
超火山だった槍・穂高—マグマとプレート運動が作り出した飛騨山脈
講演：原山智
公開中
概要：北アルプス（飛騨山脈）には世界で5つしかない第四紀花崗岩のうち2つが露出しています。第四紀とは259万年前から現在に至る最新の地質時代です。一つは槍・穂高連峰の西に沿って分布する、滝谷花崗閃緑岩。もう一つは爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳から黒部川にかけて分布する黒部川花崗岩です。
こうした地球的にはきわめて若い花崗岩がなぜ飛騨山脈にあるのか？ 同時代に大噴火を起こしていた巨大カルデラ火山の復元の話とともに北アルプスの生い立ちの謎に迫っていきます。
プロフィール：京都大学大学院修了後、工業技術院地質調査所（現産業技術総合研究所）を経て1997年信州大学理学部助教授。同教授を経て、2018年から信州大学名誉教授および理学部特任教授。専門は地質学で、マグマ活動や断層運動による山脈の形成過程に関する研究のほか、山脈とともに生成した内陸盆地の成り立ち、特に盆地の地下に伏在する断層の探査を行い震動予測の基礎データとする取り組みをおこなっています。
2003年に刊行した「超火山 槍・穂高」（山と渓谷社）、2014年刊行の「槍・穂高」名峰誕生のミステリー（ヤマケイ文庫）のほか、著書や論文には槍穂高連峰や上高地、立山、剣岳、鹿島槍ヶ岳、黒部川流域に関するもの多数。
原山智HP
http://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.uNTFOUkh.html
置いてくるのは足跡だけ－南信州山岳文化伝統の会の「エコ登山」の試み
講師：大蔵喜福／聞き手：久保田賢次（理事）
公開中
概要：「日本の山で北米のような世界水準のエコ登山をやってみたい」。故郷、南アルプスの最南部で、こうしたプロジェクトに取り組んでいる大蔵喜福さんに話をうかがう。テイクイン・テイクアウトですべてのゴミを持ち降ろす。もちろん排泄物を含めて。そんな構想の実現に向けて仲間と南信州山岳文化伝統の会を立ち上げたのが2019年。ブランド化に向けて動き始めた矢先に感染拡大が世界を席巻する。しかし「コロナ禍も、ある意味見方になったような気もする」と、大蔵さんの構想はますます膨らみつつある。（日本山岳会会報「山」2021年11月号参照）
プロフィール：14歳より本格的登山を始め、その後ヨーロッパアルプス、アメリカ大陸、ヒマラヤへと活動範囲を広げる。79年、ダウラギリⅡ～Ⅲ～Ⅴ峰の縦走に成功。チョモランマ北壁での厳冬期最高到達地点記録はいまだ破るものはいない。30年に渡って続けたデナリでの気象リサーチ活動において、２０００年に第三回秩父宮記念山岳賞を受賞。
南信州山岳文化伝統の会HP
https://www.mstb.jp/sangakubunka/
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https://www.instagram.com/the.southern.alps/
知られざるカナダの山、岩、生活
講師：谷剛士・山田利行／聞き手：松原尚之（理事）
公開中
概要：カナダに移住して8～9年の谷剛士さんと山田利行さんの話を、松原尚之さんが聞きました。
山や川が近くにあり、自然のなかで遊ぶことが日常の日々、自然に近しいところでの暮らしぶり、山岳ガイドという職業について、そしてふたりで登ってきたカナダの山々について語ってもらいました。
プロフィール：谷剛士／高校卒業と同時に信州の山小屋で働きはじめ、山岳ガイド、スキーパトロール、民間の山岳救助隊員などを務めた。その後、カナダに移住しガイド業に携わる。現在は、国際山岳ガイド連盟認定の山岳ガイド。日本山岳会東海支部所属。
山田利行／大学では山岳部中心の生活を送り、JAC東海支部「東海学生山岳連盟」を再建し、初代委員長を務めた。卒業1年後にカナダへ移住。2015年からガイド業を始める。日本山岳会東海支部所属。
谷剛士
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山田利行
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